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人力頼みの運用から脱却。きめ細やかでタイムリーな運行情報の多言語発信を実現、WOVN.io 導入でタイムラグはゼロに。

課題
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運行情報の多言語対応を、すべて人力で行っていたため、社内リソースの負荷がとても大きかった
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きめ細やかでタイムリーに運行情報の多言語発信を行える環境を構築したかった
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現場からも、Web サイト上での多言語情報発信を改善できないかと声があがっていた
解決策
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国際特許である「未翻訳箇所の自動翻訳・自動検知」する技術を活用し、リソースをかけずにスピーディな多言語運用を実現できる WOVN.io を導入
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多くの鉄道や航空会社の運行情報をはじめとする、あらゆる業界・サイトでの豊富な導入実績を評価
効果
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日本語とそれ以外の言語における、運行情報発信のタイムラグを解消
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必要最低限の社内リソースで、多言語対応を行える体制を構築
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外国人のお客様の利便性向上を実現
九州全域に広がる交通網を活かし、不動産や流通・外食など、幅広い角度からまちづくりを行っている JR九州。Web サイト上での運行情報発信における多言語運用の見直しや利用者の利便性向上を目的に、 WOVN.io を導入しました。多言語情報発信のスピードが改善された、社内リソースを大幅に削減できたなど、導入後の様々な効果をお伺いしました。
<目次>- 運行情報のタイムリーな発信が求められる中、多言語対応は100%人力作業となっていた
- 多言語発信する目的の明確化、同業他社事例が WOVN.io 導入の後押しに
- 日本語と他の言語での情報発信タイムラグはゼロに、多言語対応にかかる社内リソースも大幅削減
- WOVN.io は、お客様と運用側どちらにもメリットをもたらすソリューションだった
運行情報のタイムリーな発信が求められる中、多言語対応は100%人力作業となっていた
今回、JR九州の列車運行情報に WOVN.io を導入し、4言語対応を実施しました。当社は九州地方の交通を担うインフラとして、JR九州エリアの運行情報をタイムリーに発信しています。 ですが、日本語での情報発信はタイムリーに行えている一方、それ以外の言語における情報発信とのタイムラグや情報粒度の差があることに課題を感じていました。
これまで運行情報の多言語対応は、すべて人力で行っていました。遅延や運休はいつ起きるか予測できませんので、当番制で必ず誰かがすぐに運行情報の更新を行える体制にしていました。
日本語で運行情報更新があった際には、あらかじめ駅名と運行情報に関わる事象を一覧で記載し、各言語(英語・中国語・韓国語)に翻訳された内容をまとめたエクセル表から都度必要な情報を引っ張って多言語で発信する、という地道な人力対応でした。
ただ事象については、「列車に遅れが発生しています。」「一部区間で運転を中止しています。」など、大まかな情報のみで、細かい情報までは多言語で発信できていませんでした。その結果、実際に外国人のお客様へアナウンスを行う現場の従業員からは、もう少し詳細な運行情報を発信できないかと要望を受けることもありました。
やはりインバウンド数も年々増加していますし、日本国内でも多言語対応が当たり前という状況ができあがりつつあります。そういった状況に、当社もいち早く適応していく必要があると考えました。
多言語発信する目的の明確化、同業他社事例が WOVN.io 導入の後押しに
できるだけ社内リソースをかけずに多言語運用できるソリューションを探していたところ、WOVN さんに出会いました。「きめ細やかでタイムリーに運行情報を多言語で発信したい」と、我々が目指すことを達成できるソリューションであり、コスト感もマッチしたことで、WOVN.io を導入することが決まりました。
また、鉄道会社はお互いに意見交換を行う機会が多く、導入システムなども他社事例を参考にすることが多いです。WOVN さんもすでに大手の鉄道会社や運行情報案内への導入実績があったことが、導入の大きな後押しにもなりました。やはり、同じ悩みを抱える同業の事例はすごく説得力や安心感がありますし、社内での導入検討も進みやすくなりました。
対応言語については、九州エリアを訪れる外国人の国籍を参考に決めました。九州は圧倒的にアジア地域からの来日が多いです。特に韓国はおよそ4割を占めていて、台湾、香港、中国がそれに続きます。もはや、世界標準語と言われる英語よりもアジア圏の言語対応の方が重要度が高かったですね。結果として、4言語(英語、繁体字、簡体字、韓国語)を選定することにしました。
日本語と他の言語での情報発信タイムラグはゼロに、多言語対応にかかる社内リソースも大幅削減
WOVN.io 導入以前は、すぐに対応できたとしても、多言語で情報を発信できるまでに30分〜1時間ほどのタイムラグが発生していました。ですが、今では日本語と同じタイミングでタイムリーな多言語発信が行えるようになりました。またタイムラグの解消だけでなく、よりきめ細かい粒度での多言語発信ができていることが、導入効果を一番感じることができた部分です。
同時に、おかげさまで多言語対応にかかる社内リソースも大幅に削減することができました。
現在の運用としては、基本的に WOVN の「未翻訳箇所の自動検知・自動翻訳」技術にお任せしています。また、翻訳修正を行う際には、ライブエディター機能を活用しています。やはり運行情報は鉄道業界特有の専門用語が含まれていることもあり、うまく翻訳されない場合もあります。以前であれば、修正対応も時間がかかり大変でしたが、今は実際の画面を見ながら簡単に翻訳修正を行えるので、すごく便利な機能だと思います。
言語別のコンテンツ情報の出し分け機能なども活用しています。例えば、電話番号は日本語のみで掲載しています。まだ電話対応は外国人向けに行っていませんし、その分きめ細やかな運行情報を多言語で発信できるようになりましたので、電話番号は非表示にしています。このように、WOVN.io は標準機能が豊富ですし、カスタマイズも簡単にできる点も導入して良かったなと感じています。
WOVN.io は、お客様と運用側どちらにもメリットをもたらすソリューションだった
台風であれば、計画運休など事前に情報を準備して多言語で同じタイミングで発信することができますが、事前に予測できない運行情報がタイムリーに多言語で発信できるようになり、外国人のお客様の利便性は非常に向上したと思います。
また、外国人のお客様が窓口へ直接問い合わせをせずとも、Web サイト上で運行情報を瞬時に確認できるようになったため、窓口の工数削減にも繋がるなど、運用側にも大きなメリットとなっています。そのため各駅の窓口では、運行情報案内ページの QR コードを掲載したポスターを貼り、ご自身でそれぞれ多言語で運行情報案内をご確認いただけるように誘導しています。
運行情報は、お客様に一番タイムリーに届けないといけない情報ですので、WOVN.io を導入することで、まずその目標を達成することができました。運行情報ページ以外でも、今後多言語での情報発信を進めなければならないコンテンツはまだまだありますので、多言語発信の即時性が求められるコンテンツにおいては WOVN.io の導入を検討していけたらと考えています。
(取材日:2025年1月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
JR九州運行情報案内:https://www.jrkyushu.co.jp/trains/info
● 元言語 :日本語
● 対応言語 :英語、簡体字、繁体字、韓国語

九州旅客鉄道株式会社
https://www.jrkyushu.co.jp/company/index.html
国:日本
業種:鉄道・不動産・建設
サイト種別:公式サイト・グローバルサイト
企業規模:5,001名〜
1987年の国鉄分割民営化に際し、九州全域に広がる鉄道をコア事業として発足して以来、駅ビルやホテル、マンション、建設、流通や外食事業など、鉄道事業との相乗効果が高い領域を中心に事業領域を拡大している。グループの「あるべき姿」である「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」の実現に向けて、安全・安心なモビリティサービスを軸に地域の特性を活かしたまちづくりを通じて九州の持続的な発展に貢献している。