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「外国人にも日本人にも同じサービス」を提供するために Web 明細画面を英語化。お問合せ件数・対応時間ともに約 1/10 へ大幅削減。
課題
- 会員向け Web サービス「Vpass」は日本語にしか対応していなかったため、外国人のお客さまによっては、サイト上のどこに何の情報があるのか把握できず、コールセンターに照会するにしても、相当な時間がかかっていた
- 頻繁に情報更新が起こるため、英語に対応した独自サイトを作るとなると、翻訳する手間・コスト・時間がかかってしまう
解決策
- 実績もあり、更新性の高い Web サイトに強みを持つ WOVN.io を導入
- 更新情報を自動で検知し、英語サイトへ情報を反映できるため、自動運用を実現
結果
- サイトの英語対応により、外国人のお客さまが Web サイト上でお手続きを自己完結できるようになり利便性向上へ
- 同時にコールセンター業務の効率化を実現
- 英語でのお問合せ件数・1件あたりの対応時間は約 1/10に大幅削減
決済のパイオニアとして業界を牽引してきた三井住友カード。2020年7月から2021年3月まで段階的に、会員向け Web サ―ビス「Vpass(ブイパス)」の英語対応を WOVN.io で行いました。外国人のお客さまの利便性向上と同時にコールセンターの業務効率化を実現したというお話を伺いました。
三井住友カードにおける重要な顧客接点「Vpass」
私は三井住友カードの会員向け Web サービス「Vpass」の UI/UX 改善を担当しております。ページ自体の見直しだけでなく、WOVN.io や Web 接客ツールなど、サポートツールの導入によりスムーズにお手続きいただけるような見直しを日々行っております。現在はサポートツールの導入は別チームにて対応していますが、私のチームでは引き続きサイト離脱の原因を探るためにアンケートやユーザビリティテストを実施して、お客さまの声を取り込み、 UI/UX 改善に生かす活動を行っています。
Vpass では、カードのご利用明細確認、カード紛失や磁気不良などのトラブル時の手続き、口座変更や支払日変更といったご要望など、ほとんどの手続きを完結いただけます。当社の場合、90%以上がオンラインでカードをご入会いただくお客さまですので、会員とのリアルな接点がほぼありません。そのためこの Vpass は入会後の最も重要な顧客接点だと考えています。
英語対応は、外国人にも日本人の会員と等しいサービスを提供するための取り組み
三井住友カードのお客さまのうち、50万人以上が日本語を母国語としない留学生などの外国の方です。お客さまからのお問合せには、主に東京と大阪2箇所のコールセンターで応対しておりますが、中には英語でお問合せをいただくこともあります。しかし、これまで英語対応可能なスタッフはわずか数人しかいませんでした。また、その数人のスタッフといっても、外国人のお客さま専任オペレーターというわけではなく、それぞれに他のタスクと掛け持ちをしながら合間で応対をしているという状況でした。
1件のお問合せに応対するのに数十分、時間がかかることもありますし、英語対応可能なスタッフが不在の場合は、第三者翻訳サービスを使用したり、折り返しでの対応となったりとお客さまにはさらにご負担かけてしまう体制でした。それに私個人としては「外国人にも日本人にも同じサービスを提供したい」という思いがありますので、外国人のお客さまの利便性向上とコールセンター業務の効率化を同時に実現するために Vpass の英語化は必須でした。
更新性の高いサイトを英語対応するための手段は、WOVN 一択でした
WOVN 導入のきっかけは、グループ会社である三井住友銀行の Web サイトへの導入実績を参考にさせていただいたことです※1。WOVN.io 導入のデモンストレーションを初めて見たときは、こんな一瞬で言語が切り替わるんだとびっくりしました。これだったら安心してお客さまに提供できると思いました。
もちろん、新たに独自の英語サイトを構築するという案もありましたが、 Vpass では情報の更新が頻繁に起こります。独自の英語サイトを作ってしまうと、日本語情報更新のたびに翻訳会社に英訳依頼をかけなければならないという手間も考え、運用性や実績の観点から当初から WOVN さん一択でしたね。
※1:三井住友銀行 WOVN 導入ページ:https://www.smbc.co.jp/kojin/sougou/language/index.html
英語でのお問合せ件数は 89% 削減に、応対時間も1件あたり 90% 程度を削減
コロナ禍という背景もあり、外国人のお客さまからのそもそものお問合せ件数が減少している部分もありますが、WOVN.io 導入前は月900件程頂いていた英語でのお問合せも、導入後は月100件程度まで減少しました。1件あたりの応対時間も、すぐに英語ページをご案内できるようになったことで、概ね30分から数分程度まで短縮されました。WOVN さんにはかなり貢献していただいています。
実際、外国人の奥様がいる旦那様から、「これまでカードに関わる手続きはすべて自分(旦那様)が対応していたが、Vpass が英語対応していたことで妻一人でも手続きができました。ありがとうございます。」と嬉しいご意見をいただいたこともあります。
日本人でも外国人でも、同じ Web サービスを利用していただくための翻訳品質
現在社内の WOVN 運用は3名体制で行っています。Web ページの新規制作・修正依頼は、各部門から私が所属している部署に依頼がきます。我々の部署の Web ページを運用するメンバーが日本語での制作を終えた後に WOVN.io で英語化し、翻訳をチェックします。誤解を招くような翻訳になっていないか、翻訳し漏れているところがないかのパトロールを都度行っています。
翻訳は公開前に文法的に間違いがないか、WOVN さんにご確認いただいていることに加え、英語での電話応対の際の言い回しと整合が取れているかをコールセンター側でチェックし、必ず社内の人間が目を通すようにして翻訳精度を上げています。日本語ページと英語ページで意味が異なってはいけないという思いで、翻訳品質はとても意識しています。あと金融独特かもしれないですが、日本語の文章を丁寧に書きすぎているがゆえに綺麗に翻訳されないので、そういった部分も修正しています。
WOVN.io は機能アップデートのスピードが速い
私はコーディングの知識がそこまでなかったので、導入時は「これはどうしたらいいですか」、「次のステップは何をしたらいいですか」と営業やサポート担当者に毎日のように電話しましたね。みなさんのレスポンスがすごく早かったので助かりました。あと、WOVN の仕組みと弊社のシステム環境の組み合わせ上、仕様上の懸念点もいくつかあったのですが、QA 表を作成いただき、一つ一つ疑問点をクリアにして導入を進めていくことができました。
WOVN.io はアップデートがめちゃめちゃ速くてびっくりしました。2020年5月に導入を開始して、7月に正式リリースしたんですが、リリース時にあったらいいなと言っていたライブエディターのカスタムレポート機能など、リリース後には欲しかった機能がどんどん搭載されていました(笑)。
日々進化されているところはすごく頼りになるというか、これからもっと便利になっていくだろうなと期待しています。
新規顧客獲得が目的というわけではなく、既存の外国人会員に日本人会員と同等の利便性を提供していく
三井住友カードは、サイト自体の拡充を図る一方で、日々ご利用いただいているお客さまにどうやって高品質で良いものをきちんと提供するかを重要視しています。
冒頭でも申し上げましたが、今回の Vpass の英語化対応は新規顧客獲得ではなく、既存の外国人のお客さまにも日本人と同様の『フリクションレスな Web 体験』の提供を目指すためです。日本語、英語に関わらず、すべてのお客さまが常にストレスなく使っていただける Web サイトを作っていきたいと思っています。
(取材日:2021年8月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
会員向け Web サービス「Vpass」
URL:https://www.smbc-card.com/mem/language/index.jsp
※外部サイト へ移動します
三井住友カード株式会社
https://www.smbc-card.com/index.jsp
国:日本
業種:金融
従業員規模:1,001名〜
SMBCグループの戦略的事業会社として、高いブランド力と総合的なカード事業の展開力を活かし、幅広いニーズに合った決済・ファイナンスサービスを提供。今後も、革新的なビジネスを創り続けることで「お客さまの決済をあらゆるシーンで支える“デジタル”&“イノベーション”カンパニー」を目指している。