「衣・食・住」に関わる商品を多品種・小ロット、かつワンストップで提供し、これからの卸事業を新しい発想で創造するエトワール海渡。エトワール海渡が運営する EC サイト『ETONET』のリニューアルに伴い、WOVN.io を導入し、英語、繁体字、簡体字、韓国語への多言語対応を行いました。WOVN.io により、「海外のお客様への情報発信のスピード」と「社内の翻訳対応の手間」の両面で良い効果が生まれた、というお話をお伺いしました。
菊地:
当社の仕入れ専用のオンラインストア『ETONET(エトネット)』は、2006年に運用を開始しました。最初は一部の商品のみを取り扱っていましたが、徐々に商品点数を増やしていき、現在では常時6〜7万点の商品を掲載しています。1日あたり100点ほどの商品入れ替えが行われるほど、更新頻度の高いサイトです。
2010年以降は、海外のお客様もだんだんと増えていき、今では売上の3割ほどが海外のお客様です。
西谷:
地域別では、アジア圏の割合が高いですね。以前は直接海外へ行って新規顧客開拓を行っていましたが、今はデジタルシフトして、SNS で広告を打つなど、海外のお客様の流入の入り口を広げる施策も行っています。
WOVN.io を導入する前から、海外のお客様に向けて、ETONET を5言語に対応していました。当然のことですが、日本語のサイトは海外のお客様からすると外国語のサイトなので、既存顧客の利便性向上や新規顧客開拓、さらに安心して ETONET でお取引いただくために多言語対応は必須だと考えていました。
特に海外のお客様は、まずサンプルとして商品を小ロットで購入し、実際に手にとって商品の特徴をとらえてからさらなる数の仕入れをされる傾向があります。それもあってか、商品説明よりも、商品の生産地や成分の情報などのスペックを気にされる方が多いため、多言語対応においてはそういった部分に誤訳がないように気をつけていました。これは、WOVN.io 導入後の今でも変わりません。
多言語対応に加え、会員登録のしやすさも意識しています。たとえば入力フォームにおける住所登録の部分や日本特有の「ふりがな」欄を、外国人でも迷わないような構成にするなどですね。そういった細やかな点で導線を整備して、プラスアルファのサポートを行うことも海外のお客様と取引するうえで大事なポイントです。
菊地:
翻訳対応はすべて人力で行っていたので、すごく手間がかかっていました。それに本来ならば、ご利用されるお客様の国数増加に合わせた対応言語追加も行えたら、という思いもありましたが、サイトの作りが複雑だったこともあり、簡単に言語拡張もできませんでした。
西谷:
翻訳は、それぞれの言語ネイティブの社員が人力で対応していました。翻訳作業は1ページあたり平均2時間程度。時間がかかるうえ、それぞれの翻訳者のニュアンスによって、翻訳内容にばらつきがでてしまうこともありました。ですので、本来伝えたい意味で翻訳されているか、翻訳者の自己流のニュアンスで捉えた翻訳になってしまってないかを、都度他のメンバーが確認するフローにするしかありませんでした。掲載されている商品の中には、実際に自分で手にとったことのない商品もありますので、そういった面も翻訳の難しさに繋がっていたようです。
そんな中、コロナ禍で以前は頻繁に行っていたオフラインでの商品紹介の場が設けられなくなり、海外のお客様は、来日すらできなくなってしまいました。そこで、「既存のお客様の利便性向上」と「新規のお客様獲得」の2点を目標に、ETONET のサイト全面リニューアルを行い、同時にサイト多言語対応も見直すこととなりました。
菊地:
WOVN を知ったのは数年前で、当時から営業担当の方のレスポンスが早いこと、定期的に WOVN.io のアップデート情報をご連絡いただくなど、丁寧にご対応いただいたことがすごく印象に残っています。ですので、今回本格的に多言語対応を見直すことになったタイミングで改めてお声がけさせていただきました。どんなに良いサービスでも、今後長くお付き合いしていくことを考えると、やはりサービスの裏側にいる「人」を重視します。この点も、今回 WOVN.io を選んだ大きな理由の一つですね。
また、営業の方だけでなく、サポート担当の方にも手厚くサポートしていただけました。導入時はもちろん、運用フェーズに入った今でも質問しやすい環境があり、すぐにレスポンスをいただけることは非常にありがたいです。
西谷:
選定時、海外事業部としては翻訳品質を重視していました。WOVN.io は翻訳品質も当社の求めているレベルでしたし、用語集機能やライブエディター機能など、多言語サイトの運用をしやすくする機能が豊富にある点も後押しとなりました。特にライブエディター機能は直感的に操作しやすく、今も日常的に翻訳修正の際に利用しています。
西谷:
一番の導入効果は、翻訳にかかる工数を80%削減できたことです。
以前は、ネイティブの社員がそれぞれの本業と並行して翻訳作業を行っていたので、翻訳業務が逼迫している状態でした。WOVN.io 導入で翻訳工数を大幅に削減できたことで、それぞれがお客様のサポートや広告運用などといった、より本質的な業務に集中できるようになりました。
翻訳運用の観点でも、「人力翻訳と人の目でのダブルチェック」から「機械翻訳と人の目のチェック」へと変わったことで人の手を介すプロセスを大幅に削減でき、運用フローを簡略化できました。
菊地:
商品情報だけでなく、ブログ記事もすべて人力で翻訳していたので、以前は日本語の情報だけが先に公開され、多言語での公開が遅れてしまっていました。でも今は、日本語で記事を書くだけで、WOVN.io の機械翻訳と用語集を活用し、簡単に5言語対応できるようになったので、言語ごとの情報発信のタイムラグも解消されました。
「海外のお客様への情報発信のスピード」と「社内の翻訳対応の手間」、どちらにも良い効果が生まれています。
あと誤解のないように言いますと、翻訳作業を丸投げしたいから WOVN.io を導入した、というわけでは決してありません。色々なページやコンテンツがある中で、「特にこのページはきちんと当社の思いを伝えたい」というページがいくつかあります。
力を入れたい部分にはしっかりと人の手を入れて翻訳する、その他の部分は翻訳を自動化するというように、「メリハリをつけながら、リソースを最適化して多言語サイトを運用したい」というのが当社のニーズでしたので、この達成を目指す中で WOVN.io がマッチしたのだと思っています。
西谷:
今は日本国内の SNS 広告をメインにマーケティング施策を行っていますが、今後は海外現地の SNS を活用した広告も打っていきたいと考えています。インドやタイなど、今後経済成長が見込まれるような国々にも注力していきたいですね。
またサービス向上の面では、これまで通り多言語でのデジタルマーケティングを推進していきたいです。一度会員になっていただいたお客様に、もっとたくさん ETONET を活用いただけるように WOVN.io を活用しながら ETONET 上での最適な多言語体験を届けていきたいです。
(取材日:2023年10月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
エトワール海渡 EC サイト「ETONET」
URL:https://etonet.etoile.co.jp/app/login ※
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