公開日:

海外 SEO が難しい理由は?対策や成果を出すコツ、注意点を解説

Image of 佐藤菜摘
佐藤菜摘

海外に展開する企業が、サービスへの検索流入を増やし、リード獲得やコンバージョンにつなげるために、海外 SEO は不可欠です。しかし、海外 SEO では検索エンジンやユーザーの検索行動が国内とは異なるため、独自の対策が求められます。
本記事では、海外 SEO が難しい理由を踏まえた上で、具体的な対策や成果を出すコツ、注意点について解説します。

目次

海外 SEO とは、海外ユーザーに向けて Web サイトを最適化する取り組み

海外 SEO とは、海外市場のユーザーに向けて、Web サイトを検索エンジンに理解してもらえるよう最適化する施策のことです。Web サイトを Google などの検索結果の上位に表示させ、自社の商品やサービスの情報をより多くのユーザーに届けることを目的として行います。海外 SEO は、海外でブランドイメージや商品・サービスの認知度を高め、事業拡大の機会につなげるためにも非常に重要です。

一方、海外 SEO には国内 SEO とは異なる難しさもあります。国によって言語や文化、習慣、トレンドが異なり、ユーザーが求めるコンテンツにも違いがあるからです。また、国ごとに検索エンジンのシェアも異なるため、日本で主流の Google や Yahoo 向けの対策が通用しないことも珍しくありません。それぞれの国に応じた SEO が必要となるのです。

海外 SEO の基本については、「海外 SEO とは?対策の手順や意識すべきポイントなど網羅的に解説!」もご覧ください。

海外 SEO はなぜ難しい?

海外 SEO は、国内 SEO と比較して配慮すべき要素が多く、簡単ではありません。ここからは、海外 SEO が難しい理由を解説します。

競争が激しい

海外 SEO が難しい理由のひとつは、競争が激しいことです。海外市場は、国内市場に比べて規模が大きい分、競合サイトも多くなります。特に、英語のように話者が多い言語では、同じキーワードで上位表示を狙う企業が多いため、検索結果で上位に表示される難易度は上がります。

技術的な対策が必要となる

海外 SEO では、技術的な対策が不可欠です。例えば、Web サイトの表示速度を向上させるために、ターゲット国の現地サーバーを使用したり、ターゲット国に合わせたドメインを利用したりする必要があります。さらに、各国の検索エンジンの仕様やアルゴリズムの違いを理解した上で施策を講じる必要があるため、適切な知識とスキルが求められます。

言語と文化の違いを考慮する必要がある

海外 SEO では、ターゲット市場の言語と文化を理解した上でコンテンツを作ることが必要です。
例えば、同じ「携帯電話」を指す場合でも、アメリカ英語では「cell phone」、イギリス英語では「mobile phone」などと表現が異なります。また、国によって好まれるデザインもさまざまです。言語や文化の違いを踏まえ、ターゲット市場に適したキーワード選定やコンテンツ制作が重要となるのです。

海外 SEO で押さえておきたい主要な対策

0234_slide3_1200_630海外 SEO を行う際は、先に紹介した課題を踏まえて対策を講じなくてはいけません。ここからは、海外 SEO で必ず押さえておきたい、主要な対策を紹介します。

言語ごとに専用の URL を設ける

海外 SEO において Web サイトを多言語化する場合は、言語ごとに専用の URL を設定することが重要です。言語ごとに URL を設けることで、ユーザーが目的のページにアクセスしやすくなり、ユーザビリティが向上します。その結果、検索エンジンの評価にもプラスに働く可能性があります。個別の URL の主な設定方法は以下です。

・ドメインを国ごとに変える
国ごとに独立した Web サイトを構築する場合に適しています。

例: example.de(ドイツ)、example.fr(フランス)

・サブディレクトリで言語ごとに分ける
1つのドメインで多言語コンテンツを管理したい場合に適しています。

例:https://example.com/de/(ドイツ語)、https://example.com/fr/(フランス語)

・サブドメインで国や地域ごと、または言語ごとに分ける
国や地域ごとに分けたい場合や、言語ごとに Web サイトを分けたい場合に使えます。

例:https://de.example.com(ドイツ)、https://fr.example.com(フランス)、https://en.example.com/(英語または全世界向け)

国によって独自のドメインを設ける

海外 SEO では、対象国ごとに専用の ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)を取得することは、現地のユーザーや検索エンジンに対して、その Web サイトが特定の国向けであることを明確に示す手段のひとつです。例えば、日本の「.jp」、フランスの「.fr」、ドイツの「.de」などがこれに該当します。しかし、現在では ccTLD の影響力は限定的とされ、Web サイトの言語設定やコンテンツの質など、他の要因が SEO においてより重要視されているといわれます。

一方、gTLD(汎用トップレベルドメイン)である「.com」や「.net」などは、特定の国に依存しないため、グローバルな展開を目指す場合に適しています。Google などの検索エンジンは、ccTLD をその国向けのシグナルとして認識しますが、gTLD は特定の国に関連付けられません。そのため、hreflang タグの適切な設定やコンテンツのローカライズなどが、SEO においてより重要となります。

現地サーバーを利用する

海外 SEO では、上位表示を狙いたい国のサーバーを利用したほうが、表示スピードが速くなり、検索エンジンからの評価を高められる可能性があります。AWS(Amazon Web Services)など、多数のエリアで利用されているサーバーも、Web サイトの最適化に役立ちます。
日本のサーバーは海外からのアクセスに制限をかけている場合もあるため、海外 SEO を行う場合には注意しましょう。

ジオターゲティングを行う

ジオターゲティングも、海外 SEO において重要です。これはユーザーの位置情報を活用し、Web サイトのコンテンツや機能を最適化する手法です。地域ごとの法律や規制への対応、地域特性を考慮したコンテンツ制作など、さまざまな施策が含まれます。

HTML に lang 属性を使う

海外 SEO では、HTML に lang 属性を適切に設定することが重要です。HTML の lang 属性は、主にブラウザやスクリーンリーダーなどの補助技術に対し、Web ページの言語を示す重要な要素です。これにより、ユーザーエクスペリエンスとアクセシビリティが向上するでしょう。例えば、フランス語のページでは次のように設定します。

例:<html lang="fr">(フランス語)

ただし、検索エンジンに異なる言語バージョンのページを適切に関連付けるには、hreflang 属性を使用します。

例:<link rel="alternate" hreflang="fr" href="Web サイトのURL">

lang 属性は検索順位に直接影響しませんが、ユーザビリティ向上を通じて間接的に Web サイトの評価に良い影響を与える可能性があります。

被リンクを得る

信頼性の高い Web サイトからの被リンクがあると、検索エンジンに高く評価されるのは、海外 SEO も国内 SEO も同じです。そのため、対象国のニュースサイトなどから被リンクを集めることも重要になります。なお、日本の SEO と同じく、リンクを購入する行為は検索エンジンの規約違反となるので注意が必要です。

対象国に沿ったキーワード選定とサイト設計をする

海外 SEO では、ターゲットの国や地域に沿ったキーワード選定とサイト設計が必要です。国や地域が違えば、ユーザーのニーズや問い合わせに使われるワード、好まれる Web サイトのデザインも異なるためです。ターゲットとする国や地域でニーズのあるキーワードを選び、自社の商品やサービスを関連させてコンテンツを作成しましょう。Web サイトのデザインなども、ターゲットを考慮する必要があります。

スピードチェックを行う

海外 SEO においては、Web サイトの表示スピードも、検索エンジンの評価ポイントのひとつとなります。特に、快適なインターネット環境が普及していない地域では、表示速度の遅さがユーザー離脱の原因となる可能性があります。そのため、Google のPage Speed Insights などのツールを活用してスピードチェックを行い、自社サイトの表示速度を最適化しましょう。

海外 SEO の進め方

海外 SEO の進め方は、基本的に国内 SEO と同じですが、冒頭に紹介した海外 SEO ならではの課題に対処しながら進める必要があります。ここからは、海外 SEO の大まかな進め方を紹介します。

1. キーワードを選定する

海外のユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを調査し、自社の商品やサービスと関連性の高いキーワードを選びます。単なる翻訳ではなく、現地の検索ニーズを把握することが重要です。Google 広告のキーワードプランナーや Google Search Console などのツールを使うのがおすすめです。

2. 見出しを決定する

キーワードを検索するユーザーが求める情報の仮説を立て、それをもとに見出しを決めます。同じキーワードで検索結果の上位に表示されているコンテンツに含まれる見出しを押さえつつ、競合にはない独自の付加価値を提供できるような見出しを考えることが大切です。

3. 記事を作成する

記事の作り方には、「日本語サイトの記事の翻訳」「対象の言語による新規記事の作成」の2つの方法があります。翻訳を行う場合でも、海外のユーザーが違和感なく読めるよう、単なる直訳ではなくターゲット国の文化や言語のニュアンスに合わせたローカライズが不可欠です。

4. 効果を確認する

記事を公開した後は、検索順位やアクセス状況を定期的にチェックし、効果を測定します。公開から2~3ヵ月後を目安に、ターゲット国や地域における検索順位や訪問者数を確認し、記事のパフォーマンスを評価します。Google Search Console や Google Analytics を活用しながら、改善が必要かを判断しましょう。

5. リライトする

検索順位が期待を下回る場合は、記事を修正・加筆します。より具体的な情報の追加や検索意図に合った内容への修正、内部リンクの最適化など、記事の改善を重ねることで検索結果の順位向上につなげます。修正後も再び2~3ヵ月後に効果を測定し、満足のいく結果が出るまで改善を繰り返すことが大切です。

海外 SEO における注意点

海外 SEO を実施する際には、注意しておきたいポイントがあります。特に、コスト面や成果が出るまでの期間については、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。

国内の SEO よりもコストがかかりやすい

海外 SEO は、ローカライズや、ネイティブ人材に依頼するコストなどが加わる分、一般的に国内 SEO よりコストがかかります。予算を適切に管理することが重要となるため、事前のリサーチと計画的な投資が大切です。

短期的に結果が出るとは限らない

海外 SEO は、言語の翻訳やローカライズに加え、各検索エンジンのアルゴリズムや対象国特有の規制への対応など、多くの要素を考慮する必要があります。また競争相手も多いため、短期的に結果が出るわけではありません。目標達成には改善の繰り返しが不可欠であり、長期的な視点で取り組む必要があります。

海外 SEO で成果を出すコツ

0234_slide2_1200_630海外 SEO は簡単ではありませんが、適切な戦略を立て、地道に取り組むことで成果を上げている企業も多くあります。ここからは、海外 SEO で成果を出すコツを紹介します。

国内サイトとは別に戦略を立てる

海外 SEO では、国内 SEO において成功しているコンテンツをそのまま翻訳しても同じ成果は出ません。国内サイトとは別に戦略を立てる必要があります。国・地域ごとに、キーワードの選定やデザイン構築、コンテンツの作成を丁寧に行い、最適化していくことで結果につながります。

各国共通で活用できるコンテンツを選定して多言語化する

どの国においても共通して活用できるコンテンツを洗い出して多言語化することも、重要な戦略のひとつです。海外 SEO では、一定のコンテンツ量を確保することが重要です。しかし、すべてのコンテンツを国や拠点ごとに作成すると、膨大なリソースが必要となり、効率が悪くなります。
そのため、まずは日本の本社で作成した豊富なコンテンツを多言語化して、各国のサイトで展開し、情報の一貫性を保ちながら全体のコンテンツ量を増やしましょう。限られたリソースの中で、効率的にSEO の効果を高められます。

海外市場における自社の強みを打ち出す

海外市場への新規参入者である企業が競争に勝つには、競合他社にはない強みを打ち出さなければなりません。コンテンツづくりでは、検索結果上位の海外サイトが満たせていないニーズを見つけることが重要です。自社が提供できる価値を明確にして差別化を図ることで、海外市場においても存在感を高められます。

高精度の翻訳をする

海外 SEO で成果を出すためには、高精度の翻訳が欠かせません。自然な言語表現でユーザーのニーズを満たすコンテンツを作れば、Web サイトの信頼度が高まり、結果として検索エンジンからの評価にもつながります。
国内サイトのコンテンツを翻訳する際は、機械翻訳を活用する方法もありますが、利用するサービスによっては誤訳や不自然な表現が発生しやすいため注意しましょう。そのため海外 SEO においては、専用の多言語化・翻訳サービスを活用し、正確で違和感のないコンテンツを提供することが成功へのカギとなります。

海外 SEO で成果を出すなら多言語化ソリューション「WOVN.io」の活用を

海外 SEO は、国内とは異なる対策が必要となり難易度が高くなります。そのため、長期的な戦略に沿ったさまざまな施策が求められます。施策を確実に実行するには、目的に合ったツールを活用することが欠かせません。
Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io」は、高精度な多言語翻訳に加えて、海外 SEO に必要なタグの設定や言語ごとの独自 URL の発行にも対応しています。用語集を利用し、グローバルブランディングを意識した翻訳も可能です。導入に関しても、専任の日本人スペシャリストが導入から運用フローの構築までをサポートしてくれるので、安心して利用できます。海外 SEO に取り組む際は、ぜひ「WOVN.io」の導入をご検討ください。

 

 

53_inbound_digital_media_cta_1080x1080 C4-Website-Renewal-MEDIA-CTA-1080x1080 (1) media_cta_seminar_event_1080x1080