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効果の出る Web サイトリニューアル方法|手順やポイントを詳しく紹介!
北野 光平
「デザインが一昔前のものだから」「コンテンツマーケティングに役立つ Web サイトに作り直そう」など考え、Web サイトリニューアルを検討する企業は多いです。しかし明確な目的がない状態で Web サイトをリニューアルしてしまうと、あまり効果の出ないものになってしまう恐れがあります。本記事では Web サイトのリニューアルに関して、成果が出る手順や気をつけるべきポイント、リニューアル後に行うことなどを紹介します。
※本稿で言及する Web サイトとは、主にコーポレートサイトや EC サイトを指します。
目次 |
Web サイトのリニューアルとは?
Web サイトのリニューアルとは、全ページの構成、コンテンツ・デザインやシステム面(CMS やサーバー環境)を変更することを指します。見た目や Web サイトの骨組みを変えることで、ユーザーの利便性向上・ブランドイメージの刷新などを目指せる点がメリットです。
更新や改修はその一部を変更する作業である点で、リニューアルと異なります。目的に合わせてリニューアルすることで要件が変わるため、目的を明確にしておく必要があります。たとえばブランディングを強化する目的や、Web サイトへの集客を強化する目的などがあるでしょう。
Web サイトをリニューアルするタイミング
Web サイトリニューアルをするタイミングは闇雲に実施すればよいというものではありません。まずは主なサイトリニューアルを行うタイミングを紹介します。
デザインが時代や自社にマッチしていない
流行を追いかける必要はありませんが、デザインもその時代の流行があり、ユーザーの好みや嗜好もどんどん変化していきます。デザインが古ければ、サイト全体も古いものとみなされるかもしれません。
また、現状の Web サイトのデザインが、自社の打ち出したいブランドイメージとあっているかという点も重要です。Web サイトだけでブランディングが実現できるものでないですが、ブランドの魅力や世界観、ビジョンを外部に伝え、ブランドイメージを確立するために必要です。自社ブランドのメッセージを適切に届けられるように、Web デザインをブランドに合わせて刷新するとよいでしょう。
機能が古くなった
長期間リニューアルを行っていないと、PC やスマートフォンやタブレットの新しいバージョンのブラウザーで、Web サイト見るとデザイン・レイアウトが崩れることも考えられます。Web サイトが機能しなくなるということもあるため、Web サイトを見直すきっかけになるでしょう。
Web サイトは継続的に更新していくものです。そのため、更新作業や管理する作業がしにくくなっている場合は、更新や管理の方針を改めて考え直す機会として Web サイトリニューアルを検討するとよいでしょう。
Web サイトの情報が煩雑している、欲しい情報にたどりつけない
Web サイトを運用していると、掲載情報や内部リンクが多くなりコンテンツの構成が複雑になっている場合があります。Web サイト上で情報が整理されていないと、ユーザーが求めている情報にたどり着くことができず、離脱につながってしまうことも考えられます。
普段 Web サイトの運用にかかわっている方にはイメージしづらいかもしれませんが、初めて Web サイトを訪問したユーザーの気持ちになって、Web サイトを訪問して閲覧しにくいと感じたら、構成が複雑になっている可能性があります。こういったことを感じた場合は、Web サイトのリニューアルを検討してみてください。
Web サイトで成果を出すためのリニューアル手順
Web サイトで成果を出すためのリニューアル手順は、以下の通りです。
- 明確な目的を設定する
- サイトマップやカテゴリ設計など要件定義を行う
- ワイヤーフレームの作成
- Web デザイン・コンテンツ制作を行う
- コーディング・サーバー環境設定を行い、リリースを行う
明確な目的を設定する
サイトリニューアルにおいては、明確な目的を設定することが重要です。
目的がなければただデザインをリニューアルしただけで、効果のないものとなってしまいます。最適なプロセスで効果を発揮するためには、目的設定が重要です。明確に目標を設定しなければ、効果測定が実施できないため注意が必要です。
サイトマップやカテゴリ設計などを行う
目的を明確にした後は、サーバー環境設定・ドメイン・セキュリティ・サイトマップ・サイト設計等を確定させる必要があります。大枠を先に決めなければ計画がうまく進まず、目的に応じたリニューアルが難しいためです。
ワイヤーフレームの作成
必要なカテゴリ、サイトマップやページ数、各ページの目的が確定した後は、ワイヤーフレームの設計を行います。Web サイト制作におけるワイヤーフレームとは、Web サイト制作をする上での設計図です。Web サイトのレイアウトをシンプルな線や枠で表現し、どの情報をどこにどのように設置するといった情報を整理して記載します。このワイヤーフレームを作っておくことで、無駄なやり直し作業を減らし、トラブルを防ぐことができるでしょう。
Web デザイン・コンテンツ制作を行う
サイトデザインを決定することや必要なコンテンツを用意するステップになります。具体的な写真や画像イメージ、サイトに合ったフォントなど、実際のリニューアル後の Web サイトデザインを作り、デザインを確定します。ユーザーの体験を加味して使いやすい Web サイトにしましょう。専門的な知識や技術が求められるため、社内のデザイナーやエンジニアあるいは、外部の制作会社に依頼するケースが多いです。
またデザイン制作と並行して、リニューアルにあたっての必要となるコンテンツの制作も行っていきます。新たに必要になるテキストやコンテンツのためのライティングやデザインが変わることで、既存コンテンツの変更を行います。
コーディング・サーバー環境設定を行い、リリースを行う
デザインが完成したら、コーディング・サーバー環境設定の作業を行います。コーディング・サーバー環境設定は、HTML や CSS、JavaScript などの知識や、サーバー関連の知識が必要になる作業です。
そのため、社内のデザイナーやエンジニア、外部の制作会社と連携するケースが多くなります。コーディングにはソースコードを書いたり、バグをチェックしたり、テスト環境で実際の動作確認などもあるため、ある程度の期間が必要となります。レビューを行いながら問題がなければ公開のスケジュールを設定しましょう。
Web サイトをリニューアルした後のポイント
Web サイトをリニューアルした後に、確認すべきポイントがあります。検索順位やアクセス数などを低下させないためにも、しっかりチェックしましょう。
効果測定を実施する
実際に公開した Web サイトを数か月程度運用し、効果がどのくらい得られているのかを確認しましょう。これまでと比較してアクセス数が増えているのか、逆に悪化した数値がないかなどを分析します。とくにアクセス数が減少している場合は、原因がなにか特定することが必要です。
サイトリニューアルについて外部に発信する
サイトリニューアルを行った後に SNS やプレスリリースなどで配信することで、より多くの人に周知できるようになります。どのような理由でリニューアルに至ったか、今後のサイト運営に関してなどを配信すれば効果を得やすいです。SNS の場合は、プレスリリースの内容などを主要 SNS(Twitter、Facebook、Instagram)などで拡散することも重要になります。リニューアル後のサイトを多くのユーザーに利用してもらうためにも、情報発信を積極的に行いましょう。
運用と継続的な改善を繰り返す
Web サイトリニューアル公開はゴールではありません。Web サイトリニューアルは非常に工数のかかる作業であるため、いつの間にか公開することが目的になってしまうことがあります。
Web サイトは常に運用し、改善を繰り返していくことが必要です。そのために、継続的にコンテンツを追加したり、サイト内の UI・UX を改善し効果を高めていくために、どのような対応が必要なのか検討してみてください。迷ったときは、当初立てた目的を振り返るようにしましょう。
Web サイトのリニューアルにかかる費用
Web サイトリニューアルに必要な費用は、現在の Web サイトの規模やリニューアル後の方向性、依頼する作業、依頼する外部の制作会社などさまざま要素によって費用設定が変動します。そのために、明確にどの程度の金額が発生するかは断言することはできませんが、Web サイトリニューアルにおける変更箇所が多いほど、費用が高くなるでしょう。一般的には、企業理念や企業のサービスなどの情報を公開する Web サイトよりも、様々な機能を必要とする EC サイトの方が高くなります。
また、依頼する先によっても費用は変わります。依頼先としては、個人事業主やフリーランス、中小規模の制作会社、大手の制作会社などです。個人事業主やフリーランス、小規模の制作会社依頼する場合は、費用を抑えることができます。しかし個人や会社によってスキルや知識にばらつきがあることや少人数で作業を行っているため、大規模な Web サイトのリニューアルには対応することが難しいなどあるでしょう。中規模以上の制作会社は、経験や知識が豊富なため、事前のコンサルティングから運用・サポートまで手厚くなる傾向があります。中には業界やジャンルに特化した制作会社もあり、自社の課題に的確なアドバイスをくれる制作会社もあるでしょう。
自分たちの Web サイトリニューアルの目的にあった最適な制作会社を見つけるためにも、複数の制作会社から見積とることをおすすめします。
Web サイトリニューアルで気をつけるべきポイント
Web サイトリニューアルで気を付けるポイントについて、いくつか解説します。
目的を明確にし、Web サイトのリニューアルを行う
前述したように、目標が明確でなければリニューアルを行う意味がありません。単純にカッコいいデザインの Web サイトを目指して作成するだけでは、かえって効果が半減することもあります。
また改善後に目的を見失わないよう文書化するなど、後ほどフィードバックがしやすい状態を目指すことが必要です。「現代風のおしゃれなデザイン」というざっくりとしたイメージで、Web サイトをリニューアルするのはおすすめできません。
ユーザー視点を忘れない
ユーザーに見せたい情報ではなく、ユーザーが見たいであろう情報を、見やすいように掲載しましょう。ユーザーは、「商品・サービスで得られる体験や課題が解決されることで、こんないいことがある」といったことを知りたいと考えています。
実際に Web サイトを利用するのはユーザーであるため、ユーザーの視点に立って情報をわかりやすく提供することを心がけましょう。加えて、ユーザが Web サイト上で迷わないことも重要です。「ユーザに取ってほしいアクション」に最短でたどり着いてもらえるようにしましょう。どういう Web サイトにすればその情報にたどり着きやすいかを意識することが必要です。
セキュリティにも気を配る
購買データや個人情報など、Web サイトが扱う情報が以前よりも重要で価値の高いものになったことにより、外部から狙われやすくなっています。一度事故が起きたときの損害は、マーケティングやブランディングで今後得られる利益にも大きな影響を与える懸念があります。そのため、セキュリティにも注意したサイト設計となるよう注意しましょう。
リニューアルの際はグローバル化も意識しておく
今や日本人だけでは、国家や企業が成り立たない時代になりました。外国人対応の基盤作りが弱かった日本においても、企業が消費者・取引先・従業員・投資家といった、多様な外国人ステークホルダーに対応できることが求められています。ビジネス機会拡大はもちろんのこと、ESG 対応や社会インフラ強化の一貫として、企業が Web サイト等の情報発信を多言語で行うことの要請が高まっています。そのため、今のうちからグローバル化・多言語化の検討をするとよいでしょう。
まとめ
この記事では Web サイトのリニューアル手順や重要なポイントなどについて解説しました。とくに重要なことは、Web サイトをリニューアルする目的をしっかり定めることです。
また、Web サイトリニューアルは、公開して終了というわけではありません。そこから継続的に運用・改善を行い、効果を高めていくことが必要です。これから Web サイトのリニューアルを検討している方は、今回紹介したポイントを意識して取り組んでみてください。
北野 光平
新卒で、国内大手IT企業に入社し、事業企画として新規サービスのPMO、業務改善・事業戦略構築を担当。 2021年に WOVN に入社しCustomer Success として WOVN.io の導入を多数経験。現在は、Marketing Section Headとしてマーケティング戦略・業務全般に従事。