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ユーグレナ社が発信する情報に海外から“アクセスされる”環境づくりを実現。翻訳のスピードアップで、国内・海外同時に情報を展開。
課題
- Webサイトが海外からもアクセスされる状況を作りたい
- 次々に生み出される新規事業や研究結果の情報発信のスピード感と翻訳のスピード感を合わせたい
解決策
- Webサイトをスピーディーに多言語化できるWOVN.ioを採用
結果
- 日本語の情報を更新するだけで、ほぼ同時に英語で情報を発信できるように
- 海外からの問い合わせで英語化の効果を実感
2005年に設立し、創業15周年を機に経営理念であるユーグレナ・フィロソフィーを「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」に一新したユーグレナ。微細藻類ユーグレナの屋外大量培養技術をコア・バイオテクノロジーとし、その他にも多角的に事業を展開しています。ユーグレナ社の情報を海外からもアクセスできる環境づくり、そして国内・海外への情報の同時発信をWOVN.ioで実現したというお話をお伺いしました。
ユーグレナ社が発信する情報は、全て海外からアクセスされ得るものでした
ユーグレナ社創業のきっかけは、バングラデシュの栄養失調問題にあります。それを目の当たりにした創業者の出雲が、バングラデシュの子どもたちを救えるものはないかと模索する中でたどり着いたものが、ユーグレナであり、ユーグレナを屋外大量培養できたことから事業がはじまりました。
事業の柱は、BtoC向けのヘルスケア自社商品の販売ですね。バングラデシュの栄養失調問題をどう解決していくかを考える中で、ユーグレナを飲料やサプリメント商品として展開してきました。BtoB向けの事業ですと、バイオ燃料製造やOEMの開発も行っています。
その経緯からも、やはりバングラデシュへ向けた活動を大事にしています。当社で実施している「ユーグレナGENKIプログラム」は、売上の一部を使って、バングラデシュにユーグレナ入りクッキーを配布して栄養失調問題を解決していこう、という活動です。日本国内での活動が海外へつながっていて、ヘルスケア事業では海外からお問い合わせをいただくこともあります。バイオ燃料の市場は、日本ではそこまで確立されていないですが、海外ではすでに進んでいる市場でもあります。
そう考えると、ユーグレナ社が発信する全ての情報が海外からアクセスされる可能性があるものだったことが英語対応を行うきっかけでした。
情報を”届ける”のではなく、情報に”アクセスされる”環境作り
例えば、ユーグレナ社の発信する研究情報は、消費者へ届けるというより、研究者や大企業、OEMでの製造依頼をターゲットにしています。
発信する情報は、世界的発見であってもインパクトが小さいものなど、内容の幅が様々です。なので、こちらから一方的に情報を”届ける”ではなく、知りたい情報へ海外からも”アクセスされる”環境をつくる必要がありました。もし日本語でしか情報を展開していなかったら、その情報は存在しないように見えてしまいます。
英語対応を行うことになったものの、新しい研究や新しい事業が連続的に立ち上がってくるユーグレナ社のスピード感に翻訳のスピード感を合わせることが、現状のチームでは達成できていませんでした。そこで、翻訳のスピードアップを図るべく、WOVN.ioを導入いたしました。
Webサイト上の情報は国内・海外問わず、まんべんなく同時に展開
日本語から英語だけでなく、英語から日本語に翻訳するにも時間差が出てしまいますが、WOVN.ioのおかげでスピード感をもって対応できるようになり、国内・海外どちらもまんべんなく、かつ同時に情報を展開できるようになりました。
導入後の効果としては、海外から問い合わせが来たときに、「あ、海外から反応があったんだ」と実感する事が正直多いですね。英語で読めたけど意味が違う、という問い合わせもありますが、情報が届いたという観点では英語での情報が何もないよりはいいと解釈しています。問合せがあれば説明はがんばれます。
新しい生活様式に対して、ユーグレナ社ができることを考えていく
今年の8月で当社は創業15周年を迎えます。SDGsという言葉は2015年にできましたが、それ以前からユーグレナ社はバングラデシュの栄養失調問題に対してすごく注力してきました。今は、SDGsという機運が盛り上がっている中で、ユーグレナ社の事業が成長することが社会課題をどう解決するのかをより意識して活動しています。創業からずっとその思いでやってきていて、今改めて「そうなんだ」と気付いたステージだな、と考えています。
直近の取り組みでいいますと、ユーグレナからバイオ燃料を生産した際にでる残渣(ざんさ)から製造した有機液肥を用いての農作物栽培(※1)や、2021年中にペットボトル商品全廃(※2)を発表しました。事業としての成長もドライブしていきますし、”今あるものを未来のためにできるもの”に変えていく、という両面で動いていけたらと考えています。新型コロナウイルス感染症禍において、この状況をどう切り抜けるかではなく、新しい生活様式に対してユーグレナ社がどういうことができるのかですね。
※1:「微細藻類ユーグレナから製造した有機液肥でイチゴ栽培に成功
燃料生産の副産物を肥料として活用できる可能性を示唆 https://www.euglena.jp/news/20200706-3/」
※2:「ユーグレナ社はCFOと共にペットボトル商品を全廃します
さらに、2021年中に商品に使用される石油由来プラスチック量50%削減 https://www.euglena.jp/news/20200629-2/」
WOVNはもう一人のパートナー
商品の海外展開は今後増えていくと考えています。今後も、社会課題、栄養失調問題を解決していく上で最速のストーリーを描いていき、最適なものを選んでいくだけだと思っています。
ただ、本当は言語の問題を苦にせずにもっと多く人にアクセスしてもらえるWebサイトが正しい状態だと思っています。アクセスのしやすさの中で、言語というハードルがあってはいけないと思っているので、多言語対応をより進めていきたいというのは間違いなく思っているところです。
当社はまだ意味が定まってない難しい言葉も多いので、翻訳精度が高まるとありがたいなと思います。あとは、事後チェックが必要なければありがたいなと。
運用は僕らが放置しすぎてるかもしれないですね(笑)。WOVNはもう一人のパートナーくらいの気持ちでいるので、当たり前に日本語で情報を発信すれば英語でも情報が発信されるという安心感があります。
(取材日:2020年8月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
コーポレートサイト
URL:https://www.euglena.jp/
※外部サイト へ移動します
株式会社ユーグレナ
国:日本
業種:ヘルスケア事業、バイオ燃料事業、研究開発事業
従業員規模:301〜1000人
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の生産に向けた研究も行っています。また、2014年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」の対象商品を、2019年4月より化粧品を含む全グループ商品に拡大。2012年12月東証マザーズに上場。2014年12月に東証一部市場変更。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。