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工数を大幅削減しながら対応言語を拡充。コロナ禍から V 字回復した JAL-DFS のサイト多言語運用の改革

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課題

  • 免税店を利用する外国人のお客様の体験向上のため、予約サイトの対応言語を拡充したい

  • 成田・羽田×PC 用・スマートフォン用×日本語・英語・簡体字の組み合わせで、実質12サイトを並行運用している状態

  • 商品情報の更新頻度が高く、翻訳会社への依頼や社内での翻訳対応では対応言語の拡充は困難

解決策

  • サイトをリニューアルし、2空港x2デバイスx1言語へ大幅にスリム化 

  • WOVN.io を導入し、日本語サイトの運用のみで効率的に5言語に対応できる環境を構築

効果

  • 多言語化の対応工数は約3分の1に低減しながらも、5言語対応を実現

  • アクセス数が前年比約20%増、予約数、 CVR も増加

  • サイトの多言語化により、外国人スタッフも母国語で内容を確認可能に

出国時に空港で立ち寄ることのできるJALグループの免税店「JAL DUTYFREE」を運営する JAL-DFS。コロナ禍を経て、日本人の出国者は減少する一方、外国人利用者が急増する事業環境の中、免税品事前予約サイト(以下 予約サイト)の構成と多言語対応を抜本的に見直しました。WOVN.io を導入することにより、工数を削減しながらも対応言語を拡充することに成功し、その結果予約数や売上などの主要な指標も順調に拡大。さらに現場にも良い影響を与えている、というお話を伺いました。

目次>
  1. コロナを経て変化した顧客層にあわせ、予約サイトを再設計
  2. 対応言語を拡充したい一方で、運用が追いつかなくなる懸念も
  3. WOVN.io の導入で、工数削減と対応言語拡大を両立
  4. 対応言語の拡充で予約数は増加。CVR も売上も順調に拡大
  5. コロナ前の売上を超え、さらなる成長を目指す

 

コロナを経て変化した顧客層にあわせ、予約サイトを再設計

松田さん:
当社の予約サイトは、出国前に商品をオンラインでご予約いただき、免税店でスムーズにお受け取りいただけるサービスです。「買い忘れを防ぎたい」「空港ではゆっくり過ごしたい」といったお客様の声にお応えする形で、多くの方にご利用いただいております。

近年、コロナ禍を経て、免税店に来られるお客様の層は大きく変化しました。これまでは日本人のお客様が中心でしたが、現在は出国される日本人のお客様の人数が大きく減少し、逆に外国人のお客様の割合が伸びています。免税店でのお一人あたりの平均購入金額も日本人のお客様に比べて高く、外国人のお客様の体験価値をさらに高めていくことは、私たちにとって一つの重要な課題となっています

岩城さん:
実は、実際に店舗をご利用くださる方の多くは外国人のお客様ですが、予約サイトの利用比率で見ると、日本人のお客様の割合の方が高い状況でした。そのため、外国人のお客様に予約サイトをもっとご活用いただき、スムーズな購買体験を提供する点では、まだ大きな改善の余地があると感じていました。

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JAL-DFS 免税店予約サイト(繁体字)

 

対応言語を拡充したい一方で、運用が追いつかなくなる懸念も

松田さん:
従来、予約サイトは日本語・英語・簡体字の3言語に対応していましたが、昨今は台湾や香港、韓国からのお客様も多いため、繁体字や韓国語を追加で対応することが有効な施策になると考えていました。ただ、その際に課題として挙がったのが、対応言語を増やしつつも持続的な多言語運用をいかに実現するかでした

従来の予約サイトは、「成田空港の免税店」と「羽田空港の免税店」、さらに「PCサイト」と「スマートフォンサイト」でそれぞれ別立てとなっておりました。これらを日本語・英語・簡体字の3言語に対応させていたので、実質的には 2空港 × 2デバイス × 3言語=12サイトを管理しているような状態でした

翻訳については、商品元の企業様から支給される対訳以外は、社内で機械翻訳を活用したり、翻訳会社への依頼で対応していました。商品登録は随時発生し、都度テキストを翻訳し、各サイトに反映するのは、3言語分だけでも非常に多くの時間と労力を要していました。そのため、抜本的にやり方を変えない限り、現実的には対応言語を増やすのは難しいという課題を抱えていました

WOVN.io の導入で、工数削減と対応言語拡大を両立

松田さん:
そこで、サイトのグランドTOPページをリニューアルするタイミングで、多言語化をより効率的に運用するために、JAL グループの他のサイトでも既に導入していた WOVN.io の採用を決定いたしました。

WOVN.io を導入してみて、期待通り多言語化にかける工数の削減ができて本当によかったと思っています。これまで対応していた日本語・英語・簡体字に、繁体字と韓国語を加えた5言語対応が短期間で実現できましたし、言語数が増えたにもかかわらず、日々の更新や翻訳作業にかかる工数は約3分の1程度まで削減されました

岩城さん:
WOVN.io で効率的に多言語対応できている要因はいくつかあると思っております。

一つ目は、ページの追加や更新時に自動で翻訳が反映される点です。これまで各言語ごと個別に翻訳・更新していた作業が、日本語のサイトの管理だけで完結するようになり、必要な作業を大幅に削減できました

二つ目は、WOVN.io に備わっている翻訳補助機能です。例えば、ブランド名や固有名詞などの翻訳揺れを防ぐために、「用語集」機能を活用して簡単に表記を統一できたり、AI 翻訳結果を画面上で直接確認・修正できる「ライブエディター」機能を使うことで、必要な箇所だけを効率的に調整できる点も助かっています

三つ目が、WOVN のサポートチームの方々が丁寧に伴走してくださった点です。導入時から運用の軌道に乗るまで親身にサポートしてくださったおかげで、スムーズに WOVN.io の運用が定着しました

対応言語の拡充で予約数は増加。CVR や売上も順調に拡大

松田さん:
対応言語拡充の効果は早速数値としても現れています。

最近は各言語の LP を作成したり、コンテンツ SEO にも取り組むことで、予約サイト全体のアクセス数が前年比で約20%増加しています。さらに、予約数はアクセス数以上に増加しており、つまりコンバージョンレートが増加していることを意味します

これまでは母国語で予約サイトを使えなかったために予約を途中で諦めてしまっていたお客様が減り、より多くの方に母国語でスムーズにご利用いただけるようになったことが、この成果につながっていると考えています

免税品予約サービスサイトとしては、サイトリニューアル時には、コロナ前の売上水準への回復をひとつの目標としておりましたが、2025年8月時点ですでに目標を上回る結果となっています
こちらも外国人のお客様の増加に合わせた多言語対応や、予約導線の改善などが着実に効果を発揮しているのだと感じます。

岩城さん:
また、予想していなかった変化としては、現場店舗の台湾人や韓国人スタッフも予約サイトを自発的に読んでくださるようになったと聞いています。母国語で内容を確認できるようになったことで、スタッフにとっても利便性高く使えるサイトになり、結果としてお客様対応に貢献できていると思います

 

コロナ前の売上を超え、さらなる成長を目指す

松田さん:
予約サイトの今後の目標としては、店舗売上に占める予約サイト経由の売上比率を現在より倍増させることを目指しています。チャレンジングな目標ですが、まずはアジアを中心に増加している外国人のお客様に、いかにお使いいただけるかが重要と考えています。その観点では、さらなる多言語対応の拡充も施策の候補になるかと思います。

また、特定の地域のお客様向けに限らない提供価値の向上も目指していきたいです。例えば、予約サイトでのご利用状況から、お客様のご要望に合わせたご案内をお届けできる仕組みなど、さまざまな取り組みが考えられると思っています。世界中のお客様にさらに快適な免税品購入の体験をお届けできるように、今後もサービス全体の改善に取り組んでいきます。

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(取材日:2025年9月)

 

■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
URL:https://www.jaldfs.co.jp/
言語:日本語 →英語・韓国語・簡体字・繁体字

 

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株式会社JAL-DFS
https://www.jaldfs.co.jp/

国:日本

企業規模:101〜300名

成田空港・羽田空港に免税店「JAL DUTYFREE」を運営し、化粧品・香水・酒類・ファッションなどのブランド商品を取り扱う。空港利用者の多様なニーズに応える商品ラインナップとサービス品質の高さを強みに、訪日・出国客双方に快適なショッピング体験を提供している。

 

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松田 真紀 さん

商品部
グループ長

趣味:映画鑑賞、読書

 

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岩城 典子 さん

販売部
グループ長

趣味:読書、ドライブ

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