創基150年に向け、「世界の課題解決に貢献する北海道大学へ」というビジョンを掲げた「北海道大学近未来戦略150」を実行している北海道大学。中でも大学院は、大学院教育改革推進室を立ち上げ、博士課程の環境改善を中心に、大学院改革に向けた様々な施策を行っています。今回は施策の一つとして、大学院が運営する公式サイトとウェブマガジンに WOVN.io を導入いただきました。現状の人員数では不可能だと考えていたサイト多言語対応が、WOVN.io によって工数をかけることなく簡単に実現でき、本来注力すべき「大学院改革」のための時間を創出できたというお話をお伺いしました。
現在北大に在籍している留学生は、学部・大学院合わせて全体の約1割程度です。大学院だけで見てみると割合はもっと高くなります。地域別では、中国や韓国といったアジア圏が最も多く、次いで東南アジアやインド地域からの留学生が多いですね。
大学の留学生は、もともと日本に興味がある方や、言語習得を目的としている方も多いため、ある程度の日本語を理解することができます。一方大学院の場合は、特定の分野の研究をしたい、この教授から学びたい、というように、北大の研究室や研究分野自体に興味を持って留学される方が多いのが特徴です。そのため、日本語自体が堪能ではない人も多いですね。
北大は、「世界最先端研究を展開する国際的な研究教育拠点」「地域に密着した基幹総合大学の新しい大学モデル像」となることを目指しています。その目標に向けたビジョンの中に「大学院改革の加速」があり、これをミッションとして2022年4月に私の所属する大学院教育改革推進室が立ち上がりました。
今回、その大学院改革施策の一つとして、大学院公式サイトとウェブマガジン「Ph.Discover」に WOVN.io を導入しました。国際的な研究教育拠点となるため、そして「北大って面白そうだな」と興味を持って海外から来てもらう仕掛け作りをするためです。加えて、先程もお話したように、大学院留学生は言語習得ではなく、北大で研究することを目的に海外から来られています。共通言語として英語を使用する機会が多いため、留学生がサイトを閲覧しやすいように多言語対応は必要だと考えました。また、北大の中で特に「大学院」や「博士学生」に焦点を当てたメディアは数が少ないので、大学院生のプレゼンスをあげるためにはどちらのメディアの多言語対応も欠かせませんでした。
とはいえ、一から手作業で多言語対応するとなるとかなりの工数がかかってしまい、他の施策に時間を使えなくなってしまいます。一方で、増員もままならない状況でした。これでは私たちの本来のミッションである「大学院改革の加速」のために、博士学生や若手研究者の環境改善に向けて施策に取り組む時間を割けなくなってしまいます。限られた人員と工数の中で、Web サイト多言語化を簡単に実現できるサービスを探していました。
WOVN.io は、インスタグラムの広告で偶然知りました。「Web サイトが自動的に多言語に翻訳される」というワードが気になりましたね。
というのも、実は私はもともとプログラマーだったんです。裏側の仕組みを理解しているからこそ、Web サイトを多言語化するには相当苦労するだろうなと考えていましたし、WOVN.io を知るまでは、Web サイトの多言語対応には、コピーサイトを作るしか方法がないと思っていたんです。
その後、営業の方から実際に WOVN.io の多言語対応の仕組みを説明していただき、「そもそも多言語サイト用のサーバを用意する必要がない」と聞いた時には、とても驚きましたね。
もちろん他にもサイト多言語化のソリューションを調べたり、お話を聞いたりしましたが、WOVN.io の機能は圧倒的に優れていましたし、総合的にみて「WOVN が一番安心だよね」と部署内で意見が一致しました。
感覚的になってしまうんですが、WOVN さんは企業としてのメッセージ性が強く、製品以外のソフト面も大事にしているなと感じたんです。数々の大手企業や大学での実績もあり、それが導入を決める安心感にも繋がりました。加えて、大学院教育改革推進室では、日々積極的に新しいソリューションの情報収集・導入を行なっていることも、新たな取り組みとして WOVN.io を導入する後押しになりました。
WOVN.io を導入して、当初の目的であった「多言語サイト運用の工数削減」が実現できています。
WOVN.io のようなサービスがなかったら、そもそも多言語対応にも踏み切っていなかったですし、留学生が大学院サイトを閲覧しやすい環境も構築できていなかったです。2サイトとも多言語対応する必要があると分かってはいても、工数や多言語サイト構築の手間を考えると、1サイトのみでもこれまでと同じ人員では多言語対応は不可能だと思っていたので、部署としても「やっぱり WOVN.io を導入して良かったね。」と話しています。
アクセス解析をしてみると、留学生の割合の高いアジア圏だけでなく、ヨーロッパやアメリカでも閲覧されていることがわかりました。多言語対応が、北大に興味を持つきっかけになればいいなと思っています。
WOVN.io 導入時は専任担当が1人いましたが、今は機械翻訳での自動運用をメインにしています。翻訳を修正する際は、私ともう2,3人が他のタスクの合間にチェックしたり、翻訳に指摘が入った際にライブエディター機能を活用して、実際の画面を見ながらぱぱっと直したりしています。やはり画面を見ながら翻訳修正できるのはとても楽ですね。研究領域の“直訳ができない”固有名詞や北大で使われる単語を用語集にあらかじめ登録しているので、誤訳も未然に防げています。
WOVN さんには北海道出身者や北大出身者など、北海道にゆかりのある方が多くいらっしゃるんですよね。そういったこともあってか、「ぜひ一緒に仕事がしたいです」と、サービス検討段階から熱量高くおっしゃっていただいたことが印象的でしたし、私たちもこういう企業さんとのお付き合いを続けていきたいなと思いました。
だからこそ、いま私が学内で WOVN.io を広めているんですよ!「Web サイト多言語化なら、まず WOVN.io を検討してみて!」と言っています。実際に、他部署でも留学生向けの生活サポートサイトに WOVN.io が導入されました。翻訳を資産化し、一元管理できるので、使えば使うほど全体にメリットが出るソリューションだと思っています。ゆくゆくは、北大のあらゆるサイトに WOVN.io を導入して、まるっと包括的に管理できたらいいですね。
(取材日:2023年9月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
北海道大学 大学院総合サイト:https://www.grad.hokudai.ac.jp
ウェブマガジン「Ph.Discover」:https://phdiscover.jp/phd