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CTO・CPO が語る、広報担当者の悩みを解決する5つのポイント

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堀江 真里子

広報の仕事に悩みはつきものです。多すぎる社内外のステークホルダー、ステークホルダー同士の板挟み、突然の上司からの丸投げ…。ことグローバル企業においては、このような課題にグローバル規模で対処していかなければなりません。

2022年5月26日、当社は「グローバルサイト運営の落とし穴と回避策」というテーマでセミナーを開催しました。登壇者はハートコア 株式会社(以下「ハートコア」)の CTO 宮田 英一氏と Wovn Technologies株式会社(以下「WOVN」)の CPO 幾田 雅仁です。

グローバル規模での Web サイト企画・制作から運営までを支援してきたおふたりだからこそわかる、経営目線での社内外コミュニケーションのポイントをパネルディスカッション形式でお話しましたので、本記事ではその内容をみなさまにお届けします。


【登壇者】

宮田 英一
ハートコア株式会社 CTO
ハートコア株式会社の創業メンバー。同志社大学卒業後、ソフトウェア開発会社などに勤務し20年以上のソフトウェア開発経験を持つ。2009年、ハートコア株式会社に入社し、コンテンツマネジメントシステムの開発/販売に携わる。主に HeartCore CMS の400社以上の導入に関わるプリセールス活動と通算100回を超える体験セミナーによる啓蒙に従事し、現在最高技術責任者となる。

幾田 雅仁
Wovn Technologies株式会社 CPO/製品責任者

1997年から NIFTY-Serve や @nifty の開発に携わる。その後、株式会社ライブドアを経て、2007年 SBI 傘下の会社でクレジット決済システムの設計と開発を担当。2012年 株式会社gumi に入社。共通システム/ライブラリの開発、ソーシャルゲームの開発、社内外技術勉強会の講師などを担当。2016年 CTO に就任。2020年3月同社を退職後、Wovn Technologies株式会社に CPO としてジョイン。


【モデレーター】
佐藤 菜摘
Wovn Technologies株式会社 CEO’s Office
2009年広告代理店にて大手 CVS の担当営業として、販促物製作やブランディングプロジェクトに従事。2016年 Wovn Technologies株式会社に入社、CB(Communication and Branding)チームとして広報業務を担当。2021年より CEO’s Office として社内エンゲージメントやインターナルコミュニケーションを中心とした業務に従事。

 

佐藤(モデレーター):
宮田さん、幾田さん、まずは自己紹介をお願いします。

宮田(ハートコア):
私自身は IT 業界に携わって二十数年、現在はハートコアで CTO を務めており、IT の力で時間節約・省力化を進めるにはどうすればよいのかを日々考えながら開発をしています。自分を3つの数字で表現すると、「13」「500」「100」ですね。それぞれ、「ハートコアに入社して13年」「入社してから担当した顧客は500社」「開催した体験セミナーの数は100回」を意味しています。

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ハートコアは CMS、プロセスマイニング、RPA など様々なソリューションを扱う企業です。今年の2月には親会社の HeartCore Enterprises, Inc. が NASDAQ に上場しました。
そんな我々の経営理念は「私たちは幸せ屋です」。テクノロジーを通じて、製品を使ってくださる方々に幸せになっていただきたい、という思いが込められています。既に650社以上の企業様に製品をご導入いただいていますが、広報や経営企画など、Web サイトの運営に携わる方々と多くやりとりをしてきたので、本日ご参加くださっているみなさまのお悩みなどは理解できる部分もあると思っています。


幾田(WOVN):
Web サイトを多言語化する「WOVN.io」を開発する WOVN で、 CPO を務めています。これ以上の自己紹介・会社紹介は割愛させてもらいます(笑)。気になる方は「幾田雅仁」や「WOVN」で検索してみてください。

代わりに、ご参加いただいたみなさまにおみやげをお持ち帰りいただくため、物議を醸すようなテーマを考えてきました。それは「人の仕事を増やす AI/DX」です。なぜこのテーマにしたのかはセミナーの最後にお伝えしますので、ぜひお時間が許す限りみていってください。

プロダクトオーナーである自分と、視聴者様である広報担当者との関わりを考えてみたところ、名前が違うだけで実は同じ目的を持つ仕事なのではないか、との結論に至りました。どちらもなんらかの対象物(企業、組織、人物、思想、製品など)と世の中との関係性を構築する、あるいは世の中の反応を設計(仮説を作り検証)する仕事ですよね。本日は、同じ仕事をしている広報のみなさまに有益な情報をお届けできればと思っています。

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ポイント①:Web サイト運営の丸投げ・板挟みへの対処法

佐藤(モデレーター):
技術責任者の宮田さんとプロダクト開発者の幾田さん、そして広報の私と異色な組み合わせではありますが、幾田さんが言うように、通ずる部分も多いような気がします。そんなお二人に早速、広報あるあるの悩みへの対処法をお聞きしたいです。

Web サイト運営を担う広報担当者は多いですが、運営やリニューアルを丸投げされたり、社内外のステークホルダーが多すぎて板挟みになったりして疲弊してしまった経験がある人も少なくないと思います。こんなとき、どうしたらよいでしょうか?

幾田(WOVN):
なによりもまず着手してほしいのは、利害関係者や顧客のリストを作ることです。そして作成したリストに、それぞれが求めていること恐れていることの2点をメモしておくとよいです。そうすることで、目指すゴールを見失わずに着実にプロジェクトを進めていくことができるはずです。


宮田(ハートコア):
リスト上で、ステークホルダーの力関係をわかるようにしておくというのも大切ですよね。絶対に反映しなければならない要件を可視化できるので。


幾田(WOVN):
そうですね。社内も小さなマーケットですし、そこで現状を把握し、仮説を作り検証し、問題を解決できる力がないと、社外・世の中に影響を与える仕事をするのは難しい。だからこそ、まずは社内の状況整理からはじめるとよいと思います。


佐藤(モデレーター):
なるほど。そうやって整理してなんとかプロジェクトを進めていると、いつの間にか伝書鳩のような役割になってしまいストレスを感じる広報担当者も多いと思うのですが、実際のところどうでしょうか。


宮田(ハートコア):
我々はお客様が社内でプロジェクトを進める上では第三者の立場なので、まさにそのようなお悩みをお聞きすることは多いです。あっさりした全体像だけが描かれた原稿を渡され、なんとか形にしてもチェックの度に修正が入る。ようやくコンテンツとして完成しても、次は制作会社とのやりとりが発生して…。そのうえステークホルダーの力関係も気にしないといけない。

私としては、この問題を解決できるのが CMS だと思っていますし、CMS によって少しでもお客様の業務を改善・支援したいと思っています。


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ポイント②:悩みを解決するためのデジタル化?

佐藤(モデレーター):
CMS は、「本来広報としてやりたかったのはこれじゃないのに…」というストレスも解消してくれるんですね。そういったテクノロジーを活用しながら業務を効率化したい、と思うことも多いですが、デジタル化のコツってなんでしょうか?


幾田(WOVN):

今ある業務をそのまま自動化しようとしない、というのが重要だと思います。まずどんな業務があるのかリストアップし、それぞれにかかっている時間を計測し、不要なタスクを排除してみる。これらを終えてからはじめて自動化するのがセオリーではないでしょうか。


宮田(ハートコア):
私もそう思います。業務を可視化して無駄を排除し、属人性をなくすのはデジタル化を推進する上で絶対に必要なプロセスだと思いますね。

ただ、「業務を可視化する」ってシンプルに聞こえますが、いざやってみると意外と大変です。そこでハートコアでは、業務プロセスを可視化するツールも扱っています。業務の中には、エクセルを使う作業、メールを使う作業、システムを使う作業などさまざまなプロセスがありますが、それらを使用した足跡からデータを集めて可視化し、分析できるようにすることができます。


幾田(WOVN):
それは便利ですね。ちなみに、業務プロセスをまるっとレコーディングしてしまうこともできるんでしょうか?


宮田(ハートコア):
はい、レコーディングもできます。ツールを活用して可視化された業務と向き合うことで、不要な作業や省力化できる作業を見出し、デジタル化に向けた運用の設計を実現できるようになると思います。


幾田(WOVN):
そういったツールや、あるいは PowerPoint、あるいは紙とペンでもいいので、とにかく可視化してみてほしいです。まずは最もハードルの低い紙とペンからはじめてみるのがいいかもしれませんね。そうすることで進め方の経験が身につくので、いざツールを使うことになったときに上手に扱えると思います。

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ポイント③:グローバルサイト運用の鍵を握るステークホルダーとの関係構築

佐藤(モデレーター):
様々な情報を整理して、必要に応じてツールを使いながら業務を推進していくということですね。

次に気になるのが、ステークホルダーとの関係構築です。特にグローバル化が叫ばれる昨今、国内だけでなく海外のステークホルダーのことも考慮しなければならないケースが増えていますよね。宮田さんはそういう企業と向き合われたご経験も多いのではないですか?


宮田(ハートコア):
はい、そうですね。グローバル企業においては、たとえば売上高の高い拠点と低い拠点とで力関係が構築されてしまっていて、グローバルで Web サイトを統一したいのにうまく進められない、というご相談をいただくこともあります。あとは拠点ごとのデザインに対する考え方の違いによってプロジェクトが難航するケースもありますね。

印象的なお客様の事例として、ご契約いただいたあとの運用説明会を実施する最終段階で、海外拠点から「なんでこのツールなんだ!」と反対されてしまい、修羅場になったこともあります(笑)。


幾田(WOVN):
国内でも、Web サイトのディレクトリごとに担当部署が分かれていて調整するのが難しいというのはよくある話なので、海外拠点も関わってくるとなると統率をとるのが本当に大変ですよね。国ごとの法規制やルールも気にしないといけないですし。


宮田(ハートコア):
おっしゃるとおりです。私の考えとして、そういうときにはステークホルダーになりうる人をはじめからプロジェクトに巻き込んでおくことが大切だと思います。

たとえば Web サイトを構築するとき、広報が中心となってどんどん検討を進めたあとに「そういえばサーバーってどこに置くんだっけ?」とプロジェクトの後ろのフェーズで気づいて大慌てで対応するケースがあります。こういう問題は、最初から情報システム系の部門の人にメンバーとして入ってもらえていたら防げますよね。グローバルにプロジェクトを進めるときにも同じことがいえると思います。


幾田(WOVN):
そうですね。あとはブランディングの観点で、全世界で共通のメッセージを訴求するのか、国ごとに変えるのかなどの方針をすり合わせておくことも必要だと思います。


佐藤(モデレーター):
同じプロジェクトを進めるメンバーとして、ひとつの方向に向かって進めていく空気感を醸成することが重要ということですね。

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ポイント④:グローバルサイトの運用における注意点

佐藤(モデレーター):
海外のステークホルダーも含め、グローバルサイトを構築・運用する上で注意すべきポイントってなんだと思いますか?


宮田(ハートコア):
グローバルサイトでは多言語対応が必須ですので、「翻訳の強弱」についてステークホルダーと事前に認識を合わせておくことが必要だと思います。すべてを人力で翻訳しようとすると膨大な費用がかかるし、スピード感も失われてしまう。CMS を導入してせっかく運用が楽になったのに、今度は翻訳に時間がかかってしまっている、というお話を聞くこともあります。


幾田(WOVN):
手前味噌ですが(笑)、WOVN はそのような企業にピッタリのサービスを提供しています。機械翻訳と人力翻訳をうまく組み合わせて、バランスのとれたグローバルサイトの構築・運用を実現できるんですよ。

たとえばお金や災害に関する情報って、絶対に間違えてはいけない類のものですよね。こういう情報はしっかり人の手で翻訳するけれども、それ以外は機械翻訳でスピーディーに発信していく、というような使い分けが、WOVN のプラットフォーム上でできるのです。

機械翻訳は日々進化してはいるものの、「10時」という文言をみたときに、それが日本時間を指すのかシンガポール時間を指すのかは、まだ機械には判断できません。そうしたものを、人間と機械とでうまくコラボレーションして翻訳できるようにするのが WOVN なんです。


宮田(ハートコア):
ちなみにハートコアの CMS でも、コンテンツ公開時間のタイムゾーンを設定できるようになっています。同じ CMS でも、こういう機能があるかないかの差は大きいので、どちらを選ぶにせよ観点として押さえておいたほうがよいですね。


佐藤(モデレーター):
今お話いただいたような細かいポイントって、聞くと「たしかに」と思いますが、運用するまで気づかないポイントだったりしますよね。


幾田(WOVN):
まさにそうなんです。そこで、システム用語で「非機能要件」というものがありますが、これをはじめから準備しておくと抜け漏れがなくなります。

たとえば多言語対応でいうと、日本語の Web サイトを作り終わったあとに「そういえば将来的には多言語化も考えています」と制作会社に伝えた場合、数千万円、ときには数億円単位のコスト増につながることもあります。なので非機能要件として挙げておき、"将来多言語化するための箱"をつくっておく必要があるんです。このことを「グローバライゼーション」といいます。

ちなみに、またしても手前味噌ですが、WOVN なら非機能要件から多言語化を漏らしてしまっていた場合でも簡単に多言語化することができます。もしも今、漏らしていることに気づいた方がいましたらぜひご連絡ください(笑)。

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ポイント⑤:広報ネタに困ったときは?

佐藤(モデレーター):
広報が困ったとき、どのように問題を解決していけばよいかわかってきた気がします。最後に根本的な問題ですが、広報するネタに困ったときってどうすればよいと思いますか?
冒頭で「広報とプロダクトオーナーは同じ仕事だ」と言っていた幾田さん、いかがでしょうか。


幾田(WOVN):
WOVN では現在、Amazon 発の「PR/FAQ」という取り組みにチャレンジしています。製品に関する新たなアイデアが生まれたとき、試しにそれを PR する場合の記事を書いて社内で展開してみる。そして社員の反応をうかがうことで、別のアイデアが生まれたり、会社に一体感が醸成されたりするのです。

広報のみなさまにとっては釈迦に説法かもしれませんが、ポイントは、記事内に「何を、誰に、どのくらい(効果の根拠)」の3つの要素を必ず加えることです。リリースする製品が何なのか、それは誰にとってメリットのある製品なのか、それを使うことでどれだけ品質やスピードが上がるのか、これらを具体的にイメージしておけるかどうかが、実際に開発された製品の完成度に大きく影響を与えると思っています。


佐藤(モデレーター):
なるほど。「世の中にとって有益なものを開発して広報するぞ!」と社員全員が広報視点をもっておくと、ネタの幅が広がっていきそうですし、製品もよりよくなっていきそうですね。そうして見つけたネタを記事化したとき、より多くの人に見てもらえるようにするにはどうしたらよいでしょうか?


宮田(ハートコア):
たとえばプレスリリースを Web サイトに掲載したとして、わざわざそれを見にくる人ってほんのわずかですから、検索エンジンの力を借りることも重要ですね。

鍵になるのは主題に関連するキーワードをいかに使うかです。たとえば、 A について調べるときは B というキーワードと一緒に検索する人が多い、という場合、記事内で B について言及しておいた方が検索のひっかかりやすくなるというアルゴリズムがありますので、関連するキーワードを認識しておくことが大切ですね。

当社のソリューションでもそうですが、CMS には主題に関連するキーワードを教えてくれる機能があるものもあります。ですから、せっかく書いた記事をより多くの人の目に届けるには CMS を活用してみると便利だと思います。


幾田(WOVN):

そういえば、以前宮田さんから聞いて驚きましたが、SNS で流行しているキーワードを教えてくれる機能もあるんですよね?


宮田(ハートコア):
はい、あります。CMS の機能を活用して読んでもらうためのテクニックを取り入れながら記事を改善することで、本当に伝えたい内容を、届けたい人に届けることができるようになると思います。



一人でも多くの広報担当者に「幸せ」を届けるために

佐藤(モデレーター):
広報業務に活かせるヒントをたくさんいただけた1時間だったと思います。おふたりともありがとうございました。最後に、本日ご参加いただいたみなさまへのメッセージをお願いできますでしょうか。


宮田(ハートコア):
私は常々、広報のみなさまのサイト運用が楽になれば、もっというと、DX 推進による働き方改革の一助になれば、という思いで CMS を取り扱っています。

当社の CMS は、これまでご支援してきた650社を超える企業様からいただいたお声を地道に機能に反映し、ここまでやってきました。「幸せ屋」として、今後も少しでも多くの広報ご担当者様に幸せをお届けできればと思っています。本日はありがとうございました。


幾田(WOVN):
冒頭で「人の仕事を増やす AI/DX」というテーマをご紹介しました。これは「深く考えずに AI を活用したり DX を推進したりしようとすると仕事が増える」という意味に捉えることもできますが、私がお伝えしたかったのは「AI や DX で無駄な作業を減らせると、本当に価値のある、世の中にインパクトを与えられる仕事にたくさんの時間を費やすことができるようになる」ということでした。みなさまに、少しでも有意義な情報をお伝えできていたら嬉しいです。ありがとうございました。

 

ソリューションのご紹介

HeartCore CMS について

HeartCore CMS は、Web サイトの管理・運用に必要なすべての機能を提供する CMS です。

お問い合わせはこちら:https://www.heartcore.co.jp/contact/index.html

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WOVN.io suite について

WOVN.io suite は、Web サイト・アプリを全自動で多言語化するソリューションです。

お問い合わせはこちら:
https://mx.wovn.io/contact

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