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NEC が実践するグローバル社内コミュニケーション 〜国内外10万人超の従業員に届けるための共通 Web 基盤構築〜| NEC 高田氏・鉄橋氏|GLOBALIZED インナーブランディング

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佐藤菜摘

 本記事のポイント 

  • 多様な社員のコラボレーションを生むため、知識・経験・情報を共有できる共通 Web 基盤を構築

  • グローバル共通コンテンツの整理拡充の必要を感じ、既存コンテンツを見直し、新規コンテンツも検討

  • 運用面を考慮し、豊富な導入実績がある WOVN.io を導入

  • 今後は言語数を増やし、「伝わるコミュニケーション」がしっかりと展開されていくことを目指し挑戦を続ける  

Wovn Technologies株式会社は、2024年8月30日に「GLOBALIZED インナーブランディング」を開催し、「外国人従業員のエンゲージメントを向上させるコミュニケーション戦略」をテーマにセッションをお届けしました。

導入事例講演では、NEC コーポレートコミュニケーション部 プロフェッショナル 高田 恵氏、NEC コーポレートコミュニケーション部 コミュニケーションスペシャリスト 鉄橋 英明氏を迎え、「NEC が実践するグローバル社内コミュニケーション 〜国内外10万人超の従業員に届けるための共通 Web 基盤構築〜」と題して、国内外の多様なステークホルダーを巻き込み、英語対応を進めていく上での壁や今後の展望ついてお話を伺いました。本レポートではその内容をご紹介します。

【登壇者】
高田 恵 氏
日本電気株式会社(NEC)
コーポレートコミュニケーション部
プロフェッショナル

広告制作、外資系メディア、デジタルエージェンシーを経て、NECに入社。マーケティング支援、コミュニケーション設計やクリエイティブ戦略の立案といった経験を活かし、社内ポータルサイト“One NEC.com”をグローバルコミュニケーションの下支えとなる基盤へと成長させるべく、プロジェクトマネジメント業務に従事。

鉄橋 英明 氏
日本電気株式会社(NEC)
コーポレートコミュニケーション部
コミュニケーションスペシャリスト

2005年NEC入社。携帯電話、タブレットなどのハードウェア製品の企画、開発を経て、組込PCや、クラウドサービスの企画、開発、販売推進で台湾や欧米での業務、拠点間のインターナルコミュニケーション推進を担当。その後、グローバルビジネスユニットで海外社員向けのインターナルコミュニケーションに従事し、現在は社内ポータルサイト“One NEC.com”の運営に携わる。

 

鉄橋(NEC):
国内外10万人超の従業員と書いていますが、全員と今繋がっているわけではなく、まだまだ道半ばです。その成長過程における課題や私たちの運営する「One NEC.com」という社内ポータルサービスが WOVN.io を使いどのように課題解決しているのか、をお話しさせていただきます。

社内ポータルサイト「One NEC.com」が誕生

鉄橋(NEC):
NEC は日本初の外資系合弁会社として誕生しました。今年で125周年を迎え、米TIME誌の「世界で最もサステナブルな企業2024」では第2位に選ばれました。
従業員は世界50以上の国と地域に10.5万人、日本国内には、約300人の外国人従業員が在籍しています。

NEC は多様な人財の活躍によってイノベーションを創出し、変化に強く勝てる組織の実現を目指しています。
我々 NEC 社員は、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」というパーパスを最も大切にしています。その中で、私たちコーポレートコミュニケーション部の役割は、社内外に向けて NEC の DNA やパーパスの理解・浸透を広めることです。
私たち(高田・鉄橋)については、国内外の NEC グループ社員が社内コミュニケーションを円滑に、そして豊かに繰り広げられるように、社内のインフラ基盤を企画・運用・改善していくという一連の活動に携わっています。

元々、社内ポータルサイトは各事業部ごとにサイトを構築・運営していたため、1,500以上の社内サイトが乱立し、情報がサイロ化し見つけにくいという課題がありました。
情報の垂直統合から水平展開に変え、部署を横断したシナジーを生み出し、海外拠点でも利用できる社内共通の Web 基盤作りが必要と認識されていました。
そのため、以下のような期待のもと、2020年にオープンソース Drupal を活用し、グローバル共通の社内 Web 基盤を構築しました。

◼️期待

  • 情報流通を部門内で閉じず、有益な情報を他部門へもオープンに流通させる
  • 全従業員が会社の戦略やリーダーのメッセージを受け取れる
  • 従業員同士で知識・経験・情報を共有し、それによってコラボレーションが生まれる


高田(NEC):
昨年度末時点で One NEC.com の利用率と総合満足度が確実に伸びました。
また、One NEC.com の紹介動画を活用し、新入社員やキャリア採用社員を中心としたNECグループ社員へのOne NEC.comの継続的な認知活動や理解促進活動、改善活動を行っています。動画は英語版もあり、社内外で動画を活用するコミュニケーションが増えているため、WOVN の動画字幕ソリューション 「WOVN.video」 を利用する予定です。

グローバル展開における課題1:英語ページの有無にばらつきが出ていた

高田(NEC):
2020年の One NEC.com の誕生から4年を経て、海外拠点が「つながり」はじめています。しかし、2020年から2023年にかけて、2つのグローバル共通 Web 基盤構築におけるコミュニケーション課題がありました。

課題1
英語版を作るか否かはコンテンツ作成者に委ねられていたため、英訳されるべきコンテンツが日本語のみで提供されるケースが発生

対策①
外国人従業員向けのサイトを立ち上げ、チームの担当者が重要な情報を都度英訳

対策②
英訳というハードルに対し、DeepL PRO や自社開発の生成 AI の活用、翻訳会社への依頼

高田(NEC):
しかし上記の対策には以下のような課題が残りました。

  • 効率的ではない
  • 外部ツールは契約部署以外で使えない
  • 英訳の実施が情報発信者に委ねられているため、必要な英訳が行われないケースが生じる

グローバル展開における課題2:情報コンテンツの方針とそれを取り巻く体制

課題2
認証基盤の整備・共通化や情報開示範囲のルール策定など、国内外各所との協議や調整が煩雑化し、One NEC.comが海外拠点につながるには想定以上の時間を要することになった

対策①
One NEC.com 運用チームがシステムサイドとビジネスサイドのブリッジとなり、プロジェクトを推進

対策②
One NEC.com内のコンテンツの多くが日本語で制作され、日本国内向けのみのコンテンツも数多くあることから、One NEC.com内に海外拠点社員向け英語サイト「One NEC.com CONNECT」をローンチ

外国人従業員の利便性向上や運用の効率化が図れる WOVN.io を採択

高田(NEC):
以上の課題を踏まえ、外国人従業員の利便性向上や運用効率化などの課題をきちんと解決していこう、というステージに入った時に WOVN.io と出会いました。
One NEC.com は日本語コンテンツが多いポータルサイトであったため、WOVN.io が日本語の特性を非常に理解しているソリューションというところに魅力を感じました。また、導入している企業もたくさんいて安心感を得ました。


(右から、NEC 鉄橋氏、NEC 高田氏)

WOVN.io 導入における3つのポイント

高田(NEC):
ここからは「CMS との相性と対策」「機械翻訳への社内理解を得るには?」「翻訳ページのアクセス数には要注意」という3つのお題について、 WOVN の加嶋さんと一緒にお話ししていきます。


加嶋(WOVN):
WOVN の加嶋です。よろしくお願いします。
まず、 CMS Drupal との相性や対策をお伺いさせてください。


鉄橋(NEC):
WOVN.io は1行のスクリプトを html に埋め込むことで実装できました。一方、Drupal は誰でもコンテンツが投稿できるという仕組みのため、セキュリティの問題から、スクリプト機能を制限することにしました。また、多くの部門が投稿しているため、ページ数も多くなりがちです。そのため、One NEC.com運営チームがコンテンツを精査して翻訳対象を決めるように工夫しています。


加嶋(WOVN):
ユーザーがコンテンツを簡単に投稿できるけど、それを全て翻訳するわけではなく、ちゃんと制御して運用されているわけですね。
次に、「機械翻訳の社内理解」についてどう乗り越えたのかをお伺いしたいです。


高田(NEC):
機械翻訳の精度に対する考え方はいろいろあり、懸念も寄せられたので、WOVN.io の機能について一度説明を入れました。例えば「ここからは機械翻訳です」という注意書きのモーダルを出す機能があることをお伝えすることで、皆さん快く了解してくださりました。


加嶋(WOVN):
最後に、「翻訳対象ページのアクセス数要注意」というお題ですが、こちらはいかがでしょうか。


高田(NEC):
かなり多くの社員がアクセスする人事系のページを対象にしたために、契約しているページの PV 数に早く到達してしまいました。従業員への説明がすごく丁寧で冗長になりがちなページもあるので、その辺を気をつけなければいけないと実感しました。

WOVN.io を導入して早々、他部署からも実装したいという声があります。実際に使っていただくことで「結構良い」という確信に変わっているのをすごく実感しています。
2025年を目処に日英以外の言語を増やしていきたいですが、目的は言語数を増やすことではなく、NEC グループ内におけるコミュニケーションのあり方を本質的に考えていくことです。「伝わるコミュニケーション」がしっかりと展開されていく社内ポータル One NEC.com を成長させるべく、新しいことに挑戦していきたいと思います。WOVN さんも引き続きよろしくお願いいたします。

ご清聴ありがとうございました。

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