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エンジニアリソースを割くことなくスムーズな多言語化を実現。製品の在り方の変化に応じて、製品理解を深めていただくために多言語化は必須。
課題
- ターゲットの変化により多言語化での説明充実が課題
- 既存で約2,000ページの製品ドキュメントおよび月100ページの追加・更新があり人力翻訳では運用が回らない
- お客様から多言語化の要望が寄せられていた
解決策
- 高頻度に更新される大量コンテンツを WOVN.io で一挙多言語化
- 既存の流れを変えずに WOVN.io でスムーズに多言語化
結果
- エンジニアリソースを割かずに全ての製品ドキュメントを多言語化
- 日本語での PV 数も UU 数も約20%増加
アメリカをはじめ、欧州、アジアを中心とする約400社に Treasure Data CDP を提供しているトレジャーデータ。今回はトレジャーデータが多言語化を行った背景や導入効果、その後の運用など様々なお話をお伺いしました。
Treasure Data CDP の理解を深めるために多言語化
伊藤:
トレジャーデータは2011年に日本人の創業者3名がシリコンバレーで設立し、組織内に散在していたデータを収集、統合、分析できるクラウドデータ基盤、Treasure Data CDP を提供しています。
私はカスタマーエンゲージメントチームでユーザー会やトレジャーアカデミー(ユーザー様向けトレーニング)、TreasureData User Engagement(ユーザー様向けメディア)の運営と日本語ドキュメントの整備を担当しています。
髙橋:
私はトレジャーデータでサポートエンジニアリングチームの責任者をしています。サポートエンジニアリングチームは幅広い業務を担当しており、お客様に対して Treasure Data CDP の活用方法や技術サポートを行ったり、プロダクトチームと連携して品質や機能の改善を行ったりなど、社内外に対しての Treasure Data CDP の理解を深めるための業務などを行っています。
今回の製品ドキュメントページの多言語化は Treasure Data CDP の理解を深めるための取り組みの一環でした。
弊社が提供している Treasure Data CDP の活用方法の変化やターゲットが拡充したことにより、英語で展開していた製品ドキュメントページに不便を感じるお客様が増えたのではないかと思い、お客様にとってより使いやすい製品となるための取り組みとして、多言語化を行いました。
活用方法やターゲットの変化が多言語化のきっかけ
髙橋:
Treasure Data CDP を提供しはじめた当初はアメリカを中心のマーケットに展開し、主なターゲットはエンジニアの方でした。ですがビジネスを展開していく中で、非英語圏を含む多くの企業に導入していただくことも増えてきて、製品の在り方も変化していきました。
利用者はエンジニアからマーケターへ、利用目的もマーケティングや広告配信、あらゆるデータの分析やレポーティングまでに変遷してきました。
もともと英語を共通言語として使用するエンジニアだと、製品ドキュメントページは英語のみで展開していても大きな問題はありませんでしたが、活用方法とターゲットの変化により、機能アップデートなどの最新情報を届けるためにも多言語化は必須でした。同時にお客様からの要望も多数あがってきていた時期でもありました。
Treasure Data CDP は、今では約400社以上のリーディングカンパニーに導入されていて、英語圏を除くと、日本企業、韓国企業に多く導入されています。ターゲットがマーケターに変遷していく中で、日本と韓国での普段のビジネスで英語を使い慣れていないユーザーも多くなっていきました。そういったお客様のためにまずは日本語と韓国語で展開することにしました。
エンジニアのリソースを翻訳に使いたくなかった
伊藤:
製品ドキュメントページを作成して公開するまでに、3つのチームとロールが跨いでいます。
基本的には、開発チーム(Dev)が機能開発の際に技術仕様書を作成し、その情報をもとにプロダクトオーナー(PO)が公開用にサマリを作成します。それをドキュメンテーションチーム(Doc)がユーザー向けに正式ドキュメント化し、英語で情報を公開します。お客様からのフィードバックがある際、修正が必要な場合はカスタマーサポートチーム(CS)が都度確認し修正しています。最終的に、WOVN.io を通じて英語で公開された情報を自動的に日本語と韓国語で展開しています。
製品ドキュメントページを公開するまでには各チームが内容を確認していくのですが、実は多言語化専属チームは存在しません。エンジニアには日↔️英、韓↔️英を話せるメンバーも多数在籍していますが、やはりエンジニアには開発に集中してもらいたいと思っていましたので、WOVN.io を導入することでエンジニアのリソースを翻訳のために割かなくてよい、というのが一番ありがたいです。
製品ドキュメントは現在約2,000ページ存在していて、月に約100ページが日本語と韓国語で更新されていますが、多言語化のために新しく投入したリソースはなく、運用のための人的リソースもほぼかけていません。
機械翻訳中心でもルールを決めて運用することで、PV 数/UU 数は約20% 増加
伊藤:
自動的に機械翻訳をかけて随時多言語で情報を公開するにあたり、いくつか注意事項を決めています。
1.ポップアップで「機械翻訳」ということを注意喚起する
こうすることで、製品ドキュメントページを読む顧客の期待値を下げ、クレームを防ぐことができます。
2.品質の許容レベルを決める
すべての文章をチェックできるわけではないので、「間違えてはいけない」ところを中心的に確認するようにしています。製品ドキュメントページの情報は正確性も大事ですが、素早く情報を届けることも大事なんですよね。
3.翻訳除外箇所を設定する
WOVN.io の機能の中には「翻訳してはいけない用語を設定する」機能があるので、その機能を有効活用しています。製品ドキュメントページにはプログラミング用語などがコードで書かれていたりするので、そういった機能があるのはありがたいですね。
その結果、多言語化してから日本語での PV 数、UU 数はともに約20%増加しました。
髙橋:
お客様の中では「機械翻訳だと思わなかった」「自分たちも機械翻訳を入れようと思っているけどアドバイスがほしい」などのお話をいただくこともありました。弊社が大事にしている情報は死守しつつ、機械翻訳を有効活用できたからお客様の満足に繋げることができたと思っています。
お客様もそうですが、お客様に満足いただけることで、お客様との一番近いカスタマーサポートチームもとても喜んでいます。私もとてもうれしいです(笑)。
専属チームの手厚いサポートのおかげで、導入後の運用もスムーズに
髙橋:
WOVN.io を導入していなかったら、恐らく PV 数の多い記事に一部限定して人力で翻訳し公開していたか、多言語化はしないという結論になっていたかと思います。
伊藤:
WOVN.io を導入してよかったと思うのは、WOVN さんの専属サポート体制にもあります。
導入前から何度も打合せを重ねて要望を伝えることができ、そのおかげで導入後の運用もスムーズに行うことができています。
導入前から導入後のサポートまで、専属のチームに技術的にサポートいただけるのは、ほかにはないと思うんですよね。
より多くの企業にもっとトレジャーデータを活用していただけるように
髙橋:
製品ドキュメントページは様々なお客様に活用していただいていますが、さらに Treasure Data CDP を活用していただくために、これからも進化していければなと思っています。今は Treasure Data CDP のことを理解しているお客様に主に活用いただいていますが、これからは Treasure Data CDP のことを知らないお客様がみてもわかりやすいように、かつ製品ドキュメントページ自体がお客様にデータの活用方法を提案できるように進化していければなと。
Treasure Data CDP はマーケターを中心に使われるようになったとお伝えしましたが、今後はさらに多方面に使用される製品にしていきたいですね。
マーケターが使用する製品というものではなく、企業にとっての重要な「データ基盤」として。様々なコミュニケーションツールに使用していただきたいです。
伊藤:
たくさんの企業にご利用いただくことで、日本語、韓国語以外の要望があればもちろん検討したいと思っています。そのときも、サポートよろしくお願いします。
(取材日:2021年6月)
■WOVN.io を導入いただいた Web サイト
製品ドキュメント
URL:https://docs.treasuredata.com/
※外部サイト へ移動します
トレジャーデータ株式会社
https://www.treasuredata.co.jp/
国:アメリカ、日本
業種:TMT
従業員規模:〜1000名
2011年に設⽴されたトレジャーデータは、市場の草創期より CDP を提供。トレジャーデータが提供する Treasure Data CDP はデジタルトランスフォーメーションの基盤であり、企業のデジタルトランスフォーメーションに必要な顧客理解、顧客体験の最適化をサポートする。2012年11⽉、事業開発および技術開発の拠点として、東京に⽇本法⼈であるトレジャーデータ株式会社を設⽴。⽇本市場での本格的な事業展開を開始し、現在では⽇本を起点としてアジア太平洋地域にビジネス領域を拡⼤。その他、カナダ、韓国、インド、イギリス、フランス、ドイツに拠点を置く。フォーチュン500やグローバル2000のエンタープライズ企業をはじめ、400社以上の顧客企業を有する。