コロナで閉ざされていた人の移動が、世界的に緩和されつつあります。今後インバウンド市場の活性化が再び見込まれますが、対策はしていますか?
インバウンド対策として事業を行う場合、補助金を国から受け取ることができますが、対象となる事業や審査基準などを把握しておかなければ給付金をスムーズに受け取ることができず、事業プランが滞ってしまう懸念もあります。
今回はインバウンド補助金の仕組みについて解説します。インバウンド補助金の仕組みを理解し、外国人旅行者の受け入れ態勢を万全の状態にしていきましょう。
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インバウンド補助金とは、補助金をインバウンド事業向けに特化した仕組みで、訪日外国人旅行者がストレスなく、快適に観光できる環境整備づくりを促進するための補助金です。補助金は返済義務がないため、事業実施にかかるコストを削減することができますが、受給するための要件があります。そのため、申請の準備には事前準備が不可欠となります。
補助金の公募対象となる事業は、国や自治体の方針に応じて都度変わりますが、宿泊事業・飲食事業・交通サービス事業や、地方での消費拡大に関連する事業などが挙げられます。今までに公募のあった具体的な例としては、以下のような事業があります。
その他、訪日外国人旅行者の受入環境整備に関する過去の取り組みについては、観光庁のサイト(https://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000078.html)にアーカイブ情報が記載されていますので、ご参照ください。
インバウンド補助金の公募情報は、様々な組織から発信されるため、いざ調べようとしても、まとまった情報を見つけることが難しいかもしれません。インバウンド補助金の情報をピンポイントに検索するのではなく、観光庁が発表する国際観光のページや、観光支援をテーマとしたページを確認してみるのもひとつです。
■インバウンド補助金の公募情報に関する参考サイト
内容 | URL |
国際観光(観光庁) | https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/index.html |
訪日外国人旅行者の受入環境整備 | https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/ukeire.html |
観光支援づくりに対する支援メニュー集(観光庁) | https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/shienmenu.html |
過去に公募された募集要項から、例を見てみましょう。対象事業の規模や範囲にもよりますが、補助額の目安としては事業の整備にかかった金額の1/2から1/3といえます(※)。事業によって上限が変わるため、要綱をしっかりと確認する必要があります。
※参考文献:インバウンド受入環境整備高度化事業
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000150.html
どのような内容の補助金であっても審査は必須となるため、申請の際には審査基準を確認することが重要です。過去事例(※)では、以下の基準がポイントとなっています。
※参考文献:インバウンド受入環境整備高度化事業(「交付要綱」第4章 第28条 2項)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000150.html
申請する補助金によって基準は異なりますが、「公募の趣旨と一致しているか」「実施することで政策が目指す効果が見込まれるか」「対策予定事業が実現可能か」といった観点が重要となるといえます。
なお、インバウンド補助金は全体の補助金額が限られているため、募集金額の上限に達すると応募が締め切られてしまいます。なるべく早く申請を行ったほうが良いでしょう。
補助金の交付タイミングは事業の完了後です。実際にかかった費用をまとめた必要書類などを提出し検査を受けることで、はじめて補助金が受け取れます。補助金の申請は事業の開始前に行うのが基本となるため、事業の遂行にかかる費用は全額自己負担となる点に注意が必要です。
※参考文献:経済産業省 ミラサポ plus 「補助金とは」
https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/guide/
インバウンド補助金は、外国旅行者の受け入れ環境を整え、旅行を快適に楽しんでもらうことを目的とした事業に対し交付されます。補助金の利用を検討する場合は、事前準備や調査をしっかり行い、交付額の上限やタイミングを考慮して計画を進めることが大切です。
また、対象となるインバウンド向け事業は多くありますが、訪日した際の宿泊施設や、飲食店、観光スポットなどを探すため、Web サイトは多くの旅行者が利用します。インバウンド集客の受け皿とするためにも、日本旅行を存分に楽しんでもらうためにも、できることの第一歩として、多言語サイトの作成をぜひ視野に入れてみましょう。