外国人留学生向けにイベントの開催、情報誌の発行、Web サイトの運営をするアクセスネクステージは、年々増加する外国人留学生向けに新しい情報を迅速に届けるべく、「アクセス留学」Webサイトに WOVN.io を導入し、Web サイトの多言語対応を行いました。頻繁に更新される情報を英語、簡体字、繁体字、韓国語、ベトナム語、タイ語、ネパール語の7言語で即時配信し、一人でも多くの外国人留学生に早い情報を提供しています。今回はアクセスネクステージが WOVN.io を導入した理由、WOVN.io の導入を通じて得たもの、その次に目指すものは何なのか、など様々なお話をお伺いしました。
私は、アクセスリード(※WOVN.io 導入当時の社名)のメディア統括として、主に学校情報を情報誌に掲載したり、学校が主催するイベントの情報を発信する媒体・メディア、アクセスリードの Web サイトの運営を担当しておりました。情報発信の対象は国内にいる日本人学生だけでなく、海外から日本に留学する学生も含まれております。
弊社は2020年4月に、採用活動を支援していたアクセスヒューマネクストと、入学のために世界中の学校・学生を支援していたアクセスリードという事業会社が合併し、会社名もアクセスリードから、「アクセスネクステージ」となりました。メンバーは多少変わりましたが、私の担当は変わらず、主に学校情報を扱うメディアの統括ポジションにいます。
2018年に当社が運営している「アクセス日本留学」のサイトリニューアルを実施することが決定しました。リニューアルに合わせて、海外からの流入も増やせるサイトを構築しようとなったんです。当時、すでに国内からのアクセスは多かったため、プロモーションは国内を重視していましたが、さらに認知度をあげて、より多くの学生に情報を届けるために、次のステージは「海外」だと考えていました。ですので、それまで対応していた英語、簡体字、繁体字、韓国語、ベトナム語、タイ語、ネパール語の対応を維持しつつ、「海外からの流入をさらに増やす」こと、「大量にかかっていた翻訳費用と翻訳時間を削減する」こと、この2つの大きな課題を解決できるシステムを探しはじめました。
外国人留学生はだいたい夏までに進学先候補の情報を収集し、準備を始めるため、「アクセス日本留学」は春から夏にかけて繁忙期を迎えます。そのため、繁忙期までにサイトリニューアルを行う必要があり、翻訳システムの検討開始からリリースまでには限られた時間しかありませんでした。
リニューアルに伴い、チームとして欠かせないミッション・課題は、
・現状対応している7言語(英語、簡体字、繁体字、韓国語、ベトナム語、タイ語、ネパール語)すべてに対応できること
・翻訳にかかる膨大なコスト、時間を削減できること
・迅速に導入できること
・配信・更新頻度を増やしたコンテンツに対応できること
・海外からの Web サイト流入をさらに増やすこと
であり、その全てを解消できるシステムが「WOVN.io」でした。
WOVN.io を導入した2018年当時は、「ネパール語」に対応できる会社さんはそれほど多くなく、WOVN.io は当社が現状対応している7言語すべてに対応できる、ということが大きなメリットでした。そして導入自体も、とても簡単で、サイトにボーナスだけ。さらに、都度更新されるコンテンツ、情報もすぐに多言語化され発信できることも WOVN さんに決定させていただいた要因の一つです。また、導入形式によって異なるとは思いますが、海外からの流入を増やすための海外 SEO 対策も可能であることも決め手の一つでした。
まあ、一言でまとめると、「グッド」。とんとん拍子に WOVN.io の導入が決まりました。
チーム内で WOVN.io の導入決定は早かったものの、着手にいたるまでは社内の都合上少し時間がかかってしまったので、着手してから稼働までの時間はあまりありませんでした。1か月半〜2か月くらいだったと思います。ですが、先ほどお伝えしたように、繁忙期を外すことはできません。そんな短期間での導入が実現できたのは、 WOVN さんの丁寧かつ、迅速なサポートがあったからです。
キックオフのタイミングから、かなり踏み込んでくださり、事前に何を目指しており、どういうことをやろうとしているのか、しっかりヒアリングしていただけたことで、全体的なスケジュールから遅延することなく、スムーズに導入できたかと思っています。逆に、こんなに早く導入できていいの?なんて疑問を持ってしまったり(笑)。というのはオーバーかもしれませんが、それくらいスムーズでした。
繁忙期を逃すことなく、多言語展開ができたおかげで、Web サイト流入は国内・海外ともに顕著に増えました。導入前は毎年1.1倍ずつ増加していたサイトへの流入は、リニューアル後の1年で1.4倍に、2017年と比較すると約2倍、海外からの流入に限れば約4倍に増加しました。国内と国外のアクセス数比率も、リニューアル前はほぼ国内中心という状況でしたが、現状は7:3まで伸びています。
また、リニューアル前と比べてコンテンツの更新頻度も増加しましたが、更新した全てのコンテンツが WOVN.io によって迅速に多言語化されることが、海外からの PV 数・アクセス数が増えた要因でもあると考えています。
「アクセス日本留学」ではイベントの参加申し込みに一番の比重を置いているのですが、イベントの参加申し込みはもちろん、掲載している各学校の紹介ページ閲覧数も顕著に増えましたね。これも、海外から学校情報、留学情報を検索したときに、ちゃんと「アクセス日本留学」の情報が検索される、というように海外 SEO 対策ができているからです。すべて、Web サイトリニューアルの狙い通りです。
以前翻訳会社に依頼していたときは、なんせ言語数が7言語ということもあり、膨大なコストがかかっていました。加えて、ネパール語という対応に時間を要する言語も含まれていたこともあり、各言語ごとに納品日はバラバラ、納期も時間がかかっていました。ですが WOVN.io は、納得のいくコスト感で導入することができましたし、主に機械翻訳を利用することで納品日がずれる心配もなくなりました。
機械翻訳のみですと、どうしても機械翻訳ならではの表現が出てきてしまうことがあります。そういった時は、弊社に外国籍のスタッフも在籍しているので、気付いたものから手直しするようにしています。手直しの作業も、パソコンでの作業が不慣れなスタッフでも簡単に使いこなせるような仕組みになっていて、とても助かっています。ライブエディット機能を使って、気付いたところは簡単に修正しすぐ反映できるというところも、WOVN.io のメリットだと思います。
現状ではオフラインのイベント開催が難しい、学生と顔を合わせてお話できる機会が減りました。たくさんの学生とお会いすることができなくなった今、情報を求めるすべての学生に、オンラインでいかに情報を届けるか、コミュニケーションをとるかが我々の課題となっております。
現状の Web サイトは情報を発信して学生に届けるという一方的な発信となっているので、これからはオンラインで双方向のコミュニケーションをとれないかと考えています。手段は今まさに検討しているところなので、具体的な策はお話しできませんが…。そうした時に、やはり真っ先に上がってくる課題は「言語の壁」です。顔が見えない、空気・雰囲気を感じることができないオンラインだと、「言葉」のみでのコミュニケーションになるので、言語の壁をなくして、求められている情報を届けてあげたいな、と。なので、海外の学生のために多言語でコミュニケーションできるツールをぜひ、開発していただきたいです!(筆者注記:こちら、リクエストを受けた開発ロードマップに組み込み検討中です)
(取材日:2020年6月)