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【パーパス経営】コーポレートサイトの変遷と多言語化の未来|WOVN 林|GLOBALIZED2022

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小駒 海晴

2022年5月31日、当社は「急速にグローバル化する日本に求められる新しいテクノロジーとビジネスを体感する」というコンセプトのもと、2年ぶりに GLOBALIZED を開催いたしました。「混沌とした時代を生き抜く 企業の情報発信とは」をテーマに5つのセッションをお届けしました。

Keynote では当社 CEO 林 鷹治が登場。オープンで平等であるという思想のもと作られ、社会インフラとなったインターネットですが、その思想とは裏腹に「言語の壁」による分断が進んでいると林は語ります。インターネット上の分断が進む中、コーポレートサイトの情報発信はどうあるべきか、「コーポレートサイトの変遷と多言語化の未来」をテーマにお届けいたしました。

本記事では、その内容をみなさまにお届けします。

目次

1.パーパス経営にとってコーポレートサイトは重要

「2022年に "コーポレートサイト" がテーマって地味じゃない?」と思う方が多いのではないでしょうか。
実際、1995年にインターネットが誕生し、多くのインターネットサービスが提供されているため、コーポレートサイトのプレゼンスはどんどん下がってきていると感じます。一方 、WOVN への「コーポレートサイトを多言語化したい」というお問い合わせは、ここ数年で急増しています。
この背景として、「利益主義の経営」から「パーパス経営」への変化が挙げられます。存在意義を大事にする経営に切り替わっている中で、多様化したステークホルダーに対して情報を届けるために多言語化が必須になっていると考えられます。
コーポレートサイトの印象がその会社のイメージを作るため、パーパス経営にとってコーポレートサイトは重要な存在です。3つの事例を取り上げて、それぞれのコーポレートサイトから読み取ることができる会社の印象を考えてみます。

まずは世界で一番有名な投資家ウォーレン・バフェットの会社であるバークシャ・ハサウェイ社のコーポレートサイトです。とてもシンプルなホームページであることから、倹約的な企業文化を感じることができます。globalized_keynote_1

続いて、イーロン・マスクの会社の一つであるテスラ社です。コーポレートサイトのトップページを見てみると、テスラのミッションについて大きく打ち出されています。そこから、ミッションドリブンな会社であることが伺えます。

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最後は、ファクトリ・オートメーションの会社であるファナックです。「壊れない。壊れる前に知らせる。壊れてもすぐ直せる」というメッセージが強調されており、品質や技術重視の会社であることがうかがえます。

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以上の例から、顧客はコーポレートサイトからその企業のイメージを作っていくことが分かります。そのため、パーパス経営にとってコーポレートサイトは非常に重要な存在であるといえます。

 

2.コーポレートサイトの変遷

企業がインターネットを利用するのは、技術と世相を反映しています。今後、コーポレートサイトがどのように変化していくのかを理解するためには、企業とインターネットがどのように付き合ってきたのかを理解する必要があります。そのためインターネットの歴史を5つのフェーズに分けて見てみます。

①90年代前半:インターネットの誕生

90年代前半にインターネットが誕生しました。
インターネット誕生の技術的な背景には www というサーバーとアドレスを一致させるという技術とハイパーテキストという技術が結びついたことがあります。そこからインターネットの商用化が始まり、IT 革命という言葉が生まれ、それ自体がニューエコノミーと呼ばれるようになりました。
当時のコーポレートサイトは、専門的な技術者や研究対象など一部のコミュニティにしか使われておらず、とても特別なものでした。

②90年代後半:リッチコンテンツの浸透

90年代後半になるとリッチコンテンツが浸透しました。
技術的な背景には、CSS、JavaScript、Flash などの動きを与える技術が誕生したことがあります。また、Web ブラウザがリッチなコンテンツに対応したり、電子商取引も開始するなど、インターネットで様々な体験ができるようになりました。
そうした技術の発展が、Amazon などインターネット企業に大きな影響を与え、株式上場が相次ぐなど、IT バブルという社会現象を引き起こしました。
コーポレートサイトはリッチコンテンツの浸透により、クリエイティブ系の専門家やマーケティングやブランディングでの利用も開始しました。

③2000年代:インタラクティブ、トランザクションが可能に

2000年代に入ると、Web 2.0の時代に入り、双方向のやり取りができる Web サイトが作られるようになりました。
技術的な背景には、CMS が一般化し、誰でもコンテンツをマネジメントして世の中に出すことができるようになったことが挙げられます。加えて、CDN の浸透によってインフラが整い、集合知という概念の誕生から、SNS が発展していきました。YouTube やブログが代表するように、インターネットが一般的になり、誰でも楽しめるコンテンツであふれだしました。
当時のコーポレートサイトは、インターネットが誰でも利用できるようになり、コンテンツであふれかえったため、法人によるブランド統制やマーケティング活用が一般的になりました。

④2010年代:インターネットのインフラ化

2010年代に入るとインターネットのインフラ化が進みます。
インフラ化が進行した技術的な背景には、AWS のようなクラウドサービスが台頭したことが挙げられます。さらにスマートフォンが普及して、多くの人がスマホを持つようになり、クラウドでいつでも、スマホでどこでも、インターネットにつながることができるようになりました。
インターネットのインフラ化が進み、ブランドロゴは紙や看板での掲載からパソコンやスマホ上での表示へ移り変わりました。そのため、世界のトップ企業の多くがブランドロゴをインターネットに適応したものへ刷新しました。

⑤2020年代:社会的なデジタルシフト

2020年代に入ると、社会的なデジタルシフトが起きています。
SaaS の台頭で多くの商業活動がインターネットに繋がり、AI の普及によって多くのタスクが自動化できるようになりました。そうした背景から DX がトレンドになってきています。

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3.言語によってインターネット上の分断が加速する

前章でインターネットの歴史を見ましたが、今後企業はインターネットとどのように向き合っていけば良いのでしょうか。またコーポレートサイトはどのようになっていくのでしょうか。2030年に向けて2つの現象が起こると考えられています。

1つ目は、越境データの流通が10年で50倍と指数関数的に増加することです。つまり国と国をまたいだデータのやり取りが増加します。そのため、インターネット自体が1つの国で収まることはなく、よりグローバルなものになっていきます。(※1)

2つ目は、性別や国籍など多様な人々が一体感を持って平等に機会が与えられるという考え方であるインクルージョンの加速です。インターネットユーザーは2019年に40億人に達しました。その中で日本語のコンテンツは3%以下です。WOVN を創業した2014年に33%あった英語コンテンツも、2020年では25%まで落ちています。また、中国語コンテンツも25%から19%へ減少し、日本語のコンテンツも5%だったものが3%に減少しています。(※2)

世界中のコンテンツ量が増えている中、主要言語のプレゼンスは減少していることがわかります。こうした背景には、インターネットが世界的なインフラになったことで、多くの国から多くの言語でインターネットを利用する人が増えてきていることがあげられます。インターネットの思想はオープンですが、言語の問題によってインターネット上の分断が進んできています。そのため、企業は多くのデータをインクルージョンな状態で発信する必要性が迫られています。つまり、誰でも見れる言語で、同時に公開していくことが求められています。

(※1)総務省「情報通信統計データベース]世界のインターネット利用者総数の推移

(※2)Internet World Stats; Nielsen; ITU; GfK「Worldwide; as of April 2019; Internet users who speak the respective language」

4.多言語化を自動化するプラットフォーム

企業が多くのデータをインクルージョンな状態で発信するために、WOVN は Localization Automation Platform を開発しています。この Platform によって企業は多言語化を完全に自動化することができるようになります。Web サイトを多言語化しようとすると、「機械翻訳だけでは間違えてしまう」や「人力だけではリソースが追い付かない」などの問題が発生してしまいます。こうした問題に対して、WOVN では95%のテクノロジー5%の人力というバランスを保つことによって解決します。テクノロジーと人力の掛け合わせによって、検知から修正までを行い、大量に、スピーディーに、正確に多言語化を行うことができるようになります。

以下で、自動で多言語化されるまでの流れを見ていきます。
下の図は、ある企業のコーポレートサイトの例です。おなじみのフォーマットのサイトで、「笑顔の花咲く会社」というパーパスが書かれています。

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多言語化の第一歩として機械翻訳をかけます。ですが、「More Details」と「Read More Our Purpose」の2か所のボタンのレイアウトが崩れてしまっています。また、パーパスの翻訳結果が「A Company with Smiling Flowers」となり、日本語訳で「薬物で笑顔になっている」となってしまいます。機械翻訳のみだと、レイアウトも崩れてしまい、適切な翻訳を行うことはできないことがあります。


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Localization Automation Platform にはこのような間違いを自動検知する技術がありますので、検知されたものを人力で修正を行います。これが、「95%のテクノロジーと5%の人力」の意味するところです。


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上記の内容をもっと詳しく知りたい方、コーポレートサイトの多言語化でお悩みの方、他社事例にご興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。

お問い合わせはこちら:
https://mx.wovn.io/contact

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