多言語サイトの作り方から構築時のポイントをわかりやすく解説

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WOVN.io Marketing Team

グローバル化が進み、商品やサービスの提供も国境を越えマーケットを拡大するためには、世界を視野に入れることがもはや当たり前となっています。また、日本国内だけの展開の場合も、日本に来る外国人をターゲットにする経営者も増えています。

そんな中、欠かせないのが Web サイトの多言語化です。本記事では多言語サイトがなぜ必要になるか、実際に構築していく際のポイントをご紹介していきます。

目次

  1. 多言語サイトはなぜ必要になるか
  2. 多言語サイトを作るとどんなメリットがあるのか
  3. 多言語サイトとはどういったサイトなのか?
  4. 多言語サイトの制作の全体フローを紹介
  5. 多言語サイト構築前フェーズにおけるポイント
  6. 制作フェーズにおけるポイント
  7. 翻訳・運用フェーズにおけるポイント
  8. 多言語サイトの事例紹介
  9. まとめ

多言語サイトはなぜ必要になるか

総務省の「令和元年版 情報通信白書のポイント※」によると近年の世界のインターネットの情報量は増加の一途をたどっています。テレビやビデオなどの映像データはもちろん、ラジオや音楽などの音声データや書籍などの文字データもインターネットを通じて提供されるようになってきいます。

そのことを考えると現代では情報伝達はほとんどが Web サイトなどのインターネットを通じて情報が伝えられることが主流となっています。また、インターネットを利用する日本語話者の割合は3%、その他の外国語話者が97%と言われ、日本語だけの情報発信では世界の97%に情報を届けることができません。

そのため、ビジネス分野においても企業が消費者・取引先・従業員・投資家といった多様な外国人ステークホルダーに対応できることが求められています。

※引用:総務省 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0 

多言語サイトを作るとどんなメリットがあるのか

外国人対応を可能にする多言語サイトの作成をすることでビジネス面で得られるメリットとしては大きく2つになります。

1つ目は外国人消費者の体験を高めて、製品・サービスを購入してもらえることです。海外市場や日本国内にいる外国人消費者という新しい市場に対して、ビジネスチャンスが生まれます。

2つ目は外国人従業員の体験価値を高めることで、サービスやパフォーマンスを高めることができることです。企業から従業員への情報発信や企業内ノウハウの共有は、日本語で読むことを強制するよりも外国人従業員の母国語での情報発信の方が従業員体験を高めることができます。

多言語サイトとはどういったサイトなのか?

開発工数削減
多言語サイトは読んで字のごとく、同一サイトや類似したサイトを複数の言語にしたサイトのことを指します。ただし、テキスト(文字)を翻訳し公開するような単純なものではありません。テキスト情報だけなくコンテンツ、ビジュアル、デザインといった情報をそれぞれの地域・言語・文化にあうように最適化していく必要があります。

多言語サイトの構築はあくまでも手段になり、目的はすべての外国人にとって快適にその地域で受け入れられ、よりよい体験ができるかどうかということが重要になります。

多言語サイトの制作の全体フローを紹介

ここからは多言語サイトの構築に重点をおいて解説していきます。まず多言語サイトの流れとしては大きく「企画フェーズ」「制作〜公開フェーズ」「サイト公開後フェーズ」の3つにわけることができます。さらに各フェーズごとに細分化されたプロセスにわけることができます。

 

多言語サイト構築前フェーズにおけるポイント

多言語サイトの構築前の企画フェーズにおける重要なポイントを解説していきます。

多言語化の目的などの要件定義を行う

Web サイトの構築で、よく失敗するパターンとして目的を定義しないまま始めてしまうということがあります。よくある失敗パターンを避けるべく、多言語サイト構築を始める際には、多言語化の目的や、優先する言語・ターゲット像などをあらかじめ定義します。「なぜ」「どの Web サイトに」などといった目的を文書化し、関係者で共有することをおすすめします。目的を明確にすることで、そこからやるべきことや取り組むべき課題もはっきりし、具体的な成果につながりやすくなります。

構築から公開までの体制・スケジュールの策定する

多言語サイトの構築にはコンテンツ担当、開発担当、翻訳担当など複数の担当者が携わります。社内外のリソースをアサインし役割分担・スケジュールを決めていきます。スケジュールで重要になるのは多言語化するサイトページの範囲、言語数によって各役割担当にどのような工程があるかを理解して運用までの期間を決めることが大切です。

制作フェーズにおけるポイント

制作フェーズには重要になるポイントがいくつも存在しています。そのポイントを紹介していきます。

多言語化をする方法を検討する

多言語サイトは公開して終わりではなく、継続的に維持運用する必要があります。運用フェーズの工数を想定したうえで最適な方法を選択する必要があります。

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1つ目は従来の方法となる言語数分の HTML ファイルを用いてシステム構築し、各言語ごとにカスタマイズをする方法があります。

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2つ目は外部の Web サイト多言語ツールを利用する方法になります。

それぞれにメリット・デメリットはあるものの、要件定義で決めた言語数や多言語サイト公開後のコンテンツの更新頻度によって最適な方法を選ぶことが重要になります。

 

 

多様な言語や地域に適合できるようにする国際化対応(i18n 対応)

国際化対応とは、言語ごとに開発・翻訳といった作業が発生するため、共通化プラットフォーム化してそういった作業負荷を減らしていくことを指します。国際化対応における注意すべき各を紹介していきます。

言語切替表示

01-01--SEO-800x470言語切替ボタンなどは外国人ユーザーに見つけてもらいやすい場所に設置しましょう。また、言語の選択肢に国旗を使うことは避けるべきです。国旗はあくまでも国を表すものであり、言語と同じものではありません。加えて、言語名を表示する時には、各言語の言葉で表示するほうが、その言語を使っている人が見つけやすくなります。例えば、日本語がメインのサイトにおいて、日本語で「英語」と表示するよりも、英語で「English」と表示したほうが分かりやすくなります。

 

レイアウト

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翻訳すると、元言語と比べて文字数が増減することを考慮したレイアウト設計をしましょう。日本語から英語やドイツ語への翻訳は、文字列が長くなりレイアウトが崩れるケースがあります。対応方法としては、予め充分なスペースを空けておくこと、コンテンツ幅が自動調整されるように設定する、言語ごとに文字サイズを設定するなどで対応していきます。

ユーザー入力欄

Web サイトの問合せフォームや、EC サイトの決済情報入力フォームにあるフリガナ入力欄にも注意が必要です。外国人ユーザーにとって「フリガナ」は何を指しているかわからないものになります。対応方法は外国語ページで、カナ/かな入力欄を任意にする、または非表示にするといった対応を推奨しています。

特定の言語や国・地域ごとによる地域化対応(l10n 対応)

地域化対応(ローカライゼーション)とは、特定の対象言語や国・地域ごとの表記ルールへの対応や現地の風土や文化に合わせた言い回しにした翻訳やレイアウトのことを指します。地域化対応(ローカライゼーション)に関しての詳細は「ローカライゼーション(ローカライズ)とは?」をご覧ください。この地域化対応(ローカライゼーション)にも注意点があるため、各ポイントを紹介していきます。

改行位置

言語によっては改行ルールを守らなければ意味が正しく通じないことがあります。言語としては、タイ語やベトナム語などが該当しています。対応方法は頻繁な改行を起こしにくいレイアウト設計をおこなうこと、サイト公開前にネイティブ翻訳者がブラウザで確認することで防ぐことができます。

書字方向

左から右に読む LTR 言語と右から左に読む RTL 言語があります。LTR 言語は日本語などになり、RTL 言語はアラビア語やペルシャ語などになっています。日本語などから RTL 言語を表示する際は、レイアウトも反転させる必要があります。

通貨・度量衡

対象言語・地域で使用されている単位に変換する必要があります。例えば EC サイトで表示する価格、商品サイズ、梱包サイズ、重量などになります。対象言語・地域で予め定めた単位変換ルールを策定することをおすすめします。

日付

他の国でも通じる日付の表記に統一します。年号(昭和、平成など)や漢字表記の曜日(月、火など)は、外国人ユーザーにとって理解できないものになるため避けるほうがよいでしょう。また、国により月日の記載順が逆であることに留意しましょう。

数字の桁区切り・小数点

価格などの数字の桁区切りや小数点は、国により「,」「.」「スペース」というように使い方が異なります。なるべく対象国ごとの表記方法に合わせましょう。もしくは元言語の表記方法で統一することを検討するとよいでしょう。

海外 SEO 対策の準備をする

対象言語での SEO 対策を行います。検索エンジンが Web サイトをインデックスする際、各言語の URL であるかを判別するために「hreflang 属性」や「lang 属性」で明示しましょう。また、実際にユーザーが検索した際にページのタイトルや概要が対象の言語で表示されるように「title タグ」「description タグ」の設定を行い翻訳してユーザーに何のサイトかがわかるようにしましょう。

例)
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://sample.com/"> →日本語サイト
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://sample.com/en/"> →英語サイト

翻訳・運用フェーズにおけるポイント

多言語サイトで必要となる翻訳におけるポイントと多言語サイト公開後のサイト運用におけるポイントを紹介しています。

自分たちに必要な翻訳品質と翻訳方法を決める

一部要件定義の部分と重複してしまいますが、多言語サイトの目的に応じて翻訳品質と翻訳方法を決めていきます。翻訳方法は「プリエディット」「機械翻訳」「ポストエディット」「人力翻訳」とあり、自分たちが求めている品質によって選択するとよいでしょう。また翻訳方法にはそれぞれ得意・不得意があるためそれを加味して選択することや掛け合わせて使うといった方法もあります。例えば、タイトルはニュアンスを保つため「人力翻訳」、商品説明は正確性が重要だが文字数が多いため「機械翻訳+ポストエディット」となります。

サイト公開後の翻訳運用体制を決める

多言語サイトを公開した後に重要になるのが、運用体制の構築です。頻繁にサイト更新がある場合、翻訳担当が認識するより前にサイトが更新される可能性があります。コンテンツの更新を検知する仕組みの検討が必要になります。また、新しいコンテンツが本番環境へ公開される前にどのタイミングで確認が必要になるかなど、コンテンツ担当者と翻訳担当者が連携し、コミュニケーションフローを整備することで翻訳の抜け漏れを防ぐことができます。

翻訳のガイドラインを決める

元言語や翻訳での社内用語・業界用語、慣習的な言い回しなどを定めたガイドラインを作成し、表記ゆれなどを起こさないように、翻訳担当者に共有します。多言語サイトでの対外的なブランディングや、表記ゆれ防止を通じた UX 向上のために必要です。

多言語サイトの事例紹介

ここまで、多言語サイトの構築のポイントを紹介してきましたが、実際の多言語サイトがどういったものになるかをいくつかみてきましょう。

一蘭

お客様に最高の味とサービスを提供するためのこだわりを続けるとんこつラーメンの「一蘭」。国内だけでなくアメリカ、台湾、香港にも店舗を構えるなど、「赤い秘伝のたれ」や「味集中カウンター」でお馴染みのそのスタイルは日本だけでなく海外にも多くファンがいます。

kv_株式会社一蘭

日本語で使われる縦書きのデザインでは英語に翻訳し表示すると読めなくなってしまいます。そのため、英語で表示する場合のレイアウトとデザインを意識して作られているサイトになっています。また、サイトを多言語対応することで、アジア圏からのアクセスを大きく伸ばしています。
→事例詳細:「多言語対応後、アジア圏からのアクセス数は軒並み200%越えに

ユーグレナ

微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品などの開発・販売のほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っている企業です。現在、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開しています。

kv_株式会社ユーグレナ

ユーグレナでは海外の研究者などに向け一部の情報のみを届けていましたが、多言語サイトを構築することで、全ての人が、知りたい全ての情報へ海外からもアクセスできる環境を作っています。その結果、Web サイト経由で海外からの問合せが来るようになっています。
→事例詳細:「ユーグレナ社が発信する情報に海外から”アクセスされる”環境づくりを実現

まとめ

ここまで見てきたように、多言語サイトを構築するためには考えなくてはならないことがたくさんあります。想像以上に大変だと思った人も多いのではないでしょうか。しかし、多言語化の方法でお伝えした「Web サイト多言語化ツール」を活用することで、この労力を抑えることができるようになります。もし今、多言語サイトの構築を検討しているならばこういったツールを検討してみてはいかかでしょうか。
最後になりましたが、多言語サイトはこれだけの労力を使ったとしても、今後のビジネスチャンスのことを考えれば構築しておくべきなのかもしれません。

 

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