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イントラネットとは?導入のメリットや活用法、注意点を解説

作成者: 佐藤菜摘|2024/12/29 13:23:17

企業や組織において、内部向けの最新情報を迅速に共有したり、従業員間のコミュニケーションを活性化したりする方法のひとつに、「イントラネットの活用」があります。イントラネット自体は古くから存在していましたが、時代とともに用途が変わり、近年は各企業のニーズに合った形で活発に利用されるようになりました。

本記事では、時代に合ったイントラネットの活用法や、導入のポイントなどについて詳しく解説します。

目次

イントラネットは関係者内に閉じたネットワーク

イントラネットとは、インターネットの技術を使って構築された、内部向けの閉じたネットワークのことです。

イントラネットは、インターネットと同じ「TCP/IP」という通信プロトコルを利用して構築され、ブラウザで情報を見たり、アプリからメールを送ったりすることができます。

ただし、社外とコミュニケーションをとることはできません。反対にいえば、社外からアクセスされる心配がないため、安心して社外秘の情報や業務上のノウハウなどを共有しやすくなっています。

イントラネットの登場以前、企業内ネットワークを構築するには独自の通信プロトコルが必要で、導入にはコストと手間がかかりました。導入後の操作も煩雑で、システムに苦手意識を持つ従業員の中にはハードルを感じる人も多く、浸透しにくかったのです。

その点、イントラネットは、インターネット上で使用されている技術を、安価かつ容易に流用できます。社内 LAN / WAN 上にサイトを作成するだけで導入が完結する利便性の高さと、導入後の運用のわかりやすさも手伝って、社内の情報共有に課題を感じていた企業で瞬く間に導入が進みました。

 

イントラネットと似た言葉

イントラネットと混同されることが多い言葉に、「インターネット」と「エクストラネット」があります。両者の意味をそれぞれ解説します。

インターネット

インターネットは、世界中に開かれた公共的なネットワークです。複数のコンピューター同士でつくるネットワークが、さらに外のネットワークへとつながることで、世界中のネットワークと相互的なやりとりができる環境を作り出します。
インターネットに接続できるデバイスさえあれば、誰でも、どこにいても膨大な情報を自由に取得できる点がメリットである一方、機密性の高い情報を守るのが難しいというデメリットがあるでしょう。

イントラネットとは、アクセスできる人の範囲と、アクセス制限の有無などに違いがあります。

エクストラネット

エクストラネットは、複数のイントラネットの一部を開放し、相互接続したネットワークのことです。解放範囲はイントラネットの管理者である企業が設定し、取引先やグループ企業などを招待することによって情報共有が可能になります。

イントラネットが組織内のナレッジ共有やコミュニケーションを目的としているのに対し、エクストラネットは組織を超えた協業や関係性の強化、流通の効率化などを目的としている点が大きな違いです。

 

イントラネットの使用用途の変遷

元々イントラネットは、社内で使用するデータの保管場所としての利用がメインでした。しかし、クラウドサービスとの連携や SNS 機能の活用が可能になった近年では、幅広い用途で活用されています。


また、それに伴って「イントラネット」の名称で呼ばれることが減り、イントラネットという言葉を死語とみなす風潮もあります。ただし、名前は変わっても、組織におけるコミュニケーションのハブとしてイントラネットが利用されていることは変わりません。


イントラネットに代わる代表的な名称と、主な用途は以下のとおりです。

社内ポータル

社内ポータルは、組織から従業員に周知したい情報や、従業員が業務上必要とする情報・ツール・アプリケーションなどを集約したプラットフォームへの入り口です。
アクセスすると、保管されている情報のメニューが表示され、閲覧や検索ができます。

グループウェア

グループウェアは、組織内の情報共有やコミュニケーション、業務効率化などに役立つ機能が組み込まれたソフトウェアの総称です。スケジュール管理、メール・チャット、掲示板、ファイル共有、プロジェクト管理、ワークフローなどの機能が一元化されており、幅広く業務をカバーできます。

社内 SNS ・チャット

社内 SNS は、組織内での情報共有や近況報告が気軽にできるツールです。
社内チャットは、リアルタイムでメッセージのやりとりができることが特徴で、電話やメールに代わるコミュニケーションツールとして活用されています。テレワークで従業員同士の距離が物理的に離れている場合や、部署の垣根を超えて雑談に近い対話を生み出したい場合などにも便利です。

社内 Wiki

Wiki は、ブラウザから誰でも投稿や編集ができる、Web サイトを作成するシステムやシフトウェアを指します。それを社内向けにしたものが社内 Wiki であり、オンライン百科事典の Wikipedia のように、社内のナレッジやノウハウを蓄積・共有できます。従業員なら誰でも編集できるため、最新の情報を持っている人が随時上書きしていくことで、業務の属人化を防ぐことが可能です。

イントラネット導入のメリット

イントラネットを導入し、その機能を利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、イントラネットを導入する具体的なメリットをご紹介します。

情報を一元管理可能で、全員が最新の情報にアクセスできる

イントラネットを導入することで、社内の各部署やチームに散在していた業務関連の情報を、一元的に管理できるようになります。情報が散らばることを防ぎ、業務効率の向上や業務の属人化の防止が期待できるでしょう。リアルタイムでの情報の共有や更新が可能になり、最新の情報にアクセスでき、迅速な業務の意思決定が可能になります。

また、イントラネット上の操作の記録は履歴として残るため、誰がどのような変更を加えたのかを追跡できる点は、セキュリティ対策としても有効です。

多様な情報を効率的に発信できる

朝会での講話やメール、社内報などでバラバラに発信されていた従業員向けの情報や、業務効率を上げるためのTips をイントラネットに集約して発信できます。

また、社内の関係者に限定して開示できるため、経営層のメッセージもフランクな発信もイントラネットにまとめることが可能です。経営層が定期的に思いを発信することで従業員のモチベーションアップにつながる他、自由度の高い情報交換で従業員同士の理解が深まることも期待できるでしょう。横のつながりが強化されて思わぬイノベーションが生まれたり、業務改善につながったりする可能性もあります。

なお、グローバル展開している企業や、外国人従業員を積極的に採用している企業がこうした情報発信にイントラネットを使う場合、イントラネットの多言語化がコミュニケーション活性化のカギを握っています。

各従業員の母国語でのアクセシビリティを維持することで、外国人従業員とのコミュニケーションに対するモチベーションが上がり、コミュニケーションの質も向上します。

コスト削減できる

ブラウザ上で情報を閲覧したり、保管場所へアクセスしたりできるイントラネットは、これまで紙ベースで行われてきた資料の配布や情報周知の習慣を一変させるものです。
ペーパーレス化が進み、紙の購入費用、印刷・郵送にかかる費用などのコストを削減できます。

 

イントラネット導入のデメリット

イントラネットの導入には、さまざまなメリットがありますが、デメリットも考慮しなければなりません。ここではイントラネットの導入で考えられるデメリットを挙げてみます。

セキュリティリスクがある

イントラネットは組織内に特化したネットワークですが、外部から絶対に侵入できないわけではありません。情報漏えいのリスクを低減するため、SSL (Secure Sockets Layer)サーバ証明書を利用して情報を暗号化したり、ファイアウォールや IDS / IPS を導入したりといった対策が必要です。

障害が発生する可能性がある

イントラネットに障害が発生すると、必要な情報にアクセスできず、業務が滞ります。万が一のためにあらかじめ障害対応をマニュアル化し、すみやかな復旧を目指しましょう。データの消失に備えて定期的にバックアップをとって保管することも大切です。

運用にコストがかかりリソースも必要になる

従来のシステムに比べて安価とはいえ、イントラネットの導入には初期費用とランニングコストがかかります。障害対応やソフトウェアの更新、サーバ保守などの知識を持った人員も確保する必要があるでしょう。

イントラネット導入にあたって意識したいポイント

イントラネットは、実際の活用シーンを見据えて導入することが大切です。具体的には、以下の準備をしてから導入を進めると良いでしょう。

現状と目的を明確にする

現在の組織にどのような課題があり、イントラネットによってどのように解決したいのかを明確にしましょう。これにより、必要な機能を絞り込むことができます。

また、多国籍な従業員が勤務している企業や、海外現地法人がある企業などがコミュニケーションの活性化を目的としてイントラネットを導入する場合、従業員一人ひとりの母国語でイントラネットの情報を読めるようにすることが大切です。文化圏によって異なる表現の捉え方、禁忌となる表現などにも配慮しつつ、情報の格差をなくしましょう。

運用目的を社内に周知し定着を図る

現場での利活用が進むよう、運用の目的を社内に周知しましょう。併せて、マニュアルや研修で使い方を知ってもらい、定着を促すことも重要です。利用状況を見ながらルールをカスタマイズしたり、効果的な利用方法をアナウンスしたりすることも定着に貢献します。

効果測定し改善をする

イントラネットは導入して終わりではありません。初期は利用した従業員の声を集め、必要に応じて利用のルールや機能を改善します。その後も定期的に活用状況をモニタリングし、目的に対する効果を測定して改善を図りましょう。

 

イントラネット導入時に注目される多言語化

コロナ禍以降のグローバル企業では、対面でのコミュニケーションの代替手段としてイントラネットの多言語化に取り組む傾向が顕著です。言語によるコミュニケーション格差や情報格差は、組織の一体感を阻害する大きな要因になる可能性があります。

イントラネットがあっても母国語でなければ、情報取得のハードルが上がり、利用率は低下します。国籍の区別なく母国語で情報を届けようとするダイバーシティ&インクルージョンは、多様な従業員が生き生きと活躍する企業文化の形成に不可欠です。

 

 

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