「世界の創造(ワクワク)をデザインする」をパーパスに掲げ、誰もが手軽に表現やものづくりを行えるデジタルソリューションを通じてより豊かな社会の実現を目指している、ローランド ディー.ジー.。日本拠点が管轄している海外エリアでのデジタルマーケティングを強化するべく、WOVN.io を導入し、セールスサイトの計10言語対応を行いました。自動翻訳運用をメインとした多言語対応で、社内リソースを最低限に抑えながらも、平均滞在時間の大幅改善やインプレッション数やクリック数増加を実現できたというお話をお伺いしました。
<目次>吉田:
当社は、世界200以上の国と地域で事業を展開しており、海外売上比率90%以上を誇るグローバルカンパニーです。
2016年に、全世界で正確な情報をタイムリーに発信する体制を構築することを目指し、グローバルセールスサイトを立ち上げました。それまで抱えていた、“各国で情報を出すタイミングの違い”や“内容のばらつき”といった課題を解消しながら、当社のビジネスに最適な CMS を採用し、世界中のお客様へ統一された製品情報の提供と販売促進を行っています。
高橋:
グローバルセールス&マーケティング部は、子会社のない海外エリア(東南アジア、台湾、中東、アフリカ)のマーケティング活動も担当しています。当社は、新規市場の創造や新興国市場における成長を重点課題として取り組んでおりますので、本社が管轄している海外エリアでのデジタルマーケティングを今まさに強化しているところです。
また、子会社があってもマーケティングリソースが十分にないエリアもあります。現地スタッフには彼らにしかできない活動に注力してもらいたいので、そういったエリアのセールスサイト運営も本社に統合しました。使われている言語は様々であることから、まずしっかりと情報を届けるために言語追加対応を行うこととなりました。
そこで、WOVN.io を導入し、英語のページを元言語とした9言語(ベトナム語、タイ語、アラビア語、簡体字、繁体字、ポルトガル語、フランス語、インドネシア語、韓国語)対応を行い、計10言語でセールスサイトを運用しています。
高橋:
多言語セールスサイトは本社側の限られた人的リソースを有効活用しながら運営していく必要がありました。
以前、英語と繁体字でそれぞれ構築した Web サイトを運用していたのですが、2つの言語サイトを運用するだけでも大変なのに、言語追加対応を行うなんて絶対に手が回らないよね、とチームの誰もが思っていました。
そんな時、たまたま訪れた展示会の中で開催されていたセミナーで、WOVN の林社長の講演を聴く機会がありました。そこで「枯れた技術の水平思考」を Web サイトの言語切り替えに応用したというお話を聞いて、これだ!と思いました。
WOVN.io を導入すれば、言語追加対応もスピーディに行えますし、機械翻訳をベースにした翻訳の自動運用が可能なため、社内リソース面の課題も解消できると思い、すぐに社内へ共有しました。
ですが社員の中には、機械翻訳だけでは、直訳による誤訳が起きてしまうのではないか、という意見もありました。たしかにそういった可能性もありますが、人力翻訳においても同様の誤訳が起きる可能性も十分に考えられます。そして、英語であれば誤訳に気づけるかもしれないですが、例えば繁体字やタイ語など、我々にあまり馴染みのない言語へ人力翻訳された文章に誤訳があったとしても、誰も気づけないと思います。
それならば、機械翻訳を活用した方が良いのではないかと提案しました。だからといって、100%機械翻訳に任せきりにしてしまうと、マーケティングとして好まれる表現に翻訳されない場合もあります。そこで、製品名や固有名詞の誤訳を未然に防ぐことのできる WOVN.io の用語集機能を活用しながら、最低限の社内リソースで10言語サイトを運用する方針となりました。
高橋:
もともとはスクリプト方式で WOVN.io を導入していましたが、海外 SEO 対策を強化するべく、2023年から Proxy 方式へ導入方式を切り替えました。おかげさまで、サイト訪問ユーザーの平均滞在時間がとても長くなりました。また、インプレッション数も右肩上がりに数倍増加していますし、それに伴ってクリック数も増加しました。
また、サイト内でどのような単語で検索されたのかをデータとして言語別に集計できるようになりました。エリアごとにどんな製品に興味を示しているかがわかるようになりましたし、検索された単語自体が、その言語を使う人たちにとってより自然な表現かもしれないので、翻訳の改善にもつながるなど、WOVN.io を活用して10言語対応を行ってから様々な学びが得られるようになりました。
吉田:
当社にとってセールスサイトは、製品だけでなく、サポート&サービス、お客様のビジネスのヒントや発展につながる情報を発信する一番重要な媒体ですので、10言語でタイムリーに発信できているということは、お客様にとっても当社製品をご利用いただく上での安心材料の一つになっていると思います。
高橋:
導入作業は、想像していた通り簡単に行うことができました。3名程度で行うケースが多いと WOVN さんから伺っていましたが、当社では私一人ですべて行いました。なんの苦労もなく導入することができました。また WOVN さんには丁寧にサポートいただけていますし、普段から問い合わせへのレスポンスも早くて助かっています。
言語ごとに CSS をカスタマイズできる機能もとても便利ですね。また、編集した CSS を全ページに適用するか、特定のページにのみ適用するかを細かく設定できる点も素晴らしいと思います。
吉田:
Proxy に導入方式を切り替えて以降、しっかりと現地の検索エンジンにインデックスされるようになりましたので、これからも現地語で情報が検索されるように、有益なコンテンツを作っていきたいです。
今後は、マーケティングチームの体制を整え、10言語対応したセールスサイトを活用しながら、多くのリード獲得を行い、新規市場の開拓を推進していきたいです。
昨年、ユニークで立体的なエンボス表現ができるデジタル壁紙プリントソリューションを開発、製造する合弁会社をリトアニアに設立しました。これは、当社にとって新しい市場を切り拓く一つの大きな契機となります。これまで当社と接点のなかったお客様にも、セールスサイトを通して当社や当社の幅広いデジタルソリューションを知っていただき、お使いいただきたいと考えています。そういった意味でも、10言語対応したセールスサイトの役割がますます重要になってくると感じています。
(取材日:2024年9月)
■WOVN.io を導入いただいたサービス
● セールスサイト:https://global.rolanddg.com
元言語:英語
対応言語:ベトナム語、タイ語、アラビア語、簡体字、繁体字、ポルトガル語、フランス語、インドネシア語、韓国語