企業を成長させるための施策として、インナーブランディングは大きく役立ちます。インナーブランディングによって従業員満足度の向上や業務の効率化を促すなど、様々なメリットがあります。
本記事ではインナーブランディングを促進させるツールとしての Web サイト、そしてインナーブランディングを活用するメリットについて詳しく紹介します。
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インナーブランディングとは、企業理念や会社の価値、会社が目指す姿など、会社のことを従業員一人ひとりに理解してもらう活動のことを指します。従業員に会社の目指す方向や商品の価値を理解・共感してもらい、従業員の意識と行動を会社と同じ方向に揃える目的があります。
顧客や株主など社外に向けて自社商品・サービスの特徴や魅力を訴求する社外向けのブランディングとは異なり、インナーブランディングは社内向けの取り組みです。
企業の理念や目標、価値などを従業員向けに発信し、結果として従業員の会社への貢献意欲や愛着心が高まり、仕事の成果につながるように取り組みます。
インナーブランディングツールとして、Web サイトを活用するメリットを5つ紹介します。
企業の取り組みや会社のビジョン、事業戦略を Web サイト上で定期的に発信することで、従業員の帰属意識やエンゲージメントの向上につながります。コーポレートサイトや Web 社内報を活用して定期的に情報を発信する、そして従業員がいつでもアクセスできる状態を作ることで、企業理念や目的に共感できる状態が生まれます。ひいては、従業員が意欲的に仕事に取り組む傾向を生み出せるでしょう。
インナーブランディング施策として Web サイトを活用すると、業務の効率化につながることもあります。たとえば、Web 社内報や社内ポータルサイトを導入することにより、それまでコミュニケーションが希薄だった部署間・チーム間での交流のきっかけにもなる他、業務連絡の抜けや漏れを防ぐことができます。現場からの声を経営層に届ける機能などを社内ポータルサイトに設けることで、社内全体の風通しが良くなり、業務効率化の案が生まれるかもしれません。
インナーブランディンのために社内報などを活用する場合、紙媒体よりも、 Web 上で行う方がスピーディーな情報発信が可能です。紙媒体で社内報やポスターを作成する場合、印刷や輸送に時間を要してしまいます。Web サイトを活用してインナーブランディングを行えば、印刷・輸送の時間がかかりません。スピーディーに最新情報を届けられるため、社内の情報を均一に共有できます。
Web 社内報の導入によって、経営層と従業員、従業員間でのコミュニケーションの活性化につながることが考えられます。企業理念や経営戦略、社長メッセージ、ブランドの目指す姿などを掲載することで、従業員の誰もがいつでも情報にアクセスすることができます。Web 上で動画や資料を用いて発信することで従業員の記憶にも残りやすく、理解と信頼の向上にもつながります。
また、Web 社内報はさまざまな部署のメンバーが投稿できる仕組みを作ることも可能なため、従業員の間でのコミュニケーションのきっかけにもなります。普段業務上では会話をしない他部署、他拠点の従業員について理解することで、アイディアの創造や帰属意識・貢献意識の向上が図れるかもしれません。
優秀な人材獲得をするには、ブランド構築も重要な要素の一つです。 コーポレートサイトや採用サイトなどでインナーブランディングを行うことで、社内で自社ブランド理解が促進でき、結果的に従業員が正しい人材像を理解して、優秀な人材な採用につながります。
採用サイトに福利厚生や待遇、教育制度を盛り込むことで、従業員も継続して働き続ける意義を見出せます。会社の魅力を伝えるコンテンツを、テキストだけではなく、絵や映像などを用いたコンテンツを採用サイトに掲載することで、共感・誇りを持つことができ、従業員の定着につながるでしょう。さらに、既存社員が自分の働く会社のことを外部や前職の同僚に推薦しやすくなり、リファラル採用につながるきっかけにもなります。
インナーブランディングのツールとして主流になりつつある、Web サイトの種類を4つ紹介します。
インナーブランディングを促進するツールとして、社内ポータルサイトを活用できます。社内ポータルサイトとは、従業員だけがアクセスでき、自社のさまざまな情報を閲覧できる Web サイトを指します。社内ポータルサイト上で、イベントなどの予定表、勤怠管理システム、ワークフロー、社内 FAQ、業務マニュアルなど、さまざまな情報やアプリケーションにアクセスできるようにすることで、従業員がスムーズに情報にアクセスできるようにします。入社後の社員オンボーディングを円滑に進めることができたり、従業員がより会社のことを知ることができるきっかけにもなるでしょう。
採用サイトもインナーブランディングツールとして活用できます。
採用サイトは求職者へ自社の仕事内容や募集要項、福利厚生、社内風土などを紹介し、Web サイト上で応募まで可能な媒体です。採用に関する募集だけでなく、広報の一面も持っています。既存の従業員にも採用サイトを見てもらうことで、企業について知ることができる点がメリットです。
基本的に採用サイトは将来的な人材確保をメインの目的とはしていますが、従業員にとっても興味を惹くコンテンツを用意している企業は少なくありません。社内情報や、企業が提供する製品・サービスについてわかりやすく掲載することで、従業員が改めて企業の魅力について知ることができ、モチベーションを高めることが可能です。
インナーブランディングを意識して、昇進のロードマップを示す採用サイトも存在します。
コーポレートサイトを活用することで、従業員を含む企業のステークホルダーに向けて、企業情報や製品・サービスを紹介し、インナーブランディングを促すことができます。
コーポレートサイトを社外向けに作っている企業が多いですが、本来コーポレートサイトは、社員を含めた全ステークホルダーに会社を紹介する役割を持っています。社員との関係構築をスムーズにするためにも、従業員にでも興味を持ってもらえるような Web サイトにしましょう。
コーポレートサイトでは、自社の広報内容の発信や、魅力を伝える動画、実績資料などの公開も重要です。ステークホルダーに外国籍のメンバーがいる場合は、多言語での情報発信も検討する必要があります。詳しくは「コーポレートサイトの英語化」をご覧ください。
インナーブランディングツールとして、社内報を活用することもおすすめです。
特に、働く人や働く場所、働き方が多様化する現代においては、タイムリーな情報共有を行うため、紙媒体ではなく Web 社内報を作成するのがおすすめです。
Web 上で文章を作成して共有でき、情報伝達においてタイムラグが生じにくく修正も容易なため、全社的、全世界的な情報共有が可能です。閲覧数なども解析できるため、具体的な数値として効果を計測でき、より簡単にフィードバックを得ることもできます。Web 社内報に関しては「Web 社内報ならではの魅力とは?紙のスタイルと比較したメリットや作成方法を解説」をご覧ください。
インナーブランディングを実施する際、とくに注意すべき点を3点紹介します。インナーブランディング実施時には意識してください。
アンケートやヒアリングなどで効果を計測し、意味のある施策になっているか、定期的に分析することが重要です。インナーブランディングを実施したことによって、どのくらい経営陣からのメッセージが浸透したか、従業員の満足度はどのように変化したか、どれくらいの人材獲得につながったかなど、現状を把握・分析します。
インナーブランディングの浸透には社内ポータルサイト・社内報・社員研修などさまざまな手法があります。分析時にはどの手法で業績・満足度が上がったのかを検証することも大切です。分析後は改善を繰り返しながら、最適な状態を目指しましょう。
インナーブランディングは短期間ではっきりと効果が見える戦略ではありません。長期スパンでの取り組みを視野に入れる必要があります。数年の期間を設けてやっと効果が出てくるケースもあります。現場の声を聞きながら組織の課題を明確にし、中長期的なロードマップ作成をしましょう。
企業理念・製品情報など、企業の発する情報は重要ですが、発信時には理解を強要するのではなく、共感を促すように努力しましょう。従業員自らが積極的に取り組める環境を、企業が整えることが重要です。
本記事では、インナーブランディングの役割や、Web サイトを活用するメリットについて解説しました。社内ポータルサイト、採用サイト、コーポレートサイト、Web 社内報などさまざまな Web 媒体を活用してインナーブランディングの浸透を図ることができます。従業員のモチベーションを上げたり、優秀な人材獲得につながったり、Web サイトを活用したインナーブランディングにはさまざまなメリットがあります。長期的な視点で取り組み、常に現状の効果を計測して改善していけば、業績に向上につながる可能性もあります。インナーブランディングを実施する際は、Web サイトの活用を検討してみましょう。