旅行会社大手の H.I.S.。日本人向けの海外航空券サイトを利用する在留外国人ユーザーの利便性を向上すべく、WOVN.io で英語対応した結果、訪問数が増加したお話を伺いました。
前山:H.I.S.は国内外に多くの店舗を持つ旅行会社です。もちろんオンラインでも事業を行なっています。現在では、旅行だけでなく、テーマパーク、ホテル、エネルギー事業など幅広い業務を展開しております。 その中で私たちは、お客様にオンラインで旅行商品をご購入いただく Web サイトを担当しています。
島田:今回の WOVN.io を導入したように、ツールの連携や、お客様が使いやすくなるよう UIUX の改善を PDCA を回しながら行なっています。
前山:WOVN.io を導入したのは海外航空券を扱うサイトです。海外航空券なので、本来は日本の方が海外に行く際に使っていただくサイトですね。
日本語でしか提供していなかったサイトですが、日本にいる在留外国人の方々が一定数予約されており、今後さらに伸びていく領域ではないかと考え、多言語化展開を決めました。
前山:多言語化をするにあたり、色んなサービスを調べました。 対象サイトは商品が動的に生成されるサイトなので、フルスクラッチで開発した場合、基盤の構築や社内リソースも含めると億に近いコストが発生します。 負荷が大きすぎると判断し、クオリティや運用、コスト面からみても WOVN.io というソリューションを活用するのは必然でした。
島田:リリース準備をする中で問題が発生した時も、サポートの方々には迅速に対応・解決していただきました。 実際のリリース日もこちらのシステム都合で2回に分けて出すことになったのですが、WOVN.io のご担当の方とお電話で確認しながら、まるで隣に一緒にいるかのようにリリースしてもらいました。(笑) 本来は自社で対応すべきところですが、CSS の崩れもフォローしてもらい、一緒にCSSを書いてもらいましたね。
前山:島田も担当のツールを持つのが初めてだったので不安もあったと思うのですが、そこをまるで社内の人間のように助けてもらいました。
島田:英語ページ公開後、端末設定が英語のお客様のサイト訪問数をみると、昨年比で約140%と増加しました。季節要因や燃油サーチャージの変動、サイトリニューアルのタイミングなど複合的な要因はありますが、効果を実感しています。
前山:多言語化に関していうと、今はまだ英語だけですが、中国語や韓国語などアジア圏の言語も対応していきたいと考えています。在留だけでなく、ショートステイの外国人の方にも使っていただきたいですね。H.I.S.として外国人向けのサイトももちろんあるのですが、会社としてトータルにローカライズしていく事は必要だと感じています。
島田:多言語対応が「英語のみ」「海外旅行航空券のみ」など限定的であることがまだまだ課題です。さらに今後は在留外国人の方にも「英語化されている」と認知され、「使いやすい」と思っていただけるように改善していきたいです。
島田:日本から海外への出国者数は、近年増加しておりますが、それでも出国率は人口の約14%と、近隣諸国に比べると低いです。一方で日本在留外国人は益々増えおります。
旅行業界全体としては、OTA やサプライヤーの参入、Airbnb や Uber など C2C ビジネスの急成長でますます個人化が進む中、旅行会社としてはオリジナリティある商品開発や、独自のサービスが必要になると思います。そういったサービスも結果的にお客様に選ばれないと意味がありません。 H.I.S.の企業理念である「ツーリズムを通じて、世界の人々の見識を高め、国籍、人種、文化、宗教などを越え、世界平和・相互理解の促進に貢献する」を実現するためにも、世界の人々が利用できる旅行予約サイトとして、多言語化は第一歩ですね。
(取材日:2019年7月)