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マニュアル翻訳は重要?コストを抑えて多言語化する方法も解説

作成者: 佐藤菜摘|2024/12/30 6:38:38

海外に製品を輸出するには、現地の言葉に翻訳された製品マニュアルが欠かせません。また、国内取引が中心の企業でも、外国人従業員の増加に伴い、業務マニュアルを多言語化する重要性が増しています。

ここでは、マニュアル翻訳の重要性と作成するにはどのような方法があるのか、コストを抑えて使いやすい多言語マニュアルを作成する方法について解説します。

目次

マニュアル翻訳の重要性

マニュアルというと、製品や機器の取扱説明書というイメージがありますが、業務の手順書などもマニュアルに含まれます。

日本では近年、グローバル化の推進や少子高齢化で不足する労働力確保のために、外国人従業員の雇用が増えており、今後もさらなる増加が見込まれています。
外国人従業員は日本人の従業員とバックグラウンドとなる文化や言語が異なるため、日本語のマニュアルだけでは業務の理解に時間がかかるでしょう。理解できないまま業務にあたることで、作業中のミスや危険につながるおそれもあります。

こうした事態を防ぐには、彼らの言語に翻訳されたマニュアルが欠かせません。マニュアルを多言語で用意することは、教育コストの低下や育成の早期化の他、製品・サービスの品質向上、労働者の安全確保にもつながります。

また、製品・サービスをグローバル展開している企業にとっては、訴訟リスクを減らすためにも、適切な製品のマニュアル翻訳が必要です。海外の製品・サービスを取り入れる際も、マニュアルを翻訳して日本語で読めるようにしておけば、円滑な導入につながります。
このように、今やどのような企業にとっても、マニュアル翻訳の必要性が増しているのです。

マニュアルを翻訳するのは難しい?

前述のように、国内で営業する企業にとっても、マニュアルの翻訳の必要性は高まっています。しかし、いざマニュアルを翻訳するとなると、簡単なことではありません。

日本語のマニュアルは、ただ直訳するだけでは、異なる文化的背景を持つ外国人にわかりやすいものにはならず、文化的な違いを配慮した上での翻訳が必要です。
また、業界の専門用語は、そのまま訳したのでは十分に意味が伝わらないので、それに適した表現に置き換えなければいけません。適切な説明を加えるには、業界に精通した翻訳者が必要になる場合もあります。

加えて、1つの言語なら対応できても、多言語となると、その分コストや手間は増加するでしょう。翻訳する言語が増えるとバージョン管理も煩雑になり、更新漏れなどのミスが起こりやすくなるため、その対策も講じなくてはいけません。

マニュアル翻訳にかかるコスト

実際のところ、マニュアル翻訳にはどれぐらいのコストがかかるのでしょうか。

翻訳会社などに依頼する場合、翻訳料金は1文字あたりの単価で設定されていることがほとんどです。金額は言語や内容によりますが、一般社団法人日本翻訳連盟によると、日英翻訳の場合、コンピューターマニュアルで1文字20円(税別)、医学・医療・薬学では1文字30円(税別)となっています。専門的なものほど詳細な説明が必要になり、文章は長くなりがちですが、内容の専門性が高いほど翻訳単価は上がります。

翻訳を複数言語で展開する場合は、もちろんその分費用がかかりますし、マイナー言語の場合は、さらに費用が高くなります。話者が少ない言語の場合、そもそも翻訳者が少なく、請負先が見つからない可能性も考えておかなければなりません。

また、マニュアル翻訳は完成すれば終わりではなく、随時更新を反映していく必要があります。翻訳したマニュアルを、PDF や Word などの媒体で管理すると、バージョン管理のコストが増大していくという問題もあります。

生成 AI でマニュアル翻訳はできる?

膨大になりがちな翻訳コストを抑える方法としては、無料で使える生成 AI の活用が考えられます。
ChatGPT や Gemini など、基本的には無料で利用でき、翻訳も可能な対話型の生成 AI は少なくありません。ただし、生成 AI をビジネスの翻訳に使うには、以下のような課題があります。

翻訳に手間がかかる

ChatGPT などの対話型の生成 AI は、ユーザーが入力した質問に対して回答を返す形式で翻訳をします。一度に入力できる文字数には上限があり、無料版では低く抑えられているので、マニュアルのような長い文章を翻訳するには、何度も質問&回答を繰り返す必要があるでしょう。

同じ文言に同じ翻訳が適用されるとは限らない

生成 AI は、同じ質問に対して同じ答えを返すとは限りません。そのため、同じ文言を再び翻訳しても、前回と異なる内容が返ってくる可能性があります。
同じマニュアル内で表記や文章がバラバラになれば、混乱を招いてしまいます。

バージョン管理が別途必要

生成 AI には、データを管理する機能やレイアウト修正を行う機能はありません。バージョンの更新や言語に合わせたレイアウト変更などは、人の手で別途行うことになります。

利便性・コストを考えるなら Web 化からの多言語化がベスト

生成 AI を利用した翻訳には「翻訳や管理に手間がかかる」「統一性に欠ける」といった課題があります。さらに、翻訳コスト、利便性などを総合的に考えると、マニュアルを翻訳する際には、Web 化したマニュアルを Web 翻訳ツールで多言語化するのがおすすめです。

マニュアルの Web 化とは、マニュアルを Web 上で閲覧できる状態にすること。従業員向けマニュアルなど、閲覧者を限定するものについては、一定のアクセス制限を課すことで機密性を維持できます。
Web 翻訳ツールを使えば、ページにスクリプトを埋め込むだけの簡単操作で、Web 化したマニュアルの多言語翻訳ができ、生成 AI での翻訳のように質問と回答を繰り返す必要がありません。かかる費用は、翻訳ツールの利用料金だけなので、翻訳会社にアウトソーシングするのに比べれば、費用もかなり抑えられるでしょう。

さらに、コンテンツの追加・変更を自動で検知する機能がある Web 翻訳ツールであれば、更新管理の手間も削減できます。

マニュアルを Web 化するメリット

マニュアルの Web 化がおすすめなのは、Web 化自体にさまざまなメリットがあるためです。具体的には、以下のようなメリットがあります。

バージョン管理や更新の手間が減る

マニュアルを Web 化しておけば、バージョンの更新が簡単になり、バージョン管理の手間も削減できます。紙や PDF のマニュアルの場合、更新のたびに修正のあったページの差し替えや、更新の周知といった対応が必要です。対応が漏れれば古いマニュアルが使われ続け、業務のミスにつながりかねません。
マニュアルを Web 化しておけば、修正箇所を更新するだけで済み、古いマニュアルが使われ続けるリスクもなくなるでしょう。

共有しやすくなる

Web のマニュアルは、URL を共有すれば、いつでもアクセスできます。デバイスに PDF をダウンロードしたり、紙を持ち歩いたりする必要がないので、従業員や製品ユーザーの利便性が向上し、管理にかかる手間も削減できます。
また、紙のマニュアルには紛失リスクがありますが、Web マニュアルであればその可能性は低いです。

カスタマーサポートの工数削減につながる

製品マニュアルを Web 化して企業サイトに置いておけば、顧客が製品について調べたいときに、わざわざ紙のマニュアルを探す必要がなくなります。
検索機能を使えば、欲しい情報にすぐにたどり着けるので企業への問い合わせも減り、カスタマーサポートの工数削減につながるでしょう。

SEO につながる

製品やサービスにもよりますが、マニュアル自体のテキストが多いため、企業サイトにアップすることでSEO につながる場合があります。
検索エンジンからの流入を増やし、認知度の向上や売上の拡大につなげられる可能性があるでしょう。

マニュアルの翻訳なら「WOVN.io」がおすすめ

ローバル化を進めている企業、国内市場で営業する企業を問わず、マニュアルの多言語翻訳は重要ですが、翻訳には費用と手間がかかります。
1つの言語だけならまだしも、多言語となるとその分だけ手間もコストも膨らむので、できる限り効率的な方法を選ぶことが大切です。総合的に考えると、翻訳コストと管理の手間を抑え、使用する従業員や製品ユーザーの利便性も高めるには、マニュアルを Web 化した後、Web 翻訳ツールで多言語化する方法がおすすめです。

多言語化ソリューション「WOVN.io」なら、1行のスクリプトを埋め込むだけで、Web サイト上のマニュアル翻訳が実現します。マニュアル内の固有名詞や専門用語も、用語集に登録することで誤りなく翻訳できますし、完全に一致している表現は全ページで同じ翻訳が自動で適用されるので、表記のぶれもありません。ハイレベルなセキュリティで大手企業の導入実績も多く、機密情報を扱う環境でも安心して利用できます。

「WOVN.io」は、外国人従業員やグローバル展開のためにマニュアルを多言語に翻訳するだけでなく、日本語マニュアルが付属しない、海外拠点の製品のマニュアルを日本語訳する際にも役立ちます。ぜひご活用ください。