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動画翻訳の注意点は?字幕をつけるときのポイントやメリットを解説

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佐藤菜摘

近年、ビジネスをグローバルに展開する上で、商品・サービス紹介や、会社紹介、マニュアルなどの動画翻訳が必要となるシーンが増えてきました。動画に字幕翻訳をつけるときには、なるべく端的な文章にしたり言葉の言い換えをしたりするなど、いくつかのポイントがあります。
また、視聴者にとって理解しやすい字幕をつけるためには、1つの文章を複数の字幕で分割表示しないことや、適切な位置で改行を入れることなどの注意点を知っておくことが大切です。それらを踏まえて、質の高い動画翻訳を行うことにより、顧客の理解度や満足度向上がさらに期待できるでしょう。

動画翻訳には、主に字幕をつける方法と吹き替えをする方法がありますが、この記事では動画に字幕をつける場合のポイントや注意点、さらにビジネスにおいて動画翻訳を行うメリットを解説します。

目次

 

動画翻訳で字幕をつけるときのポイント

動画翻訳は、書籍などの一般的なテキスト翻訳とは手法が異なります。ここではまず、動画翻訳で字幕をつけるときのポイントを解説します。

端的な文章にする

動画翻訳で字幕をつけるときのポイントのひとつは、端的な文章にすることです。動画の字幕は短い時間で次々と切り替わっていきますが、人が一度に見て理解できる文字数は限られています。そのため、表現を簡潔にして、できるだけ文字数を減らすことが大切です。

例えば、日本語の字幕の場合、「動画1秒あたりの文字数は4文字以内」にするのが一般的です。また、1つの字幕の表示時間は「最大6.5秒まで」が適切とされています。

ただし、ビジネス用の動画などで製品名やサービス名が長い場合は、動画1秒あたり5~6文字まで記載するケースも少なくありません。英語字幕の場合は、動画1秒あたりアルファベット12文字程度が目安とされています。

さらに、文字数とともに気をつけるべきなのは行数です。日本語の字幕翻訳では、表示させる字幕の「行数は2行までにすること」かつ「1行につき13文字前後であること」が一般的なルールです。
このように、文字数と行数を意識しながら端的な文章にすることで、視聴者にとって理解しやすい字幕となるでしょう。

補足説明や言葉の言い換えをする

動画翻訳で字幕をつけるときのポイントとして、補足説明や言葉の言い換えを行うことも挙げられます。
文化や慣習は国や地域によって異なるため、原語を直訳しただけでは、意味が伝わらない場合もあります。例えば、日本でしか知られていない固有名詞をそのまま訳しても、海外の視聴者にとっては理解できないでしょう。動画の字幕翻訳では、原語のニュアンスを変えないように注意しながら、「それがどのようなものか」という補足説明を入れたり、違う言葉に言い換えたりする必要があります。

非言語情報を活用する

非言語情報をうまく活用することも、動画翻訳で字幕をつける際のポイントです。動画の場合は、言葉だけではなく人物の動作や商品の形、音楽などからも、視聴者が内容を理解できます。字幕をつける際はそうした非言語の情報を活かすことで、説明的な言葉を省略でき、より簡潔な文章になります。

例えば、講師が「こちらの◯◯に関するデータを見てください」と言ってボードを指し示した場合、視聴者はどこを見るべきかが映像で理解できるため、字幕は「これを見てください」で十分です。こうした工夫をすれば、よりシンプルで読みやすい字幕になるでしょう。

動画翻訳で字幕をつけるときの注意点

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動画翻訳で字幕をつける場合は、視聴者が限られた時間で内容を理解できるように配慮する必要があります。ここからは、動画に翻訳字幕を追加するときの注意点を解説します。

1つの文章を複数の字幕に分割しないようにする

動画翻訳で字幕をつけるときの注意点として、1つの文章を複数の字幕に分割して表示しないようにすることが挙げられます。1つの文章が複数の字幕にまたがって続くと、視聴者が集中して読まなければ理解しにくくなるためです。文章はできるだけ1つの字幕で完結させることが大切です。最大でも3つまでに収めるようにしましょう。
また、1つの文章が長くなる場合は、短い文章に分ける工夫が必要となります。

文節を分断しないよう改行位置を調整する

字幕をつける際には、文節を分断しないように改行位置を調整することも重要です。意味のまとまりである文節の途中で改行すると、視聴者にとって文章がわかりにくくなる可能性があるためです。以下の例を参考に、改行位置を慎重に選ぶよう心掛けましょう。

<文節が分断される改行>
この製品の改良点
は次の2つです

<文節が分断されない改行>
この製品の改良点は
次の2つです

体言止めや助詞止めは使わない

動画翻訳で字幕を作成する際には、名詞や助詞で文章を終わらせないことも重要です。日本語の字幕において、名詞で終わる表現や「~へ」「~を」など助詞で終わる形は、視聴者が文の意味を直感的に理解しにくくなる可能性があります。視聴者にとってわかりやすい字幕を目指し、これらの表現を避けて文章を工夫するようにしましょう。

漢字やカタカナの羅列は避ける

漢字やカタカナを連続して使う表現は、動画の字幕翻訳では避けることが大切です。漢字やカタカナが続くと、視覚的に読みづらくなる場合があります。例えば、「百貨店新店舗建設候補地」という表現は、「デパート新店舗のオープン候補地」と書き換えたほうが理解しやすくなります。同様に、「ソシアルダンススクール」は「ソシアルダンスの教室」とすると、より自然に情報が伝わります。漢字、カタカナ、ひらがなをバランスよく組み合わせることで、読みやすい字幕を作成できます。

解釈のパターンが複数ある言葉を使用しない

動画翻訳で字幕を作成する際には、複数の解釈が可能な言葉を避けることも重要です。例えば、「素敵じゃない」という表現は、音声ではニュアンスが伝わる場合がありますが、字幕では「素敵ではない」と「素敵だ」のどちらにも解釈できる可能性があります。このような曖昧さを防ぐために、意味が明確に伝わる言葉を選ぶようにしましょう。

ビジネスにおいて動画翻訳が必要となるケース

最近では、動画コンテンツの字幕翻訳がビジネスのさまざまな場面で活用されるようになっています。

例えば、海外展開を目指す企業の製品やサービスを紹介する PR 動画では、ターゲットとなる国の顧客に特徴を正確に伝えるために字幕翻訳が必要です。また、日本企業で働く外国人社員が増加している背景から、社内トレーニング動画を多言語化することで、効率的な社員教育を実現するケースも少なくありません。さらに、訪日外国人向けに観光地や店舗を紹介する動画の翻訳も需要が高まっています。

このように用途は多岐にわたりますが、ビジネスで成果を上げるためには、正確で質の高い字幕翻訳が重要な役割を果たします。

ビジネスにおいて動画翻訳を行うメリット

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ビジネスにおいて活用されることが多くなった動画コンテンツに字幕翻訳をつけることは、企業においてどのような利点があるのでしょうか。ここからはビジネスにおいて動画翻訳を行うメリットを解説します。

グローバル展開に有効活用できる

ビジネスにおいて動画翻訳を行うメリットのひとつは、動画コンテンツをグローバルに活用できる点です。動画を多言語化することで、自然に世界市場をターゲットとした情報発信が可能になります。
特に、インターネットの普及により海外向け EC 事業に参入する企業が増えている現在、ターゲットとなる国の言語で字幕を付けることで、より多くの顧客にアプローチすることができます。これにより、売上の拡大が期待できるでしょう。

多様なユーザーにアプローチできる

多様なユーザーにアプローチできることも、ビジネスにおいて動画翻訳を行うメリットです。動画に字幕がつくことでアクセシビリティが向上し、例えば聴覚障がいのある人や高齢者など、より多くの人々が動画を視聴しやすくなる可能性が高まります。さらに、翻訳した字幕をつけることで、外国人ユーザーも動画の内容を理解することが可能です。企業にとっては、動画翻訳を通して、自社商品やサービスを利用するユーザー層の拡大が期待できます。

SEO 効果を高める

動画翻訳を取り入れることで、SEO 効果の向上も期待できます。検索エンジンで動画を上位表示させるためには、タイトルやリード文にターゲットとなるキーワードを含めることが有効です。さらに、翻訳された字幕はテキスト情報として検索エンジンに認識されるため、動画の SEO 効果を高める役割を果たします。これにより、より多くのユーザーに動画が見つけてもらいやすくなるでしょう。

高品質でスピーディーな動画翻訳なら「WOVN.video」がおすすめ

動画翻訳は、ビジネスに活用することでさまざまなメリットが期待できます。高品質かつスピーディーな動画翻訳を行うなら、多言語化ソリューション「WOVN.video」がおすすめです。「WOVN.video」は、管理画面上に動画ファイルをアップロードするだけで動画に字幕翻訳をつけられます。

動画のアップロードから、完成した翻訳の確認、字幕ファイルのダウンロードの3ステップが、すべて「WOVN.video」エディターでシームレスに完結します。実際に画面上で映像を見ながら字幕を修正できるため、運用も簡単です。
さらに「顧客ごとに学習する AI」によるスピーディーな自動翻訳に加え、ネイティブによる人力翻訳も選択できるので、「人の目チェック」によるローカライズにも対応した、質の高い字幕翻訳を実現します。ビジネスで動画翻訳が必要な場合は、「WOVN.video」をぜひご検討ください。

 

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