1985年より本格的にタイ料理の食材を販売し始め、「タイ料理の一般化」をモットーに、本場の調味料から日本人のライフスタイルにあったものまで、様々な商品を展開しているアライドコーポレーション。
今年4月にリリースした国内のタイ・ベトナムレストラン向け発注用 EC サイトに WOVN.io を導入し、日本語、英語、タイ語、ベトナム語の4言語対応を行いました。多言語対応により、お客様と双方の利便性向上を実現したというお話をお伺いしました。
中根:
我々の業界はまだまだアナログな部分が多く、新規顧客開拓のためにタイレストランやベトナムレストランを直接訪問したり、お客様からの発注を FAX や電話で受けたりするのが業界慣行となっています。その中で課題となっていたのは“発注の手間”と“言語の壁”です。
日本にあるタイレストランやベトナムレストランのオーナーの40〜50%は外国人です。対面でのコミュニケーションにおいても、たとえ言葉が通じなくても身振りで伝わる場合もあれば、全く何を言っているかわからないこともあります。カタコト英語で会話してみても、かえって伝わらないという状況になることもありました。注文書も同様で、タイ語やベトナム語で注文がきた場合、内容をすべて把握することにかなり時間がかかっていましたね。
“発注の手間”と“言語の壁”、この2つの課題を解決するために、多言語対応 EC サイトを立ち上げることになりました。多言語 EC サイトは、“顧客の利便性向上”と“言語対応の負荷軽減”を実現でき、同時に他社との差別化につながるのではないかと考えました。
柳内:
お客様目線に立った時、日英対応だけでは言語に不便を感じるお客様は多いと思いました。多言語化するのであれば、当然タイ語とベトナム語への対応は必須でしたね。
岩谷:
3年前にも一度、制作会社を使ってベトナム語の EC サイトを立ち上げたことがありました。当時は日本語とベトナム語のページをそれぞれ作って運用していたのですが、商品を一つ追加するにも都度制作会社へアップデートを依頼しないといけない状況でした。商品はすでに販売できる状態なのに、サイトに掲載されるのは発売から1週間後、と大きなタイムロスが起きていたので、運用が回らず閉鎖してしまいました。
なので、今回作る多言語 EC サイトは、『商品情報の追加・削除・変更が簡単に修正できること』、『多言語対応・運用を簡単に行えること』、この2つの条件を必ず満たすサービスを導入すると決めていました。タイ語であればなんとか読み書きができる社員もいますが、ベトナム語に関しては正直お手上げだったので、多言語対応は機械翻訳サービスを利用するしかないと思っていました。最悪の場合は、お客様ご自身で Google 翻訳を活用いただく、ということも考えましたね。
そんな時、EC サイト制作会社から WOVN.io を紹介していただきました。元となる日本語ページがあればすぐに多言語化される、WOVN.io の多言語対応のスピード感は単純にすごいなと思いました。タイやベトナムの食材となると一般的ではない用語も多いのですが、「用語集」機能を活用して商品名や固有名詞などをあらかじめ登録しておけば誤訳を防ぐこともできますし、注文情報などに記載される個人情報や翻訳する必要のない数量なども「翻訳除外設定」機能で翻訳しない箇所を指定することもできる。対応言語数も多く、ベトナム語に対応している点も導入の決め手となりました。
岩谷:
WOVN.io を導入し、多言語 EC サイトの受注にかかる対応は半分になりました。お客様側のオーダーミスも無くなりましたし、オーダーミスに対して追加で電話対応する必要も無くなりました。紙の注文書ではできなかった欠品情報のお知らせも、多言語 EC サイト上でお客様が把握できるようにもなりました。
駒井:
これまでは多言語での情報発信にタイムラグがあったこともあり、お得意様には新商品情報を直接会いに行って口頭でお伝えしていました。でも今ではタイムリーに新商品情報を届けられるようになった上に、事前告知もサイト上で行えるようになりました。紙の注文書の頃から弊社をお使いいただいているお客様からもご満足いただけています。
岩谷:
導入後の WOVN さんのサポートも手厚いと感じましたし、真摯に対応してくれているのが印象的でした。導入したら終わりではなく、導入後もしっかりフォローしてくれているので、安心感がありましたね。
岩谷:
もちろん機械翻訳のため翻訳精度は100点満点ではないですが、WOVN.io で用語集を使って自動翻訳した段階で70〜80点が取れている感覚です。そこからはライブエディター機能で直感的で簡単に翻訳・レイアウトの編集ができます。また、分かりやすい例示として例えば、国を表す意味での「タイ」が、お魚の「鯛」と認識し翻訳されてしまうなど、誤訳が起きやすい単語は順次用語集に登録することで、翻訳精度を高められています。
川島:
誤訳を防ぐために、例えば「ナンプラー」を「魚醤」と表記するなど、翻訳元となる日本語表記に気を付けることもあります。
樽井:日本語の情報だけを更新するだけなので、特に多言語を意識することなく、日々のサイト更新作業を行うことができています。
岩谷:
お客様の意見を取り入れながら商品カテゴリもずいぶんと増やしました。日本人の感覚では同じカテゴリに入る商品でも、タイやベトナムの方からすると別々のカテゴリに分けるべき商品があるんです。こういったこともお客様の意見を取り入れながらレイアウトや表示カテゴリの修正もすごく簡単に行うことができます。
お客様にとって EC サイトで注文できるという機能面の便利さだけではなく、新商品やおすすめ商品の販売促進や、競合価格を意識しつつ、為替の影響なども考慮した売価設定をタイムリーに行えること。併せて、Facebook や独自の業界応援紙の発行などでブランディング強化を図り、安心して購入いただけるようになったことなど、複合的に各要素を改善するなかで、多言語 EC 運用開始4か月時点で、『売上は前年比 140% 超え』となり、『EC オーダー率 80% 超え』と好調です。
柳内:
いまは B2B 向け EC サイトを多言語対応していますが、ゆくゆくは B2C 向けサイトも多言語対応していきたいです。今後も外国人技能実習生は増加すると思いますし、その方達が日本に来て母国語で商品を気軽に注文できるよう、利便性の向上を図っていければ良いなと思います。
多言語 EC サイト市場はこれからどんどん伸びていくと思います。じゃあいざ EC サイトを多言語化しようと思った時に、最初から膨大なコストや手間をかけて大掛かりな多言語対応システムを構築・導入するのはハードルが高いですよね。
その点 WOVN であれば、既存のシステムに簡単に導入することができるので、一から立ち上げる必要がありませんし、ある意味失敗したらすぐにやめることもできますよね。なので、どの企業も気軽に EC サイトの多言語化に挑戦できる環境を提供できる、そこが WOVN の強みであると思います。
(取材日:2023年6月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
アライドコーポレーション 発注用 EC サイト(日本語、英語、タイ語、ベトナム語)
URL:https://allied-pro-ec.shop