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成功する Web サイトリニューアル|手順やポイントを詳しく解説

作成者: 佐藤菜摘|2024/12/30 6:35:09

Web サイトリニューアルとは、Web サイトの構成やデザイン、サーバー環境などのシステム面を変更して、新しい Web サイトに変えることをいいます。現行の Web サイトを改修するだけでは解決できない根本的な課題がある場合、その解決のために実施します。

Web サイトリニューアルの成功のためには、適切な手順で進めることが重要です。ここでは、Web サイトリニューアルのタイミングと手順の他、リニューアル後に行うべきことを解説します。費用や時間の目安と、気をつけるべきポイントについても詳しく見ていきましょう。

目次

Web サイトをリニューアルするタイミング

Web サイトをリニューアルするタイミングは、基本的に今の Web サイトに「改修では対応しきれない課題」があるときです。例えば、「サイトデザインが古くなって、自社のターゲット層とずれてしまっている」などがあてはまるでしょう。代表的なケースは、次の7つです。

ブランドイメージに合っていない

現行の Web サイトのデザインと、自社の打ち出したいブランドイメージにずれがある場合も、Web サイトをリニューアルするタイミングです。打ち出したいブランドイメージを固め、Web サイトのデザインから文章や画像、動画といった個々のコンテンツまで、ブランドイメージに合った形で統一します。

Web サイトだけでブランディングが実現できるものではないですが、ブランドの魅力や世界観、ビジョンを外部に伝え、ブランドイメージを確立するために Web サイトは重要なツールです。自社ブランドのメッセージを適切に届けられるように、すべて刷新するといいでしょう。

ブランド戦略については「ブランド戦略とは?ブランディングとの違いや具体的な戦略の立て方」をご覧ください。

デザインが古い

Web サイトには流行があり、ユーザーの好みや嗜好もどんどん変化していきます。その結果、デザインがターゲット層の好みから外れてしまっているなら、Web サイトリニューアルが必要です。

デザインの古さは、ユーザーに問い合わせや購入をためらわせる原因となりますし、検索エンジンからの評価も低くなる傾向があります。
自社の商品・サービスを知ってもらう機会を逃すことにもなってしまうので、早めに対処しましょう。

機能が古くなった

Web サイトを長期間リニューアルしていないと、うまく機能しなくなることがあります。
Web サイトは、継続的に更新していくものです。機能の古さから、更新作業や管理作業がしにくくなっている場合は、更新や管理の方針をあらためて考え直す機会として Web サイトリニューアルを検討するのがおすすめです。

Web サイトの情報が煩雑で、欲しい情報にたどりつけない

Web サイトは運用しているうちに、掲載情報や内部リンクが多くなり、コンテンツの構成が複雑になりがちです。Web サイト上で情報が整理されていないと、ユーザーが求めている情報にたどり着けず、離脱につながってしまう可能性が高まります。

普段、Web サイトの運用に関わっている方はイメージしづらいかもしれませんが、初めて Web サイトを訪問するユーザーの目線で Web サイトを閲覧し、見にくいと感じた場合は構成が複雑になっているかもしれません。このようなときは、Web サイトリニューアルを検討してみましょう。

スマートフォンで見にくい

Web サイトが古く、スマートフォンでの閲覧に対応していないと、スマートフォンから閲覧した際に文字や画像のレイアウトがずれてしまい、見にくくなっていることがあります。

スマートフォンの利用状況がパソコンを上回る現代において、Web サイトの視認性の悪さは企業にとって大きな損失です。スマートフォンでも Web サイトをチェックし、見にくいようなら Web サイトリニューアルを検討してみるのがおすすめです。

Web アクセシビリティに対応したい

Web アクセシビリティとは、利用者の年齢や利用環境の他、障害の有無、その度合いなどにかかわらず、誰もが情報を手に入れられることを指します。
Web アクセシビリティに対応しているとは、例えば「音声コンテンツに字幕がついており、耳が聞こえなくても話していることがわかる」「コントラストが調整されており、一部の色を識別できなくても情報が欠けない」といった状態です。

Web アクセシビリティへの対応は企業の努力義務であって、現在はまだ法律上の義務ではありません。しかし、対応を進めることは、すべての利用者にとって使いやすい Web サイトになる、検索エンジンに認識されやすいサイトになる、ユーザーからの信頼性が向上するなどのメリットにつながります。

Web アクセシビリティについては、「Web アクセシビリティとは?必要性や基本方針、対応策を解説」をご覧ください。

多言語に対応したい

ビジネスの海外展開やインバウンドへの対応、外国人従業員が増えていることなどから、Web サイトの多言語化を考える企業も多くなっています。

多言語化にあたっては、翻訳の方法や言語ごとの文字数の違いを踏まえたレイアウト、継続的な維持・運用なども考える必要があります。

Web サイトを多言語化する際に検討すべきことについて、詳しくは E-book 「多言語サイトリニューアル多言語サイト運用の壁を越える!タイムリーな多言語発信を実現」をご覧ください。

Web サイトリニューアルの期間と頻度

Web サイトリニューアルにかかる期間は、少なくとも3~4ヵ月は見積もっておくのがおすすめです。コーポレートサイトなど、大規模な Web サイトの場合は1年近くかかることもあります。

リニューアルの頻度は、マーケティング戦略の変化に従う形となり、一般的に BtoC 企業の場合は3~5年に1回程度、BtoB 企業の場合は5~7年に1回程度とされています。
しかし、必ずしもこの頻度でリニューアルをしなければならないというわけではありません。大規模なリニューアルではなく、部分的な改修で十分な場合もありますし、前述の Web サイトをリニューアルするタイミングを参考にしつつ、実施するかを検討してください。

Web サイトリニューアルの手順

Web サイトで成果を出すためのリニューアル手順は、以下のとおりです。

  1. 明確な目的を設定する
  2. 要件定義を行う
  3. ワイヤーフレームの作成
  4. Web デザインやコンテンツ制作を行う
  5. コーディングやサーバー環境設定を行い、リリースする

1. 明確な目的を設定する

Web サイトのリニューアルは、目的によって要件が変わるため、目的を明確にすることが重要です。例えば、「ブランディングを強化したい場合」と「Web サイトへの集客を強化したい場合」では、新サイトの構成やデザイン、機能、コンテンツは大きく異なります。目的が曖昧だとリニューアルの効果測定もできないので、明確な目的を設定しましょう。

2. 要件定義を行う

目的を明確にした後は、要件定義を行って、Web サイトリニューアルの目的や実装する機能、予算やスケジュールなどを明文化しておく必要があります。大枠を先に決めなければ計画がうまく進まず、目的に応じたリニューアルが難しくなってしまいます。

並行して、サイトマップやディレクトリマップを作成し、サイト設計を進めます。必要なカテゴリーやページ数、ページごとの目的なども洗い出しておかなければなりません。どのようにセキュリティ対策を行うか、サーバー環境の設定やドメインをどうするかなどのシステム要件も確定させておきましょう。

3. ワイヤーフレームを作成する

要件定義を行って、Web サイトリニューアルの目的や実施内容が確定した後は、ワイヤーフレームの設計を行います。ワイヤーフレームとは、Web サイトを制作する上での配置図のようなもので、Web サイトのレイアウトをシンプルな線や枠で表現し、どの情報をどこに設置するかといった情報を整理して記載します。
ワイヤーフレームを作成することで無駄なやり直し作業が減り、トラブルの防止につながるでしょう。

4. Web デザインやコンテンツ制作を行う

Web デザインを決定することや、必要なコンテンツを用意するステップです。具体的な写真や画像イメージ、Web サイトに合ったフォントなど、新しい Web デザインを作り、確定します。ユーザーの体験を加味して使いやすい Web サイトにしましょう。専門的な知識や技術が求められるため、社内のデザイナーやエンジニア、あるいは外部の制作会社に依頼するケースが多いです。

Web デザインと並行して、コンテンツの制作と変更も行います。新たに必要になるコンテンツのためのライティング、デザインやテキストの変更などを行い、既存コンテンツをリニューアルします。

5. コーディングやサーバー環境設定を行い、リリースする

デザインが完成したら、コーディングとサーバー環境設定を行います。コーディングやサーバー環境設定は、HTML や CSS、JavaScript などの知識や、サーバー関連の知識が必要です。そのため、社内のデザイナーやエンジニア、外部の制作会社と連携するケースが多くなります。

コーディングの工程には、ソースコードを書いたり、バグをチェックしたりする他、テスト環境での動作確認なども含まれるため、ある程度の期間が必要となります。レビューを行いながら、問題がなければ公開のスケジュールを設定しましょう。

Web サイトをリニューアルした後に行うべきこと

Web サイトのリニューアルは、公開したら終わりではありません。リニューアル後に何を行うべきなのか、詳しく見ていきましょう。

Web サイトにリニューアルのお知らせを掲載する

リニューアル後のWeb サイトには、必ずリニューアルを行った旨のお知らせを掲載する必要があります。久しぶりに訪問したユーザーが、別サイトと誤解して離脱してしまうのを防ぐためです。

Web サイトリニューアルについて外部に発信する

プレスリリースやメルマガ、SNS (X、Facebook、Instagram など)などを活用して、Web サイトのリニューアルを広く告知します。どのような理由でリニューアルに至ったか、今後のサイト運営の方針なども合わせて配信しましょう。

積極的に情報発信をすれば、それだけ数多くのユーザー・見込みユーザーにアプローチでき、リニューアル後のサイトの利用者数増加やコンバージョン率のアップ、コンテンツの検索順位の向上などが期待できます。

効果測定を実施する

リニューアルした Web サイトを数ヵ月程度運用したら、効果測定を行います。「月間アクセス数」「月間問い合わせ件数」「コンバージョン率」など、リニューアルの目的に沿った KPI を設け、数値で目標の達成度合いを確認しましょう。数値の測定には、アクセス解析ツールや SEO ツールを活用します。

リニューアルの効果が見られない、またはリニューアル前より数値が悪化している場合は原因を探り、構造の見直しや、コンテンツの見直しなどの対策をとることが重要です。

運用と継続的な改善を繰り返す

Web サイトの公開はスタートであり、常に運用し、改善を繰り返していくことが重要です。継続的なコンテンツの追加・更新や、サイト内の UI/UX を改善し、効果を高めていくためにはどのような対応が必要なのか、検討してください。
何をすべきか迷ったときは、当初立てた目的に立ち戻って考え、改善を継続できる体制を整えていきましょう。

Web サイトのリニューアル費用はどのくらい?

Web サイトリニューアルに必要な費用は、現在の Web サイトの規模やリニューアル後の方向性、依頼する作業など、さまざま要素によって変動します。

そのため、明確にどの程度の金額が発生するかは断言できませんが、Web サイトリニューアルにおける変更箇所が多いほど、費用が高くなる傾向です。
一般的には、企業の理念やサービスなどを公開するコーポレートサイトよりも、さまざまな機能を必要とする EC サイトのほうが高くなる傾向があります。

リニューアル費用は依頼先によって幅がある

Web サイトリニューアルは、依頼先によっても費用が変わります。主な依頼先は、個人事業主やフリーランス、中小規模の制作会社、大手制作会社などが考えられます。

個人事業主やフリーランス、小規模の制作会社に依頼する場合は、費用を抑えることが可能です。しかし、個人や会社によってスキルや知識にばらつきがあったり、少人数で作業を行っていたりすることから、大規模な Web サイトのリニューアルの対応は難しい場合もあります。

中規模以上の制作会社は、経験や知識が豊富なため、事前のコンサルティングから運用・サポートまで、手厚くなる傾向があります。中には、業界やジャンルに特化した制作会社もあり、自社の課題に的確なアドバイスをくれる制作会社もあるでしょう。
自分たちの Web サイトリニューアルの目的に合った最適な制作会社を見つけるためにも、複数の制作会社から見積もりを取ることをおすすめします。

Web サイトリニューアルを成功させるポイント

Web サイトのリニューアルを成功させるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、5つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

目的を明確にしておく

前述したように、Web サイトリニューアルの目的が明確でないと、どのようなリニューアルを行うべきかが定まりません。効果的な KPI の設定もできないので、リニューアルの効果も測れなくなります。
行うべき施策に迷ったときに立ち戻れるようにするためにも、目的は明確に定め、明文化しておきましょう。

ユーザー視点を忘れない

Web サイトには、企業がユーザーに見せたい情報ではなく、ユーザーが知りたい情報を見やすく掲載しましょう。ユーザーの視点に立って、情報をわかりやすく提供することが重要です。
加えて、ユーザーが Web サイト上で迷わず、ユーザーにとってほしいアクションに最短でたどり着けるような工夫も大切になります。

セキュリティに気を配る

購買データや個人情報など、Web サイトが扱う情報が以前よりも重要で価値が高くなったことにより、外部から狙われやすくなっています。
一度、サイバー攻撃や不正アクセスなどで事故が起きれば、マーケティングやブランディングで培った企業としての信頼を失うばかりか、今後得られる利益にも悪影響を与える可能性があります。そのため、セキュリティにも配慮して、Web サイトの設計を行わなければなりません。

リダイレクトと SEO を行う

リニューアルした Web サイトへのアクセス数を伸ばすには、旧 Web サイトを訪れたユーザーを自動で遷移させるリダイレクト設定と、検索エンジンからの自然流入を増やす SEO が必須です。
SEO の知識がないと、必要なコンテンツを削ってしまうといったことが起こりがちなので、ある程度理解を深めておきましょう。

グローバル化を意識する

グローバル化の進展とともに、消費者・取引先・従業員・投資家といった企業のステークホルダーには、外国人も含まれるようになりました。
ビジネス機会の拡大はもちろんのこと、ESG 対応や社会インフラ強化の一貫としても、労働人口が減少する中で外国人従業員の雇用が増えている状況からも、多言語で情報発信を行う必要性が高まっています。

このような背景から、直近での Web サイトのグローバル化・多言語化は考えていなくても、のちに多言語化することを見越して、リニューアルの要件に i18n 対応(ソフトウェアや製品を多言語や文化に合わせて利用できるよう改良すること)を加えておくのがいいでしょう。

Web サイトの多言語化には「WOVN.io」がおすすめ

この記事では、Web サイトのリニューアル手順や重要なポイントなどについて解説しました。特に重要なことは、Web サイトをリニューアルする目的をしっかり定めること。

また、Web サイトリニューアルは、公開して終了ではなく、そこから継続的に運用・改善を行い、効果を高めていくことが必要となります。

もうひとつ、Web サイトのリニューアルにあたっては、i18n 対応にすることも重要です。難しい場合の解決策としては、スクリプトを1行加えるだけで Web サイトの多言語化が可能なソリューション「WOVN.io」が役立ちます。

元言語のコンテンツ更新・追加を自動検知してくれるので、多言語化後の管理も楽々。セキュリティも堅牢で、18,000サイト以上に導入された実績があり、安心してご利用いただけます。

Web サイトのリニューアルをお考えの際は、ぜひ「WOVN.io」の利用もご検討ください。