人気アニメなどに登場するキャラクターの緻密なフィギュアやプラモデルで、国内のみならず、海外からも定評のある壽屋。今回法人会員様向けオーダーサイトを立ち上げると同時に WOVN.io を導入し英語対応を行いました。サイト英語化の必要性や英語対応後の効果についてお伺いしました。
吉川(千):
壽屋は、昔から人気のあるアニメから最近人気のコンテンツ、自社の IP といったキャラクターのフィギュアやプラモデルの製造・販売を行っています。中国をはじめとするアジア圏からヨーロッパ、アメリカなど、全世界にお客様がいらっしゃいます。
昔は日本で流行ったキャラクターが半年遅れて海外でも流行ることが多かったのですが、最近ではストリーミングや SNS の影響を受け、タイムラグなく日本と同じコンテンツが流行るようになってきました。日本で“今”一番流行っているキャラクター商品を、アメリカや中国でも“今”欲しいという海外からの需要の高さを感じます。
ただ、今後のさらなる成長のためにはキャラクターそのものの認知のみに頼るのではなく、壽屋の商品だという海外認知度をあげていかなければなりません。「壽屋だから買う」と思ってもらえるよう、壽屋の海外認知拡大を目指しています。
コロナ禍以前は、サンディエゴ・コミコンをはじめとする海外で開催される B to C イベントへの参加、または現地 B to B の商談会に参加し、取引先と海外での展開や今後流行しそうなコンテンツについて意見を交わすなど、実際に現地に赴いたプロモーションを行っていました。今は海外渡航が難しい状況であることに加え、情報の鮮度がより重要視されるようになってきたことを受け、オンラインでのプロモーションを強化しています。お客様は常に新しい情報を求めていますので、日々新しい商品・情報を発信するようにしています。
吉川(千):
今回立ち上げた法人会員様向けオーダーサイトは、商品の詳細情報や在庫状況を確認しながら、これまでよりも簡単にオーダーができるようになっています。取引先はここ数年でさらに増え、今では壽屋の取引先の約4割が海外の顧客ですので、サイトの英語対応は必須という状況でした。
Anna:
オーダーサイト構築時、全ての機能をどのように日本語から英語へ翻訳するかが課題でした。はじめに日本語サイトがどのように表示されるかを確認し、その後で英語訳を考える必要があったため、まずサイト自体の仕組みを深く理解しなければ翻訳ができないといった状況でした。また、アニメの作品名やキャラクター名などの固有名詞も頻繁に使われるため、各用語の翻訳に統一感を図る必要がありました。
吉川(大):
英語化にあたっては、オーダーサイト制作会社から WOVN さんをご紹介いただきました。他サービスとの比較も行いましたが、WOVN.io の導入事例を拝見させていただき最終的に導入を決めました。
決め手となったのは、先程お伝えしたように、固有名詞について用語集登録機能を活用することで個別翻訳が不要になる点、一つの部署の中で日英サイトの管理を完結することができる点です。また、今後コーポレートサイトの多言語対応も視野に入れておりますので、WOVN.io を導入すれば、他サイトへの横展開も容易に行えるというところも魅力でした。
吉川(千):
英語対応前は、製品の詳細な仕様について顧客からお問い合わせをいただくこともありましたが、導入後はそういったお問い合わせがかなり少なくなりました。英語サイトを通してきちんと内容を理解いただけるようになったため、私たちはもちろん、顧客の皆様にとっても問い合わせの手間が削減されたと実感しています。
また WOVN.io 導入前の2019年と比べますと、海外取引先は2倍に増加しました。にも関わらず受注処理業務にかける時間は以前よりも削減されました。以前は1件の注文に対し、少なくとも15分程度、大量に注文が来た場合は1時間以上かけて処理していたこともありましたが、現在は5~10分程度で1日分の注文確認が完了できるようになりました。
大きなメリットはもう一つあります。オーダーサイト構築前は、取引先ごとにオーダーフォーム仕様が異なっていたので、注文の内容確認にかなりの時間を取られていました。ですが、英語化されたオーダーサイトを通しての注文方法に一本化されたことで、この確認時間が削減されました。また、取引先で担当者が変わっても、注文方法の引き継ぎに時間をかけることなくすぐにサイトを通じてスムーズな注文が実現できるようになりました。
Anna:
新しい商品情報はサイト側に英語で登録しています。私たちが WOVN.io を活用しているのは、商品の在庫状況などにより変動するメッセージ部分です。メッセージ内にも商品名が含まれるため、そういった部分の翻訳ミスがないかを細かくチェックしています。特にライブエディター機能はその場で修正が可能で、かつ修正結果をすぐに確認できるのでよく活用しています。
吉川(千):
年々海外取引先が増えてきていますので、英語サイトを活用しリアルタイムに情報発信を行っていくことが重要になってきています。今後はオーダーサイトだけでなく、コーポレートサイトや SNS でも多言語で情報を発信していけたらと考えております。
実はまだコーポレートサイトの多言語対応まで手が回っていない状況ではあるのですが、今後はコーポレートサイトでも日本語サイトで情報をアップしたらすぐ多言語で情報が展開され、顧客やエンドユーザーの皆様にとって使いやすい環境を作っていけたらと思っています。
製品の良し悪しを判断するのは画像など、どうしても目から入ってくる情報がメインになってしまいがちです。現在のコーポレートサイトには企画・開発担当者の製品開発インタビューも掲載しているのですが、ほとんどが日本語のみとなっています。コーポレートサイトの多言語化が充実した暁には、お客様にはサイトならではの情報にもじっくり目を通していただき、壽屋のことをさらに好きになっていただけたらなと思います。
(取材日:2022年1月)