以前、日本人向けの海外航空券サイトを WOVN.io で英語対応し、英語のお客様訪問率が140%増加した HIS。今回はその横展開として、「Surprice」サイトを WOVN.io で多言語対応したというお話をお伺いしました。
田原:私の所属としては、WEB 制作グループという、HIS のお客様向けの画面のフロント部分の UI/UX を作っている部署となります。その中で私はグループリーダーとして、全国約100名のチームメンバーと仕事をしています。前山も同じ全国のプロジェクトチームとして働いています。
前山:業務としては、田原のもとで全国プロジェクトチームに所属していまして、Web で全国にまたがるような業務、HIS の旅行サイトの全体統一などを担うチームですね。
田原:以前の海外航空券サイトへの WOVN.io 導入は、日本人向けの海外航空券サイトに外国人の流入が一定数あったことがきっかけで多言語化を実施しました。Surprice サイトは、海外航空券サイトとはお客様の層がかなり違っています。海外航空券サイトは HIS のブランドをご存じの方が利用されていますが、Surprice サイトの方は新規のお客様や若い方が多くいらっしゃるのですけれども、多言語化のきっかけについては前回と同様です。
前山:Surprice サイトは同時に英語、繁体字、簡体字、韓国語の4言語対応を行いました。実は、この導入のタイミングで、英語対応のみだった海外航空券サイトも3言語の対応を追加しています。
前山:Surprice サイトの多言語化については WOVN.io 以外の多言語化ツールの検討はしていないですね。以前導入した海外航空券サイトで導入効果を感じていましたし、一度導入しているので、コスト感や導入の流れも理解できていた部分もあり、そのまま WOVN.io の導入範囲を拡張しようと決めていました。WOVN.io のようなツールがあると、外部の翻訳業者やシステム業者に依頼する手間がカットできるので、すごく便利だなと改めて思いました。
前回の導入と違い、今回は Surprice サイトの4言語対応に加えて、海外航空券サイトの3言語追加対応もありましたので、導入期間に遅れはでてはいないですが、前回よりもチェック作業に時間はかかりました(笑)。また、導入フローが進むにつれて、課題・壁が何回か生じていましたが、その都度 WOVN さんには丁寧に対応していただき、非常に助かりました。
また、Surprice サイトは基本的に新しいコンテンツを追加するようなサイトではないので、どちらかというと導入時に用語集をきっちり登録したり、不自然な表記の洗い出しを行って LiveEditor (*1)で対応したり、部分的に ignore (*2)させたりとチューニングを行い、事前にしっかり作りこんだおかげで、現在は運用工数がほぼほぼかかっていません。あとは機械翻訳にお任せしています。
(*1)LiveEditor:実際の Web サイトに表示されている画面を見ながら、テキストの修正を行う機能
(*2)ignore:Web サイト内に表示されるコンテンツの中で、個人情報などが WOVN サーバーに抽出されないようにする機能
前山:多言語サイトのリリースから1ヵ月で導入効果が早速出ました。日本語以外の言語で予約してくださったお客様をコンバージョンポイントにおいているのですが、海外航空券サイトは前年のコンバージョン率と比べますと約140%増えました。Surprice サイトはリリースした直後にコロナの影響を直撃しリリースから1ヵ月では前年比を若干割ってしまっています。閲覧されている言語は、英語、簡体字、韓国語、繁体字の順に多かったですね。
現在はコロナの影響で旅行自粛ムードになっていますが、サイト自体は動いていますし、商品も出ています。ただ、購入できる時期や商品が限定されている状態なので、お客様がどのくらい閲覧してくださっているのか効果として今は図りづらいところはあります。
田原:ただ、海外航空券サイトに関してはリニューアル後の新サイトに対して言語数を追加したので、以前よりも多言語化していることに気づいてもらいやすいと思います。それに、お客様の言語設定によって「英語」や「簡体字」へ自動的に切り替わるようになるのも多言語対応を実感してもらえるポイントかなと思います。
田原:コロナの影響もあり、当面は一泊二日の温泉旅行や帰省など国内旅行がメインになると思います。Surprice サイトでは国内商品は販売していないので、当面は様子を見つつ、徐々に旅行業にいい流れが来れば、今年の冬頃からサイト流入数も戻ってくると考えています。
コロナが落ち着いてからの話にはなりますが、もし言語追加をするのであれば、弊社が東南アジアに力を入れているということもありますし、タイ語やベトナム語ですね。
あとは、インバウンドの需要が戻れば、例えば弊社のバスツアーサイトなどに多言語対応の横展開を行いたいですね。これまで WOVN.io を導入した海外航空券サイトと Surprice サイトは対在留外国人向けの部分がありましたが、やはりインバウンドに対しても同様にサイト多言語化は必要だと思います。その時も、もちろん WOVN さんで(笑)。
(取材日:2020年6月)