「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」をミッションに掲げ、女性向けのファッションレンタルを中心に、最適なモノとの出会い・ワクワクを届けるエアークローゼット。リユース・リセール・リサイクルする循環型ファッションの基盤を構築し、取り扱う全てのお洋服の廃棄ゼロを実現しています。
今回は、今後の海外展開や上場後の情報発信を見据え、多くのステークホルダーに英語で情報を発信するべくコーポレートサイトを英語化し、運用負荷なく情報を届けることができるようになった、というお話を伺いました。
ー 本日はよろしくお願いいたします。はじめに、貴社の事業について教えていただけますか?
エアークローゼットは、女性向けのファッションレンタルを主な事業としています。スタイリングや配送、返却、クリーニングなど、1つのお洋服が様々な場所に移動していくため、個品管理の必要がある点が EC サイトとは異なる大きな特徴です。こうした特徴もあり、調達や物流、Web サイトの運用、データ分析含め、全て自社でシステム化しているところが弊社の強みですね。ファッションの会社と思われることも多いのですが、ファッションと IT の力で、誰もがワクワクする新しい「当たり前」をつくることを目指しており、裏側のシステムも含め内製化しています。
ー 最初からファッションの分野で事業をしようと考えていたのですか?
創業当時、仕組み化により社会の課題を解決し、ライフスタイルを豊かにしたいと考えていました。特にファッションにこだわりがある訳ではありませんでしたが、モノと情報が大量に増えていく世の中において、どんなものが自分に合うのかを探したり、迷う時間が足らなくなっていくというところ、身近にあり気分をワクワクさせてくれるものというところで、ファッションの分野で創業しました。
例えば、どこかに出かける時に「着ていくお洋服がない」と考えることがあると思います。クローゼットを見ればお洋服はあるのですが、テンションの上がるお洋服、着ていきたいお洋服がない、ということなんですよね。新しいお洋服を買うにもお金がかかりますし、仕事をしていたり、子育てをしていたりすると、そもそもお洋服を選ぶ時間、買いに行く時間が取れないということも多いです。こうした課題をレンタルで、しかもスタイリストが自分に合うお洋服を選んで送ってくれるサービスであれば解消でき、時間価値を向上できるのではないかと考えました。
ー 確かに私もネクタイを1つ選ぶのに、30分以上かけてしまった経験があります。現在、貴社のサービスを活用いただいている層の方にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?
現在は、30〜40代の女性に活用いただくことが多いです。90%以上がお仕事をされている方で、お子様がいらっしゃる方も半数以上です。自身で購入する時には選ばなかったようなお洋服と出会い、周りの方から褒められることで自信にも繋がった、という嬉しい声もいただいています。
国内の認知もまだまだこれからという状況ではありますが、将来的には、①女性向けのサービス拡大、認知向上、②事業領域の拡大として、メンズ/キッズ/シニア向けなどのご利用いただける方の拡大、物流基盤のプラットフォーム展開、 ③海外展開という3つのテーマでサービスを発展していきたいと考えています。
ー ありがとうございます。そうすると、今回のコーポレートサイトの多言語化は、今後の海外展開を意識されたものだったのでしょうか?
そうですね。日本には様々な魅力あるサービスや文化がありますが、海外にうまく輸出できていない現状があると思っています。ファッションの分野でも、例えばお洋服を越境 EC で販売することは行われていますが、スタイリングサービスの輸出はなかなか実現できていないのが現状です。商品をどう説明するかでレンタルにおいても評価が変わるということが弊社の AB テストでもわかっており、スタイリングの価値、パーソナライズの重要性を感じています。こうしたサービスを海外にも輸出したいというのは創業当時から考えていることで、これまでもイギリス、韓国といった国から取材のお問合せをいただいたこともあり、海外にも情報を発信する必要性を強く感じていました。
また、弊社は2022年7月末に、東京証券取引所 グロース市場に上場しました。こうした背景の中、海外投資家の皆様にもスピーディーに情報発信をすることが重要だと考えたのも、コーポレートサイトを英語化しようと考えた理由の1つです。英語化をきっかけに、海外投資家の皆様にも弊社を知っていただけると嬉しいです。
ー なるほど、確かに IPO に向けてコーポレートサイトを英語化する企業が多いですよね。コーポレートサイトは、現在または未来の従業員も見る機会が多いと思いますが、貴社ではどうでしょうか?
確かに、弊社でも採用候補者が情報収集のためコーポレートサイトを見ていただく機会が多いですね。特に開発チームは半数が外国籍のメンバーということもあり、英語で情報を発信することで、より知っていただける機会も増えたのではないかと思います。
ー ありがとうございます。様々なステークホルダーの方に情報を発信するためにコーポレートサイトを英語化したかと思いますが、WOVN.io を知っていただいたきっかけはなんでしたか?
WOVN.io は紹介の形で知りました。コーポレートサイトをリニューアルするにあたり、英語化を実現しようと考えており、WordPress のプラグインや、自社開発での英語化も検討しておりましたが、リニューアルのタイミングではコストや時間をかけて対応はできても、運用フェーズでも継続的に英語で情報発信を行うのは難しいと考えておりました。WOVN.io を活用すれば、運用フェーズにおいても負担なく情報を届けることができる点が素晴らしいと感じましたね。
ー 導入してみていかがでしたか?
本当に一瞬で導入ができました。簡単な設定だけで翻訳ができる WordPress のプラグインが提供されているおかげで実装には1時間もかかりませんでしたし、高い翻訳精度のおかげで、自分達で翻訳したいミッションなどの重要な部分を除き、全て自動で運用ができています。私は開発者と会話する機会も多いのですが、「日本語でコンテンツを作成したら、全部自動で翻訳してくれるなんてすごい!」と盛り上がっています。サービスを拡大し、やるべきことも増えていく中ですので、英語化にリソースを割かなくて良いというのはありがたいですね。
ー 簡単に導入できるように、と弊社のエンジニアチームがこだわりを持って開発しましたので、弊社としても嬉しいです!さらなる利便性向上のために、今後の弊社に期待されることなどがあれば教えてください。
Web サイトの英語化が自動でできる点でとてもありがたいなと思っていますが、例えば、SDGs については海外でも関心の強いテーマであり、情報発信の必要性を感じています。マテリアリティの英語での表現などを相談できると嬉しいですね。
ー ありがとうございます。各社共通の表現も多いと思いますので、検討したいと思います。その他、WOVN では今後、IR の字幕や決算短信の英語化など、Web サイト以外の多言語化実現を予定していますが、このような機能はいかがでしょうか?
IR 情報の動画、PDF ファイルなどの情報も翻訳できるようになれば、とてもありがたいですね。情報発信はとても重要であると感じる一方、社内リソースもありますので、運用面での負担なく各ステークホルダーにスピーディーに情報発信できるようになると嬉しいです。
ー ありがとうございます。最後に、今後の展望について教えていただけますでしょうか?
これまでファッション業界では、自分のお洋服の好みがデータ化されていない状況でした。これにより、過剰な生産に繋がったり、一度も袖を通されずに廃棄されていくという課題を抱えておりました。実は、捨てられるお洋服は家庭から出るものも多く、生産側で生産をコントロールすることが難しい要因にもなっています。ファッションレンタルを通じて自身の好みをデータ化することで、必要なお洋服が何かがわかるようになり、生産時にも活用いただけるデータになると思います。特に弊社は、「お洋服として活躍できるものはそのままお洋服として最大限活用する」ことを重視しており、シェアリング等による循環で衣服廃棄ゼロを実現しています。
こうした課題は世界共通だと感じておりますので、将来的には海外にもサービスを輸出し、大きな社会問題を解決していきたいと考えています。実現にあたっては、海外に向けた情報発信も必要になりますので、WOVN.io を活用しながら、多くの方に弊社のことを知っていただけたら嬉しいですね。
(取材日:2022年10月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
コーポレートサイト
URL:https://corp.air-closet.com
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