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アプリリニューアルの進め方と成功のポイントを解説

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佐藤菜摘

アプリの運営を始めてから時間が経つと、デザインが古くなったり、必要な機能が不足したりして、アプリのリニューアルが必要になることがあります。ユーザー体験の向上や、市場における競争力強化を目指すためには適切なタイミングでのリニューアルが欠かせません。また、海外ユーザーや在留外国人、訪日観光客向けに市場を拡大するため、既存のアプリを多言語化するケースも増えています。アプリのリニューアルは、目的を明確にした上で、計画的に進めることが大切です。

本記事では、アプリリニューアルが必要になるケースやリニューアルの流れ、成功させるポイントの他、アプリを多言語化するときに大切なポイントについても解説します。

目次

アプリをリニューアルするのはどんなとき?

アプリリニューアルの目的は、売上やサービス提供範囲の拡大、Web アクセシビリティの改善によるリテンション向上などです。それらの目的を達成するためにアプリに新しい機能を搭載したいときや、ユーザビリティを改善したいとき、市場変化に対応したいときなどに、アプリリニューアルが必要になります。それぞれのケースについて、具体的に見ていきましょう。

新しい機能を搭載したい

アプリリニューアルを行うケースとして多いのは、新しい機能が必要になったときです。開発時には技術的な制約により実装できなかった、または不要だった機能でも、ユーザーの期待や市場ニーズの変化により、追加や拡充が求められることがあります。
追加機能の例はさまざまで、EC アプリならプッシュ通知機能や AR (拡張現実)による試着機能、コミュニケーションアプリなら動画送信や録音機能などが挙げられます。

ユーザビリティを改善したい

「デザインが複雑でわかりづらい」「表示速度が遅い」など、ユーザーの操作性や利便性が十分でないと、離脱や満足度低下の原因につながりかねません。特に、ユーザーから不満や不具合が報告されている場合は、早急に対応する必要があるでしょう。また、言語対応やウェブアクセシビリティ対応が不足していると、サービスが一部のユーザーに届かないリスクもあります。
ユーザビリティの問題点は、開発当初やリリース前後にはなかなか把握しにくいものです。アプリの効果測定を行う中で挙がった改善点に対しては、迅速かつ適切に対応することが大切です。

市場変化に対応したい

市場での競争力を維持するためには、新しいトレンドや技術への対応が重要です。例えば近年では、AI や AR といった新しい技術を活用した機能が増えています。最新の UI/UX デザインのトレンドを反映することで、競合との差別化を図れるでしょう。
アプリ市場は常に変化しており、新しいトレンドや技術が次々と生まれています。定期的にトレンドをチェックし、リニューアルの必要性を判断する必要があります。

新しいユーザー層にアプローチしたい

海外展開を視野に入れるなら、アプリのグローバル化は不可欠です。海外市場に対応するためには、現地の言語や文化に合わせたインターフェース、コンテンツのローカライズ、決済手段の多様化などが必要になります。
また、訪日観光客や在留外国人をターゲットとする場合は、多言語化はもちろん、観光情報の拡充やナビゲーション機能の強化なども求められるでしょう。アプリのユーザーインターフェースや機能を再設計し、より様々な国の方からのニーズに対応できるようなリニューアルが必要になります。

戦略や体制が変更になった

戦略や体制の変更により、アプリリニューアルが必要になる場合もあります。例えば、カスタマーサポートを強化することになった場合、チャットボットを追加したり、セキュリティ強化のために多要素認証を導入したりするなどのリニューアルが必要になるでしょう。
また、運用保守を外部委託していたアプリを内部運営に切り替えた、運用メンバーに異動や退職といった変化があったような場合、管理体制や運営フローの見直しが必要になるかもしれません。それに合わせて、運用しやすくするためにアプリリニューアルを行うケースもあります。

アプリリニューアルの流れ

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アプリリニューアルは、主に以下のような流れで行います。スケジュールやかけられる予算、リソースによっても異なるため、一般的な流れと考えてください。

現状把握と課題分析

アプリリニューアルの第一歩は、現在の利用状況やパフォーマンスを定量的に把握することです。現状の利用者数や売上、KPI などのデータを分析し、目標との差異を明確にして重点的に改善すべき課題を特定しましょう。
ユーザーの声を収集・分析し、数値では見えにくい課題を把握することも重要です。短期的な課題解決だけでなく、中長期的に予想される課題も洗い出して計画に反映させることで、継続的な価値向上を目指せます。

リニューアルの計画

リニューアルの目的を明確にしたら、アプリに追加すべき機能や改善点を具体化していきます。それを明文化して企画にまとめ、開発会社に共有して要件定義を行いましょう。
要件定義にあたっては、ユーザー向けの UI/UX を含む外部設計と、開発者視点の内部設計の両方が必要です。また、アプリと Web の連携範囲についても、後から手直しが発生しないように慎重に検討する必要があります。

開発

設計が決まったら開発段階に移ります。iOS、Android、React Native などの OS から目的に沿ったものを選定し、Web view など Web サイトとの連携についても調整します。リリース前には各機能の検証や動作テストを行うなど、入念な確認作業が必要です。最近では、アプリ開発に特化した CMS なども登場しているので、自社の要件に合ったツールを上手に活用するとよいでしょう。

告知

開発が終了したら、リリースに向けて告知します。リニューアル後のアプリをスムーズに利用してもらうために、リニューアルの内容をわかりやすくまとめて告知しましょう。
特に、既存ユーザーが移行操作を必要とする場合には、具体的な手順を丁寧に説明することが重要です。プッシュ通知やメール、SNS など複数のチャネルを活用し、対象ユーザーに確実に情報を届ける工夫を行いましょう。併せて、新規ユーザーを惹きつけるためのプロモーションも検討します。

リリース

アプリのリリースはゴールではなく、新たなスタートです。これまでの開発・テストで確認した内容をもとに、しっかりと運用体制を整えておきましょう。また、リリース直後は不具合が発生しやすいため、モニタリングを強化し、必要に応じて迅速に修正対応できるよう、準備しておくことも大切です。

アプリリニューアル成功のポイント

せっかく労力をかけてアプリをリニューアルしても、効果が出なければ意味がありません。アプリリニューアルを成功させるためには、以下のポイントを意識するようにしましょう。

リニューアル目的の明確化

リニューアルの成功には、具体的で定量的な目標設定が欠かせません。「デザインをトレンドに合わせる」といった漠然とした目標ではなく、「離脱率を20%低下させる」「コンバージョン率を10%向上させる」など、明確な数値目標を定める必要があります。
目的を明確にすることでリニューアルの方向性が定まり、成果を測定する指標になります。また、目的を共有することで開発チーム全体の意識が統一され、効率的なプロジェクト進行が可能になるでしょう。

現アプリの運用を考慮した開発体制

アプリリニューアルは、現アプリの運用と並行して進みます。そのため、リニューアル中もユーザー体験を損なわないように、現アプリの運用を考慮した開発体制を構築することが重要です。
段階的に新機能を導入する、深夜帯のシステムメンテナンスを利用するなど、ユーザーへの影響を最小限に抑える方法を検討しましょう。どうしても一部機能を停止させなければならない場合は、事前に告知し、できるだけ短時間で完了できるような体制と計画を整える必要があります。

リニューアル範囲の明確化

アプリリニューアルにあたっては、当初計画した範囲を守ることが大切です。「せっかくだから」と追加要件を増やすと、作業や管理が複雑になり、コストや納期に影響を及ぼしてしまいます。
一方で、将来的な拡張を考慮し、必要な設計を事前に盛り込むことも大切です。最近では少子高齢化の影響もあり、市場拡大のために海外ユーザーや在留外国人、訪日観光客のニーズを意識した多言語対応などを要件に加える企業も増えています。

リニューアル前後の効果測定

リニューアルの成果を正確に評価するには、費用対効果を測定するための指標を設定しておく必要があります。登録者数、アクティブユーザー数、平均セッション時間、離脱率、コンバージョン率などを KPI として定め、リニューアル前後の推移を確認しましょう。
リリース後は継続的に効果測定を行い、得られたデータを次の改善に活用することで、さらなる成果向上が期待できます。

リニューアルのタイミングで外国人対応を行う際のポイント

0177_slide3_1200_630アプリリニューアルの目的が、グローバル展開や外国人ユーザーにとっての利便性向上である場合は、アプリの多言語化が必要です。アプリを多言語化する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

展開先や取り入れる言語の文化を考慮する

多言語化を進める際には、単に言語を翻訳するだけでなく、言語を取り巻く文化や慣習、法律などを十分に考慮する必要があります。現地の文化をふまえて適切に対応しないと、誤解から炎上につながる可能性があります。ジェンダーや宗教、禁忌に関連する表現にも気を配らなければなりません。

アプリ上の表示に注意する

同じ意味の言葉でも、言語によっては文字数が大きく異なります。漢字では1文字で表せる内容が、英語やフランス語では複数単語となり、表示スペースが足りなくなるかもしれません。また、アラビア語など右から左に読む言語は、文字の書字方向にも対応する必要があります。場合によっては、表示する言語に合わせて、レイアウトやフォントの調整が必要になるでしょう。

多言語化のコストに注意する

アプリの多言語化では、対象言語の種類や量によってコストが大きく変わります。対応する言語が増えるほど翻訳コストは増加し、文化的配慮や表示の最適化のために、デザイン変更のコストがかかる場合もあります。リニューアル時だけでなく、今後のアップデートにかかるコストも考慮して計画を立てることが大切です。

アプリリニューアルの際に多言語化を考えるなら「WOVN.app」がおすすめ

アプリリニューアルを行う理由は、企業によってさまざまです。マーケットの拡大やウェブアクセシビリティの維持・向上のためにアプリの多言語化を行うなら、アプリ多言語化ソリューション「WOVN.app」がおすすめです。現在、既存のアプリに SDK をインストールするだけでアプリの多言語化が可能なのは「WOVN.app」のみです。
「WOVN.app」なら、レイアウトの崩れも簡単に修正できる他、エンジニアでなくても直感的な操作で簡単・スムーズに多言語運用が可能です。よく使われる単語や固有名詞などは、あらかじめ用語集に登録しておくことで、生成 AI や機械翻訳を利用して自動的に公開できます。
さらに、「WOVN.app」は、すでにリリースしているアプリにも SDK(ソフトウェア開発キット)を組み込むことができ、多言語化に必要なシステム開発が不要になります。これにより、多言語サイト運用にかかるコストの圧縮、人的リソースの削減、導入期間の短縮を実現できます。
アプリを多言語化するなら、ぜひ「WOVN.app」をご検討ください。

 

 

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