日本国内最大のケーブルテレビ企業であり、通信・放送業界のリーディングカンパニーとして成長を続けているJCOM株式会社(以下、J:COM)。
今回、在留外国人ユーザーのアクセシビリティを向上するべく、WOVN.io を導入し、公式サイトとオンラインショップの5言語対応を実施されました。WOVN.io 導入後、在留外国人の新規申込数は前年比115%、サイトアクセス数も前年比154%を達成するなど、様々な効果があったというお話をお伺いしました。
片山:
これまでは、在留外国人の方に向けて英語版のパンフレットを紙で提供したり、Web サイトに PDF を掲載したりといった、一部の英語対応を行ってきました。ですが、在留外国人はアジア圏の割合が高いこともあり、アジア圏の言語でも案内をするべきだと考えていました。
また、弊社では2022年より、ユーザビリティ向上のプロジェクトに取り組んでいます。その中で、Web サイトが日本語と一部の英語対応のみであるため、日本語を母語としない在留外国人ユーザーに対してアクセシビリティが低いということが課題の一つとして上がりました。実際に J:COM カスタマーセンターからも、Web サイトの情報が日本語のみであったため、現場での多言語対応が大変だという声もありました。これまでは、翻訳ツールを使ってなんとかコミュニケーションを取ったり、独自の英語資料を作成したりしていたそうです。
加えて、当社全体としても今後は在留外国人の新規加入者を積極的に獲得していこうという方針が決まり、Web サイトの多言語対応を行うこととなりました。
多言語対応により、
● J:COM をご利用中の方が、サポートサイトのナビゲーションやトラブル解決方法に自身でアクセスし理解できる
● 新規加入者が、サービス情報を取得しやすく、ご自身で申し込みフォームの入力を完結できる
というように、既存と新規、すべての在留外国人ユーザーのアクセシビリティ向上を目指しました。
三野:
2022年の年度末、Web サイト自体のリニューアルを行うタイミングに合わせて多言語対応を行うこととなりました。ですが、多言語対応の話が決まったのは、サイトリニューアル完了まで残り2カ月という状況でした。
短期間での多言語対応を実現できるソリューションを探している中、グループ会社のジェイ・スポーツが WOVN.io で Web サイトの多言語対応を行った(※1)ことを知った社員から、当社でも同じことができないかと話があり、WOVN さんを知りました。他のソリューションも探しましたが、短期間での多言語対応を実現できるのは WOVN.io だけでしたし、これが大きな決め手の一つになりました。
他にも、専門的な知識やプログラム開発を必要としない開発難易度の低さや海外 SEO 対策可能な点なども WOVN.io 導入の決め手になりました。導入実績もすごく豊富ですので、操作感なども WOVN.io を導入している他社サイトにアクセスしてすぐ確認することができてよかったです。
片山:
あとは、「セキュリティ面」ですね。お申し込みフォームにお客さまの個人情報を入力いただくのですが、その個人情報を WOVN サーバーに受け渡す必要がないという点が良かったです。
そして、今回はまず在留外国人の75%程度をカバーするという基準で、5言語(英語、中国語簡体字、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語)を選定しました。
三野:
導入時は、WOVN のカスタマーサポートチームが何かあったらレスポンス早く対応して下さったり、進捗管理を当社が従来から使用しているツールで行いたいという要望にも柔軟に対応してくださったりしたので、本当に速やかに WOVN.io 導入が進みました。
※1:J SPORTS が WOVN.io を導入 。ラグビーワールドカップ2019™ に向けて公式サイトを英語対応
三野:
WOVN.io 導入後、2023年度は2022年度に比べて、在留外国人の新規申込数が115%になりました。アクセス数も、前年比154%となっています。
片山:
カスタマーセンターでも多言語対応の効果がありました。
多言語対応以前は、お電話で申し込みのサポートを行う際、お客さまの申し込みたいサービスをヒアリングし、申し込み情報をカスタマーセンターが代わりに入力していました。
ですが今は、お客さまに多言語対応されたオンラインショップの画面を見ていただきながらの電話対応が可能となったので、お客さま自身で申し込み情報の入力を完結してもらえるようになりました。電話口でお客さま情報を聞くだけでは、お名前のスペルミスやカタカナ入力になるなど、どうしても正確さに欠けてしまいます。ですので多言語対応は、お客さま情報の精度向上にも非常に役立っているという声もあがっています。
英語版のパンフレットも、以前はすべてのサービス情報が記載された分厚いものを作っていたのですが、現在は簡易的なチラシを作成し、多言語での詳細はこちらと QR コードをつけて、多言語サイトに誘導するようにしています。
三野:
画像置換機能は頻繁に使用しますね。そして、ライブエディター機能も直感的な操作性でわかりやすいと感じています。現在は、基本的に日本語コンテンツの更新のみに集中しているため、WOVN.io の自動翻訳・自動公開にお任せしています。ただ、実際日本語ページに更新があった際に多言語に翻訳されているのかを確認したい時にも、管理画面上の公開ステータスですぐに確認ができるのでとても便利です。
三野:
公式サイトは、何かしらのコンテンツ更新が毎日あります。 例えば、当社が持つ複数のサービスで、サービス単位のプロモーション計画に合わせた情報更新などです。セールスサイトチーム3名と協力会社とで運用していますが、現状の運用体制で WOVN.io を導入せずに多言語対応を行っていたら、翻訳会社に外注して1ページずつ翻訳して、1ページずつページを作ってと、英語対応だけでいっぱいいっぱいになっていたと思いますね。
片山:
おかげさまで WOVN.io を導入して、公式サイトとオンラインショップを多言語対応できましたので、今後は多言語対応したサイトをどうリーチしていくかが課題だと思っています。
他にも、画像翻訳などしっかりと多言語対応を行いながら、翻訳精度を高めていきたいですね。
(取材日:2024年7月)
■WOVN.io を導入いただいたサービス
● J:COM 公式サイト:https://www.jcom.co.jp/
元言語:日本語
対応言語:英語、中国語簡体字、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語
● J:COM オンラインショップ:https://onlineshop.jcom.co.jp/
元言語:日本語
対応言語:英語、中国語簡体字、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語