90年近い歴史を誇る老舗のカバンメーカーとして、『PORTER』 『LUGGAGE LABEL』 『POTR』 といったオリジナルブランドを国内外で展開している吉田カバン。今回、社内リソースを割かずスピーディに EC サイトを多言語対応するべく WOVN.io を導入しました。導入後、海外からのアクセスやユーザー数が増加し、在留外国人の購入実績が前年比2倍になるなど、様々な効果を得られたというお話を伺いました。
<目次>平野:
外国人のお客様の傾向は、圧倒的に単価が高いことです。来日された際にまとめていくつか商品を購入される方が多いですね。また、購入された際に店舗の連絡先などをお伝えしていますので、再度日本を訪れるタイミングで、商品を取り置きして欲しいといったご連絡をいただくケースもあります。
当社は、20年ほど前から海外でも事業を展開してきました。そのため、WOVN.io 導入以前からサイトの多言語対応を行っていました。当時は、日本サイトと海外サイトを別々に構築し、それぞれコンテンツを作っていました。ただ、国際部のメンバーがたった一人で翻訳対応を行っていたので、主要なページの英語対応のみにとどまっていましたし、更新作業は非常に大変でした。
というのも、当社ではこれまで翻訳会社に翻訳を依頼したり、 SaaS を活用したりと、外部サービスを利用する文化があまりなく、すべて社内で対応していました。そうした中、少人数での英語対応には限界があり、2021年11月のサイトリニューアル時に一度海外サイトをクローズしました。ですが、海外サイトへの流入数が一定数あったこともあり、やはり多言語対応は必要だという判断になったのです。そして、必要以上に社内リソースの負荷をかけないようにと SaaS 活用を決め、コンテンツをスピーディに翻訳できて、かつタイムリーに多言語で発信できるサービスはないかと探していました。
平野:
実は WOVN.io 導入前に、他の翻訳サービスをトライアルしました。効果は得られたのですが、英語以外の言語翻訳に関して少し物足りなさを感じました。簡体字など海外店舗のある地域の言語対応も検討していたので、用語集などを活用して翻訳精度を高められる WOVN.io が適していると思いました。
また、最終的に WOVN さんを導入した決め手は「提案力・サポート力」でした。
実は WOVN.io の導入検討時、社内決裁を通すにあたって、単純に海外からの自然流入が増加するという効果が見込めるだけではコスパが合わないのではないか、と悩んでいました。その際、当時の営業担当の方から、在留外国人という視点でサイト分析をしてみましょうとアドバイスをいただき分析した結果、在留外国人のお客様のボリュームが大きいことに気づくことができたのです。
多言語対応によって、海外だけではなく、在留外国人の売上も上がる見込みがあると気づけたことで、WOVN.io 導入がスムーズに決まりました。このように、ただサービスを売るだけでなく、当社の中に入り込んだサポートと、全体を俯瞰した提案をしていただいたのが大変助かりました。
吉本:
WOVN.io 導入前、海外からのアクセスは月平均7万ユーザーほどでしたが、導入後は月平均10万ユーザーほどまで増加しました。新規ユーザー数も導入後ずっと伸び続けていますし、海外ユーザーの割合も、WOVN.io 導入前後で13%から17%まで伸びている状況です。
平野:
地域別では、香港からのアクセスが一番多いです。二番目がアメリカ、次いでインドネシアとシンガポールが多くなっています。香港には実店舗があるのですが、アメリカに関しては実店舗がない中でこれだけのアクセス数があるのは、WOVN.io の大きな効果だと思います。WOVN.io 導入後に一番購入が増えたのもアメリカでした。これを機に、アメリカではフェイスブック広告の配信をスタートするなど、多言語対応後のお客様動向をマーケティング活動にも活かしています。
吉本:
現在は、SNS ユーザー数が圧倒的に多いインドネシアでのプロモーションを積極的に行っています。それも相まってか、今は日本に次いでインドネシアでの SNS 認知度が高くなっています。SNS からの流入もインドネシアからのアクセスが増えた要因の一つかもしれません。実店舗でもインドネシアの方の購入が増えていますね。
堀内:
在留外国人のお客様の購入実績は前年比 2倍になりました。売上の増分もしっかりあり、WOVN の導入効果を実感しています。
堀内:
WOVN さんのサポート体制に関しては、常に寄り添ってくださることを非常にありがたく感じていました。分からないことがある時でも疑問点をお伝えすると、すぐにオンラインでご説明いただけて、想像以上の手厚いサポートでした。
吉本:
UI が非常にわかりやすいので、直感的・感覚的に操作できています。多言語対応されたページをフロントから確認できたり、画面を見ながら翻訳修正したものがすぐに反映されたりと、とても使いやすいと思います。
翻訳精度の高さも非常に実感しています。特殊な用語に関しては、社内で翻訳修正することもありますが、修正作業自体あまりないですね。
堀内:
そしてなにより、基本的に放置しながらも、手間をかけることなくきちんと多言語サイトを運用できていることが一番ありがたいです。
平野:
現在は、海外にお住まいのお客様には代理購入サービス経由で商品を購入していただいていますが、 将来的には自社で越境 EC 対応も行っていきたいと考えています。ですので、カート内翻訳など、今後も WOVN.ioの活用を進めていきたいと思います。
(取材日:2024年5月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
吉田カバン 公式 EC サイト:https://www.yoshidakaban.com/index.html
対応言語:英語・簡体字