計測・制御・情報の技術を軸に、1915年の創立から100年以上にわたり最先端の製品やソリューションを、エネルギー、素材、医薬品や食品といったさまざまな産業に提供し、社会の発展に貢献している横河電機。お客様との重要なタッチポイントである Web サイトにおいて、現地語対応を強化し、情報発信を拡充すべく、タイ・南米スペイン語・ブラジルの拠点サイトに WOVN.io を導入しました。導入後、PV 数増加や直帰率改善ができ、現地語で閲覧できるコンテンツが増えたことで、より深く自社や製品について知っていただけるサイトになった、というお話を伺いました。
<目次>岩瀬:
当社は B2B 企業ですので、Web サイト内の製品やサービスに関するページへのアクセスが多く、専門性の高いコンテンツを発信しています。本社は日本にありますので、日本語でサイトを公開していますが、海外向けサイトとしては、基本的に本社主導でグローバルコンテンツを英語で作成し、各国サイトに展開しています。その中でドイツ語や中国語、韓国語といった言語において、一部の海外拠点では、独自に Web サイトの現地語対応を進めていました。
しかしながら、より深く内容を理解いただくには、さらなる現地語でのコンテンツ提供が望ましく、多言語化といった部分では不十分と感じていました。また、ここ数年で、社内でもデジタル活用の重要性が広く認知され、さまざまな施策が同時並行でグローバルに進められており、特にデジタル人材の逼迫はなかなか解消されない状況でした。そのため、人的リソースの投入で多言語化サイトを実現するような方法には頼らず、本社として何かしらのソリューションやツールを導入し、Web サイトの現地語対応をサポートできないかと考えていました。
岩瀬:
他サービスとの比較検討の結果、WOVN.io を導入することが決まりました。大きな決め手の一つは、既存のドメインを活かし、サブドメインを増やさずに言語切り替えを行える点でした。当社のWeb サイトへの流入チャネルとしては、サーチエンジンからのオーガニックが最も多く、当社サイトの中で最もドメインパワーのあるグローバルサイトの「https://www.yokogawa.com」を最大限活かしたいという思いがありましたので、対応言語分のサブドメイン作成が不要という点は、当社の要件を満たしていると感じました。
小田野:
導入検討時のメンバーからは、海外 SEO 対策が万全である点も良かったと聞いています。サーチエンジンに対して現地語でインデックスされて、実際に検索結果に表示されるというように、現地で当たり前のことが提供できるソリューションを求めていたところに WOVN.io がぴたっとあてはまりました。
岩瀬:
まずタイサイトでの WOVN.io を導入し、タイ語での Web サイトをトライアルとして構築しました。当時のタイサイトは英語版のみで、タイ語での発信は基本的にゼロという状況でした。現地語化ニーズが高く、Web サイトへリソースを割くことが難しいタイのような海外拠点に対し、WOVN.io のような多言語化ソリューションを提供することで、Web サイトの現地語対応に臨みました。CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とのチューニングで少し時間を要しましたが、その間も WOVN の皆さんにはさまざまなサポートをいただき、実現することができました。
小田野:
その後、タイサイトで得た WOVN.io の実用性を踏まえ、ポルトガル語によるブラジルサイト、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ペルーといったスペイン語圏に対する南米スペイン語サイトに対し、WOVN.io を導入しました。元々これらの南米で展開している Web サイトは、ポルトガル語やスペイン語をすでに使用していて、現地語化対応はできていましたが、グローバルで適用している CMS とは異なる独自の CMS を使用していたり、異なるドメインを使用していたり、セキュリティ面やブランドガバナンス面で一元管理ができていない状況でした。独自に展開しているコンテンツもグローバルサイトのコンテンツと質と量で乖離も見られ、今後、グローバルと同一レベルで取り組みを強化しなければならないという課題がありました。
そこで、南米で展開している Web サイトにおいてもグローバルで適用している CMS への移行とともに、「https://www.yokogawa.com」へのドメインの集約を行いました。その際、ベースとなるグローバルコンテンツはすべて英語のため、また一からポルトガル語やスペイン語へ翻訳する必要が出てきました。数千ある英語ページを現地語にするリソースは無かったのですが、今回 WOVN.io を導入し、英語コンテンツを現地語化することができ、ブラジルサイトをポルトガル語で、南米スペイン語サイトをスペイン語で構築することができました。
小田野:
導入前後で使用するアクセス解析ツールが変更になったため、わずかな誤差があることをあらかじめご認識いただければと思います。
PV 数について、タイサイトでは1.5倍、南米スペイン語サイトでも1.5〜2倍に増加しました。セッションについては、タイサイトは2倍、南米スペイン語サイトは1.5倍ほど増加しました。グローバルサイトの更新に合わせ、スピーディーにコンテンツが翻訳され、現地語で閲覧できるコンテンツが増えたことで、より深く当社や製品について知っていただけるWebサイトになったことは間違いないですね。個人的にはセッション数の増加こそが、WOVN.io を導入したことの一番の効果だと感じています。
また、ページ数も増加しました。南米やブラジルサイトはもともと現地語対応していたものの、一部のコンテンツのみの現地語対応でしたので、コンテンツの量と質が十分ではありませんでした。グローバルで適用している CMS への移行の効果もありますが、現地語のコンテンツ量は約1.5倍になりました。タイサイトに関しては、英語コンテンツのみでしたので、タイ語コンテンツはゼロから100%になったといえますね。
他にも、現地のサーチエンジンでも上位にインデックスされるようになったり、全体的に直帰率が改善されたりと WOVN.io による良い導入効果が現れています。
コンテンツを CMS に移行するところからスタートし、WOVN.io を導入して、WOVN さんにサポートいただきながら翻訳を反映した後、本社側と拠点側でサンプルチェックし、ローンチするまでに半年もかかりませんでした。
岩瀬:
本当にあっという間という感覚でした。
「認知度・ブランド価値向上」と「案件創出」が Web サイトの重要な役割と考えていますが、ウェブトラフィックや滞在時間が向上したことで、まだリーチできていないタイや南米の非英語圏のユーザに対し、当社のことを知っていただいている方が確実に増えていると思います。また、Web サイトからの見積依頼などの問い合わせ数が約2倍に推移しており、引き合いも増えてきています。
小田野:
横河グループの各国・地域サイトは1サイトあたり3000ページほどボリュームのあるサイトですので、2サイトの現地語対応が半年の期間もかけずに行えたのは、WOVN さんのおかげだと思っています。
小田野:
導入時・運用時の WOVN さんのサポート体制については満点と言って良いですね。今回の導入に関しては、管理・導入を日本の本社チーム、 実際の Web サイトの実装をアメリカ拠点の開発チーム、WOVN.io 運用を現地語化展開する海外拠点のメンバーがそれぞれ行う中で、その間に入って WOVN さんにサポートいただきました。複数チームをうまく回してくださいましたし、質問した際のレスポンスも早くとても助かりました。
岩瀬:
本社では、各海外拠点からの要望をヒヤリングする体制を整えています。
そういった中で、さまざまなデジタルマーケティング施策を強化していきたい、現地語での対応をしていきたいという声も上がってきます。
そこで新たに、中東サイトのアラビア語追加対応も WOVN.io で行う予定です。中東はすでにヨーロッパやアメリカの方も多く働くグローバルなエリアであるので英語で発信することも重要ではあるのですが、実際に Web サイトで情報を集めるのはやはり現地の方が多いそうです。そういった際に、現地の方は全員英語が得意なわけではないので、アラビア語のコンテンツも用意しようとなりました。
今後も現地語対応が必要な海外サイトに対し、担当する海外拠点にヒヤリングを重ねながら、WOVN さんと一緒に Web サイトの現地語対応をサポートしていければと思います。
(取材日:2024年6月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
横河電機グローバルサイト
・タイサイト:https://www.yokogawa.com/th/
・ブラジルサイト:https://www.yokogawa.com/br/
・南米スペイン語サイト:https://www.yokogawa.com/sa-es/