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立教大学、WOVN.io による多言語化を通じて大学に所属する人々に情報を届ける。学校情報ポータルサイトを利用する、外国人留学生、保護者・海外教員の利便性向上を。
課題
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増加する外国人留学生向けにポータルサイトを多言語化
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Web 専門のエンジニアがいないため、「簡単」に導入できる必要があった
- 多言語対応にかける潤沢な開発リソースはなかった
解決策
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WOVN.io はスピーディかつ簡単に多言語サイトが導入可能
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開発コードにスクリプトを挿入するだけなので、専門知識が不要
結果
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多言語対応により、日本語が苦手な留学生、保護者、外国人教員に迅速に情報が届くようになった
- 国際化戦略の後押しに繋がった
年々増加する外国人留学生や教員に向けて立教大学からの情報を届けるべく、ポータルサイトの「RIKKYO SPIRIT」にWOVN.io を導入し、ポータルサイトの多言語対応を行いました。今回は、WOVN.io を導入してポータルサイトを多言語化した理由、今後の立教大学の国際化に向けての展望について、オンラインでお話をお伺いしました。(*参考:文部科学省 スーパーグローバル大学創生支援https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1360288.htm)
<目次>
- 立教大学は「アジアを代表し、世界で際立つ大学」となるべく国際化を推進しています
- 外国人教員と約800名の外国人留学生に情報を届けるために WOVN.io を導入
- WOVN.io は、導入作業も、導入後の運用もとても「楽」
- 「約2万7千」のクリック数。コロナ禍において、英語の情報を欲している留学生・教員に必要な情報を届けることが出来ました
- 立教大学のさらなる国際化には「多様性」が必要
立教大学は「アジアを代表し、世界で際立つ大学」となるべく国際化を推進しています
私は総務部の情報システム課に所属しております。情報システム課は教室のマルチメディア設備、PC 教室、サーバー・ネットワーク等のインフラ整備、オンライン授業をはじめとする授業支援サービスの提供を主たる業務としています。一言でいえば、大学に必要なICT環境の企画、整備、運用ですね。その中でも私は立教大学の学生、保護者、教員向けのポータルサイト、教室のマルチメディア設備、オンライン授業に関するシステムの運用をメインに担当しております。
立教大学は1874年に創立され、約150年もの長い歴史をもっています。アメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が聖書と英学を教えるため開校した私塾が立教大学の始まりです。 2024年に創立150周年を迎えるのですが、それに伴って、国際化戦略「Rikkyo Global 24」というプロジェクトを掲げました。「Rikkyo Global 24」とは、「アジアを代表し、世界で際立つ大学」になることを目指して取り組んでいる24のプロジェクトの総称です。この戦略を基盤とした構想は、2014年に文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」にも採択されました。
現在もまさに、大学の授業やプログラムでも国際化は進んでおります。特に「経営学部国際経営学科」、「異文化コミュニケーション学部」、「グローバル・リベラルアーツ・プログラム(GLAP)」の学生は、在学中に海外へ留学することが課せられています。授業によっては英語のみで行われており、在学生の国際化を後押ししております。
外国人教員と約800名の外国人留学生に情報を届けるために WOVN.io を導入
立教大学の国際化戦略と文部科学省「スーパーグローバル大学創生支援」の採択もあり、海外からの留学生、外国人教員も増えました。現在、立教大学は大学生、大学院生を含めて約2万人が在学していますが、その約5%にあたる800名が海外からの留学生です。
立教大学の国際化に伴い、海外からの留学生と教員が増えたことで、必然的に立教大学の情報を日本語だけで発信するわけにはいかないと考えました。
実は、Web サイトの多言語化については2011年から話題にあがっておりました。2011年の東日本大震災がそのきっかけになります。東日本大震災が起きた当時は、立教大学の対応や情報はすべて日本語で情報発信されていました。そのため、どうしても情報を受け取る側は日本人に偏ってしまいました。外国人留学生、外国人教員は果たして立教大学からの情報は受け取れているのか、などの心配の声も多くありましたね。
Web サイトの多言語化については大学内でも長い間議論は続いていたので、2011年から時間は経ってしまったものの、立教大学の国際化戦略を機に Web サイトの多言語化を実現することになりました。そこで、あらゆる情報が在学生・教員に発信される「ポータルサイト」の多言語化を行うことになったのです。
WOVN.io は、導入作業も、導入後の運用もとても「楽」
ポータルサイトの多言語化の検討はするものの、情報システム課には Web 専門のエンジニアがいるわけでもなく、Web サイトの多言語化、翻訳を行ったこともありませんでした。なので、複雑な工程が不要で、「楽」に導入できるシステムを探しておりました。 既存のポータルサイトを多言語化するにあたって、リサーチ、紹介などを通じて何社かお話をお伺いしたのですが、「rikkyo.ac.jpドメインではない外部のサーバーに翻訳結果を出す」、「日本語、英語のページの URL が異なる」、「翻訳に時間がかかる」、「管理画面の UI が使いづらい」、「導入に時間がかかる」、「Web サイト開発の専門知識が必要」など多くの課題があがってきて、Web サイトの多言語化は「使い勝手がよろしくない」という印象がありましたね。
そんな中、取引のある Web 制作会社さんに WOVN.io を紹介いただきました。 WOVN.io はさきほどの難点がすべてクリアされており、紹介いただいてから、検討、決定までにそれほど時間はかからなかったかと思います。
私自身専門的なエンジニアではないため、導入作業には不安がありましたが、想定していたよりもはるかに「楽」でした。単純に Javascript を挿入するだけで終わり。もっと時間がかかるものかと思っていました。
また、ポータルサイトの多言語化に伴い、ポータルサイト自体にも仕掛けをしようと考えていました。英語のページに切り替わる前に”この英語は機械翻訳です”という旨が記載されたページに遷移して、同意をした人だけが英語のページを閲覧できるようにしたかったのです。 とはいえ、立教大学では Web エンジニアがいないということもあり、そのような仕掛けを実装するために試行錯誤していました。そこで、WOVN さんにお尋ねしたところ、こういった導入作業以外の技術的な部分もサポートいただけて、すぐに仕掛けが表示されるようになりました。当時はとても助かりました。リップサービスじゃないですよ(笑)。
導入後の作業も全く負荷はかかっておりません。 ポータルサイトに掲載されるコンテンツを随時 WOVN.io が自動で英語に機械翻訳をして、英語ページを更新しています。立教大学独自の単語は WOVN.io の「用語集」機能を使用していて、機械翻訳で翻訳を行った場合でも、用語集に登録されている単語は最終的な文章には反映されるので、目立った誤訳はありません。
「約2万7千」のクリック数。コロナ禍において、英語の情報を欲している留学生・教員に必要な情報を届けることが出来ました
今年の5月に入ってからはポータルサイトのアクセスが全体的に増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、立教大学からの重要なお知らせを頻繁に更新していたこともあり、1か月で約160万 PV に達しています。WOVN.io で英語に翻訳されたページをクリックした数は約2万7千クリックほどと、その前の月に比べると2倍以上になります。
立教大学の新型コロナウイルス感染症対策や、授業に関するお知らせなど、とても重要なコンテンツが多く掲載された月でしたので、英語ページのクリック数が多かったのは、それくらい英語が求められていたのだ、ということだと思います。
立教大学のさらなる国際化には「多様性」が必要
先ほどお伝えしたように、立教大学には約800名の海外留学生が在学しています。現在は中国、韓国からの留学生が多数在学していますが、国際化戦略を掲げていて、立教大学に多様性をもたらすために、今後は東南アジアやヨーロッパの留学希望者に向けてプロモーションを増やす予定です。 また、学生だけでなく、教員も多国籍になってきています。 立教大学に在学する海外留学生やその保護者、教員、すべての人々の利便性を高めるべく、情報がくまなく届くように、努力していきたいと思っています。
今すぐというわけではありませんが、海外留学生が増え続け、多様性が増したときには英語だけでは足りないかもしれないですね(笑)。 その時もぜひ、WOVN さんにご協力をお願いしたいです。
(取材日:2020年7月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
ポータルサイト「RIKKYO SPIRIT」
URL:https://spirit.rikkyo.ac.jp/
学校法人立教学院
国:日本
1874年(明治7年)、アメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教により、東京築地の外国人居留地に聖書と英学を教える私塾「立教学校」が開かれ、 わずか数人の生徒で始まった小さな学校が今の立教大学のルーツ。 これからのグローバル社会を生きる、豊かな創造性、高い協働性、社会を導く自立性を持った人物を育成するため、国際化戦略「Rikkyo Global 24*」を策定し、大学の国際化を推進しています。 (*参考:立教大学 RIKKYO GLOBAL https://www.rikkyo.ac.jp/closeup/global/)