
多言語対応する意味や必要性とは?Web サイトへの対応を行う際の手順や注意点も解説
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WOVN.io Marketing Team

グローバル化の加速、外国人人材の受け入れ増加などの背景から、企業が多言語対応を進めるケースが増加しています。多言語対応は、外国人の顧客・取引先・従業員・投資家など多様なステークホルダーとやりとりをする際の基盤となり、事業拡大を進める上で重要な役割を果たします。
そこで本記事では、多言語対応の概要と、多言語化を進める際の手順や注意点について解説します。
目次 |
多言語対応のニーズが高まっている背景
多言語対応とは、情報を様々な言語で発信することを意味します。これを行うことでより多くの人々に自社の情報を知ってもらえるようになるため、企業の事業拡大を見込むことができます。また近頃では、日本企業で働く外国人の数も増加しています(※1)。そのような人々に向け、自社の方針や業務遂行のノウハウを多言語で発信することの重要性が高まっています。
このほか、外国人投資家に向けた IR 情報の開示や ESG に関する取り組みの周知など、多言語対応を行うべき理由はますます増加しています。
※1 出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000729116.pdf
多言語対応のメリット
多言語対応を行うことで、様々な効果を見込むことができます。
売上の増加につながる
インターネット上の日本語ユーザーはたったの3%にも満たない(※2)といわれています。多言語対応を行い、外国語ユーザーに向けても情報を発信できるようになれば、ターゲットとなる顧客層を拡大し売上の増加につなげられる可能性が高まります。また、外国語ユーザーから製品・商品に対するフィードバックを得ることで、これまでになかった視点から製品・商品改良が行えるようになり、新たな企画・開発に活かすこともできるでしょう。
※2 出典:Statista, “Most common languages used on the internet as of January 2020, by share of internet users”, 2022,
https://www.statista.com/statistics/262946/share-of-the-most-common-languages-on-the-internet/
外国人従業員の満足度向上につながる
日本で働く外国人の中には、日本語で話す・聞くことはできても読む・書くことが苦手な人もいらっしゃいます。また、日本語で理解できる場合でも、母国語でやりとりできるならその方が望ましいと考える人も多いでしょう。
そのような人々に向け、たとえば業務マニュアルや e-learning 等を多言語化することで、言語の壁にまつわる負荷を軽減できるようになります。さらに、イントラネットや社内報等を多言語化して自社の情報やトップメッセージなどをしっかりと伝えることで、帰属意識や従業員満足度を向上させることができます。
多言語対応する場合に直面する課題
多言語対応を行う際には、いくつかの課題に直面することがあります。
コストの発生
多言語対応を行うには、費用、工数の両面でコストがかかります。いきなり多くの言語に対応しようとすると、コストが先行して運用が追いつかなくなり、成果が出ないというリスクもあるでしょう。最初は特にニーズの高い数言語に絞って多言語対応を行うなど、範囲を広げすぎずにはじめてみることがポイントです。
外国人からの問い合わせに対応できる体制づくり
多言語での情報発信を行うことで外国人からの問い合わせが増えることが想定されます。そのため、外国語での問い合わせに対応できる従業員を配置したり、外部から専用の問い合わせ対応システムを導入したりするような対応が求められるでしょう。
多言語対応の事例
多言語対応する対象としてはどのようなものがあるのか、一例をみていきましょう。
飲食店でのメニュー表
最近では、飲食店やホテルでのメニュー表にロボットやタブレットが利用されているシーンがよくみられますが、これらが多言語対応しているケースも多いです。こうすることで、インバウンド客や在留外国人が店舗に訪れた際の利便性を高めることができ、よりよい体験を提供できるようになります。
案内板
公共交通機関や公共施設、観光案内所などにおける案内板も多言語対応されています。観光庁の調査によると、「インバウンド客が日本を旅行する際の困ったこと」として「案内板の多言語表示が少ない・わかりづらいこと」が挙がっており(※3)、その重要性がうかがえます。
※3 出典:「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果(平成28年度)
https://www.mlit.go.jp/common/001171594.pdf
企業の Web サイト
インターネットユーザーの数が世界的に増え続けている中、Web サイトを多言語対応している企業も少なくありません。Web サイトを多言語化することで、直接やりとりすることが難しい層にも情報を届けることができるようになるため、事業拡大につながるでしょう。
Web サイトの多言語対応の事例
多言語対応の中でも、今回は Web サイトを多言語対応している事例に焦点を当ててご紹介します。
川崎重工業株式会社
川崎重工業様では、グローバルサイトの多言語対応を実施しています。グループ・ミッションに「世界にの人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」を掲げる同社は、海外事業をより加速させるためにデジタルマーケティングを強化しています。その一環でグローバルサイトを多言語対応することで、海外での競争力を高めるとともに、海外拠点で働く外国人従業員の満足度向上にもつなげています。
事例詳細は「デジタルマーケティングにおいて、グローバルサイトの現地語対応は必須 」をご覧ください。
株式会社三越伊勢丹
三越伊勢丹様は、オフライン・オンライン問わず顧客に最高の体験を提供するため、オンラインストアを多言語対応しています。日本の三越伊勢丹でしか提供できない、日本ならではの商品を海外のお客様にも届けるため、また、商品の基本情報や商品に込められた思いをきちんと発信することを目的に多言語対応を行うことで、顧客体験価値の向上・新規顧客の獲得を実現しています。
事例詳細は「日本の三越伊勢丹から、こだわりのあるお客様に、こだわりの商品を世界に伝えたい 」をご覧ください。
Web サイトを多言語対応する際の注意点
Web サイトを多言語対応する際には、注意しなければならない点もあります。事前に把握しておくことで、対処法を考えておきましょう。
多言語対応後も細かな修正を欠かさない
実際に Web サイトの多言語対応を行うと、実施するまでは見えなかった問題点や改善点が出てくるでしょう。たとえば、翻訳されることによって文字数が変わり、Web サイトのレイアウトが崩れてしまったり、あるいは、翻訳結果自体が誤っていたりするケースなどです。
Web サイトを多言語化すると上記のような事態が起こる可能性があることを想定した上で、問題が発生した際にすぐに対処できる体制を構築しておくことが重要です。
言語切替の機能をわかりやすい場所に配置する
せっかく Web サイトを多言語対応しても、サイトに訪れたユーザーが多言語対応していることに気が付かなければ意味がありません。そのため、言語切替の機能はわかりやすい場所に設置しておくことが大切です。ページを開いてすぐに見える場所に設置することで、外国語ユーザーの離脱を防ぐことができるでしょう。
また配置だけでなく、直感的に言語切替ボタンであることを理解できるようなデザインにすることも心がけるとよいでしょう。
国・地域別にデザインを調整する
国・地域によって好まれるデザインは違います。また、日本では良しとされていても、国・地域によってはそうでないデザインもあります。そのため、そうした違いを理解した上で国・地域に配慮したデザインにすることで、ユーザーに寄り添った Web サイトを構築することができるでしょう。
まとめ
多言語対応は、インバウンド客や海外への事業展開を進め、新しい販路や顧客を獲得して利益を上げるきっかけになります。また、国内に住む外国人へのアプローチも可能になるでしょう。
特に Web サイトの多言語対応には多くのメリットがあるので、この機会に本格的な計画を立ててみることもおすすめです。
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WOVN.io Marketing Team
グローバルビジネスを行う上で重要な Multilingual Experience (多言語体験)に関する様々な情報を発信しています。
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