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字幕翻訳とは?質の高い字幕を作るコツやローカライズについて解説

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佐藤菜摘

ビジネスのグローバル展開が盛んになり、企業イベントや自社商品の PR、社内向けのトレーニングなどに使用する動画を多言語化する機会が増えてきました。それに伴い、字幕翻訳のニーズも高まっています。さまざまな言語圏の視聴者に対して、映像の内容を効果的に伝えるためには、字幕翻訳時にいくつかの工夫や配慮が必要です。
この記事では、字幕翻訳の基本ルールや質の高い翻訳を行うコツ、映像におけるローカライズについて解説します。

 

字幕翻訳とは、他の言語に訳したテキストを映像上に表示させる翻訳の手法

字幕翻訳とは、映像コンテンツの音声を他の言語に訳す映像翻訳の手法のひとつです。
そもそも映像翻訳には、音声を用いる「吹き替え翻訳」と「ボイスオーバー」、文字を用いる「字幕翻訳」の3種類があります。吹き替え翻訳は、元の音声を消して翻訳音声に吹き替える手法です。それに対して、ボイスオーバーは元の音声を小さく残したまま翻訳音声を重ねる手法です。一方、字幕翻訳とは、オリジナルの音声を映像に残したまま、画面上に翻訳した文字を表示させる手法を指します。

従来、字幕翻訳は映画やドラマなどでよく使われてきましたが、近年では企業のセミナー動画や PR 動画など、ビジネス分野でも幅広く活用されています。

字幕翻訳の基本ルール

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外国語のコンテンツを翻訳する場合、書籍などのようなテキスト翻訳は、読み手が自分のペースで読み進められます。原文の内容を忠実にわかりやすく伝えられることが重視されるため、文字数などの制限はないことが多いでしょう。
一方字幕翻訳は、動画や映像が切り替わるペースに合わせて短時間で内容を伝える必要があるため、文字数をはじめ、いくつかの制約があります。ここからは、字幕翻訳をする際の基本的なルールについて紹介します。

文字数

字幕翻訳では、文字数の基本ルールを知っておく必要があります。日本語の字幕の場合、「動画1秒あたりの文字数は4文字以内」とするのが一般的な目安です。また、字幕翻訳1画面の表示時間は「最大6.5秒まで」とされています。
これは、多くの人が映像の内容に集中しながら、無理なく読み取れる情報量を鑑みて設定されたものです。ただし、ビジネス用の映像などで製品名やサービス名が長い場合は、動画1秒あたり5~6文字までを目安とするケースもあります。
なお、英語字幕の場合は、動画1秒あたりアルファベット12文字程度が目安とされています。

行数

字幕翻訳をする際は、ひとつの画面に表示させる行数にも基本ルールがあります。日本語の字幕の場合、「1画面に表示させる字幕の行数は2行までにすること」かつ「1行につき13文字前後であること」が一般的な決まりとされています。

句読点

字幕翻訳では、原則として句読点を使わないこともルールです。読点「、」は半角スペース、句点「。」は全角スペースで表現するのが一般的です。通常のテキストであれば文章に句読点をつけると読みやすくなりますが、動画の場合はかえって読みにくくなることがあるためです。

訳注

字幕翻訳をする際は、基本的に訳注を使用しません。テキスト翻訳の場合、読者になじみのない用語には、必要に応じて訳注をつけることがあります。しかし、表示時間が限られている字幕翻訳では、訳注に気を取られて映像の重要な情報を見逃す可能性があるため、訳注は使いません。

質の高い字幕翻訳を行うコツ

原語の意味やニュアンスが正確に伝わり、なおかつ視聴者が理解しやすい字幕翻訳をつけるには、前述した基本ルールを守ることに加えて、いくつかのポイントがあります。質の高い字幕翻訳を行うためのコツをご紹介します。

表現を簡潔にする

質の高い字幕翻訳を行うコツのひとつは、表現を簡潔にすることです。人が一度に見て理解できる文字数は限られているため、字幕翻訳をする際は1文字でも文字を減らし、簡潔な表現を心掛けることが大切です。場合によっては主語や目的語を省略してシンプルにまとめるなど、視聴者がメッセージを正確に受け取れるように、言葉を取捨選択しましょう。

補足をする

質の高い字幕翻訳をするためには、必要に応じて補足を加えることも必要です。文化や習慣は国や地域によって異なるため、原語を直訳しただけでは、意味が伝わらないこともあります。例えば、日本でしか知られていない固有名詞や慣習などをそのまま直訳しても、海外では意味が通じません。字幕翻訳では、それがどのようなものかという補足説明を自然な形で入れる必要があります。

直訳を言い換える

質の高い字幕翻訳をするコツとして、直訳をそのまま採用するのではなく、それを言い換えることも挙げられます。直訳すると文字数や行数の制限をオーバーしたり、文化的に正しい意味が伝わらなかったりする場合は、原語のニュアンスを変えないように考慮しつつ、映像内の状況に合わせて言葉の言い換えを行うことが必要です。

言葉以外の情報を活かす

言葉以外の情報を活かすことも、質の高い字幕翻訳を行うためには重要です。字幕翻訳は、言葉だけではなく、映像(視覚)や音声(聴覚)から得られる情報も豊富にあります。人物の表情や動作、商品の形や色、BGM などの非言語メッセージで補完すれば、説明的な箇所を省略できます。

映像のローカライズに字幕翻訳は有効

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字幕翻訳を行うことは、映像をローカライズする際の有効な手段です。「ローカライズ」とは、直訳すると「地域化」「現地化」という意味で、自社ブランドの製品やサービスをターゲットとなる国や地域に合わせて最適化することを指します。

例えば、日本では常識的な習慣も対象国では宗教上の禁忌とされることもあります。また、現地の法律やビジネスの慣習も国によって異なるでしょう。そのため、ローカライズにおいては自国発の情報をストレートに翻訳するのではなく、現地の文化や慣習に配慮しながら翻訳字幕を行うことが重要です。その国の人々が受け入れやすい言葉に最適化することで、企業や商品のブランド認知、顧客満足度、売上にも大きく貢献することが期待できます。

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