Wovn Technologies株式会社(以下 WOVN)が開催する年次イベント「GLOBALIZED」。2022年は「混沌とした時代を生き抜く企業の情報発信とは」をテーマに5つのセッションをお届けしました。本レポートでは、各セッションの内容をダイジェストでご紹介します。
「言語によってインターネット上の分断が加速する。」
WOVN CEO の林はいいます。インターネット上のコンテンツ量が世界規模で増加している中、主要言語の占める割合は小さくなっているからです。
(WOVN 林)
具体的な数値で示します。
2014年、インターネット上の英語コンテンツは33%でした。しかし2020年、その数字は25%にまで減少しています。同じように、中国語コンテンツは25%から19%に、日本語コンテンツは5%から3%に減っています。
1990年代に誕生したインターネットですが、今や世界的なインフラとして人々の生活を支える、なくてはならない存在です。結果的に、インターネットを利用するすべての人が、データに“インクルージョンな状態で”アクセスできること、すなわち、自らの母国語でリアルタイムにデータにアクセスできることが求められています。
WOVN は現在「Localization Automation Platform」を開発しています。これは WOVN が提供する95%のテクノロジーと5%の人力によって、企業の Web サイトを自動で翻訳運用できるようにするプラットフォームです。
具体的な内容を知りたい方は、「【パーパス経営】コーポレートサイトの変遷と多言語化の未来」をご覧ください。
「DEI」というキーワードを耳にしたことはありますか?
「ESG」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、最近では ESG の中でも S(Social:社会)に関連する DEI に注目が集まっています。DEI とは Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の略称で「多様なメンバーが揃い、その誰もが心理的安全性を保った状態で公平に活躍できる場をつくること」などと解釈できます。
このトレンドは、企業が優秀な人材を採用したり雇用を維持したりすることが難しくなっている中で、社員全員が働きやすい環境をつくろうとする動きが強まっていることから生じていると考えられます。
このほか、ESG 投資に関する世界的な潮流として、世界各国の全運用資産に占める ESG 投資の割合は年々増加している、ということがいえます。日本も、他の国と比較して低い水準ではあるものの2016年から2020年にかけて ESG 投資の割合が20%以上増えています。
(WOVN 藤原)
ESG に関する興味深い取り組みを行っている企業の一例として、メルカリが挙げられます。具体的な内容は「鍵は DEI にある?2022年の ESG トレンド|MPower・関氏、第一生命・片岡氏」にてご紹介します。
「大切なのは、答えを見つけることではなく、問いを見つけること。」
1年後を予測することすら難しい世の中においては、問いを見つけること、すなわち「明日をデザインすること」の重要性が高まっている、と IDEO 野々村氏はいいます。
(IDEO 野々村氏)
明日をデザインするためにはクリエイティビティが必須です。ジョージランドという研究者が NASA で行った研究によると、人間は4歳まではクリエイティビティの天才だそうですが、それ以降、押さえつけられるようにクリエイティビティを失っていってしまうのだそうです。
そのような中、クリエイティビティを取り戻し未来を創っていくためにはどうしたらよいのか。「クリエイティブ・リーダーシップ」や企業のクリエイティビティを測る指標とは。
内容を詳しく知りたい方は、「【IDEO 流】クリエイティビティを活かす組織|IDEO 野々村氏」をご覧ください。
日経BP 執行役員 伊藤氏は、企業のコーポレートサイトから“その企業の情報発信に対する感度”を判断しているといいます。取材前にも取材後にもコーポレートサイトを確認し、どのくらいの頻度・量で、どのような情報を更新しているかをみているそうです。
(日経BP 伊藤氏)
さらに伊藤氏によると「コロナ禍で世界における日本企業への注目度が下がってしまった」そうです。
こうした状況を打破し、日本企業が再度プレゼンスを発揮するためにはどうすればよいのか。企業の広報担当が、国内外のメディアにアプローチする際に重要なポイントとは。
(『広報会議』 浦野氏)
詳しい内容を知りたい方は、「メディアからみた企業の情報発信のあり方|日経BP伊藤氏・『広報会議』浦野氏」をご覧ください。
オムロンでは、ESG を次のように定義しています。
同社 執行役員 井垣氏によると、この定義に基づいて様々な取り組みを進めることで、オムロンの ESG アセスメント評価は着実に改善されているそうです。
具体的な取り組み内容は、Web サイトでのグローバルに向けた積極的な情報開示と、オルタナティブデータの把握です。すなわちオムロンの広報部門は、必要な情報を必要な人に届けられるような情報発信を行うだけでなく、自社がどのように評価されているかを認識することも重要な任務として担っているそうです。
さらに、従業員のエンゲージメント向上という観点では『“発信”から“協創”へ』というコンセプトのもと、社内コミュニケーション活性化の取り組みを行っています。具体的には “AISAS” という行動変容モデルを活用し、広報部門と人事部門とが密に連携して企業理念をグローバルに浸透させるプロセスを設計しているそうです。
このほか、『オウンドメディアを中心にした社内外コミュニケーションのエコシステム構築手法』や『“グローバル化”が意味するものの変化』、『グローバルに情報発信する上で注意すべきポイント』などについて語っていただきましたので、詳しい内容を知りたい方は「【オムロンに学ぶ】グローバルコミュニケーション戦略|オムロン 井垣氏」をご覧ください。
ESG、クリエイティビティ、メディア、グローバルコミュニケーション戦略、と様々なテーマで議論が繰り広げられた GLOBALIZED 2022。数百名の視聴者の方に大変ご好評をいただき幕を閉じました。
WOVN は Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io」の提供を通し、企業の海外戦略・在留外国人対応を成功に導くため、多言語化を推進してまいります。ご興味をおもちいただける場合は、お気軽にお問い合わせください。
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