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小錦が語る、世界に誇る日本の魅力文化・伝統を生かした超付加価値体験とは|元大相撲力士 小錦氏 |GLOBALIZED インバウンド2.0

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北野 光平
WOVN_GLOBALIZEDインバウンド2.0_小錦_Keynote登壇

Wovn Technologies株式会社は、2023年2月16日に国内最大級のインバウンド特化型カンファレンス「GLOBALIZED インバウンド 2.0」を東京タワーにて開催し、訪日観光に関わる多様な業界の方に向けて「訪日 DX で進化する日本の未来」をテーマにお届けしました。

Keynote では、小錦 八十吉 氏(元大相撲力士 / タレント)をスピーカーに迎え、「小錦が語る、世界に誇る日本の魅力文化・伝統を生かした超付加価値体験とは」と題して、ご自身の相撲界でのご経験や日本での生活を通して感じた日本の魅力を、今後日本は世界へ向けてどう発信していくべきかについてお話を伺いました。

【登壇者】
小錦 八十吉 氏
元大相撲力士 / タレント


1963年12月31日米国ハワイ州オアフ島生まれの元大相撲力士。外国人力士として初の大関として活躍した。
引退後は、タレント、アーティストとして講演活動やTV・CM出演、ハワイアン・ライブ等を精力的に行っている。NHK 子供番組【にほんごであそぼ】出演中。
ハワイアンシンガーとしてもアルバムを多数発売し、ボランティア活動にも積極的に取り組んでおり、全国の会社や企業での講演活動、イベント企画・プロデュース活動を行っている。最近では KONISHIKI  BBQ イベントを開催し、全国から依頼が来ている。
海外での相撲イベント「SUMO+SUSHI」に毎年参加して、相撲を広め続けている。
また、日本の達人を世界に広める「Naro」にて相撲の魅力を発信している。
https://www.naro.tv/sumo-by-konishiki

 

1.海外に誇れる「日本の伝統文化」

私は日本の伝統文化やその付加価値を誰よりも理解していると思います。
40年前にハワイから来日し、16年間日本の相撲界にいました。引退後は、タレント業や自身の会社を立ち上げるなどしながら、相撲や日本の伝統文化の魅力を伝えるために海外を飛び回っています。

2019年には「SUMO+SUSHI」へ参加し、元力士たちによる相撲の股割りや四股踏み、ぶつかり稽古を実演したこともありました。昨年アメリカやサウジアラビアを訪れた際は、以前より相撲をはじめとする日本の伝統文化に興味を持っている方が増えたなと実感しましたね。

日本の食文化も、今や世界的にとても有名です。日本食レストランの数も増えていますし、中には“おまかせ”というメニューをだすお店もあるんですよ。

日本人の感覚では“おまかせ”と聞くと、大体3〜5万円はかかるので、なかなか手が届かないイメージがありますよね。しかし外国人からすると、“おまかせ”にそれだけのお金がかかるのは当然という感覚です。

それは、食材のさばき・調理法、食材によって包丁を変えること、食材に合わせたお米の味付けなど、ひとつひとつ細部にまでこだわることの価値を知っているからなのです。
そしてこれこそが、「日本の伝統文化」ですよね。

2.手間ひまをかけて作られる素晴らしさ

私は相撲を通して「日本の伝統文化」の魅力を伝えています。その時いつも「This is not a sports, this is a culture.(相撲はスポーツではない、文化である)」と言うのです。

例えば、力士が身につける着物は糸をつむぐところから始まり、生地となり染色されるまで、すべて時間をかけてこだわって作られています。これこそが日本の強さだと思いますし、他の国には真似できない伝統文化です。

この40年間で日本全国の色々なところへ行きましたが、各都道府県にも宝物のような伝統文化がたくさんあります。やはりこの素晴らしい日本の伝統文化は残していかないと駄目ですよね。

中でも一番の強みは「ものづくり」。私は包丁フェチで、使わないのに包丁をたくさん持っているのですが(笑)、高級なものは10万円以上します。決して安い買い物ではないのに、それでも海外からわざわざ10万円以上する日本の包丁を買いにくる外国人はたくさんいます。それほど素晴らしいものだと知られているんです。

日本にはいいものを作るノウハウがあって、素晴らしい職人さんがいます。プロじゃない私たちからしたら全く違いがわからない細かいレベルのものづくりです。

よくテレビでも日本の職人さんが特集されていますが、お寿司のシャリを握るだけで何グラムかわかるとか、測らなくても全て均等な大きさでお刺身を切れるとか。こういう技術は1日でできるようになるものではなく、5年10年、何十年とやり続けるからこそできる技ですよね。

他にも日本の素晴らしさを知るびっくりした体験がありました。昔、私の地元ハワイの子供達を日本に招待して1日相撲体験をした時に、国技館でみんなでお弁当を食べました。
でも、子供達はお弁当を食べなかった。なぜかと聞いたら、お弁当の彩があまりにも綺麗で、そのままハワイの家族へ持って帰って見せてあげたいと言うのです。
たしかに、人参を花の形に切るとか、いわゆる“面倒くさい”ことに日本人は手間ひまをかけますよね。

小錦_レポ画像_WOVN_GLOBALIZEDインバウンド

3.日本の魅力は、日本人が直接海外へ発信するべき

相撲の話に戻りますが、海外には裸で行うスポーツがたくさんあります。ですが、プロレスや他のスポーツと違って、力士が大きい体で四股を踏んだり、股割りしたりする様が、外国人から見るとすごく美しく感じるそうです。

それは競技中の行動ひとつをとってもそうです。土俵に上がったら、まず礼をして「よろしくお願いします」と言って始まり、たとえ負けたとしても「まいりました」と言って礼で終わる。こういった礼儀を重んじるスポーツは世界中探してもなかなかないと思います。

他にも日本では当たり前だと思われているけど、魅力となっているのが、サービス面です。
例えば、日本の航空会社と海外のそれでは全く異なります。お水ひとつを運んでくださる時も、少し膝を曲げて屈んで「どうぞ」と一声かけながら渡してくれる。これは他の国ではなかなか真似できないことで、自分が海外からきた人間だからこそ余計に素晴らしさがわかるんです。

私はよく外国人向けの相撲ツアーを開催しているのですが、その中で必ずやることがあります。それは、相撲の試合が終わった後も最後まで座席で待たせるのです。日本人の観戦客が、自分たちが座っていた座席の周りにあるゴミをきちんと持ち帰る、この光景を見てもらうためです。

最近では『FIFAワールドカップカタール2022』の会場で、試合後に日本人サポーターが自発的に観客席のゴミ拾いを行ったことがニュースになりましたよね。これも本当に日本の魅力の一つです。私の友達や仕事の関係者が日本を訪れた時も、みなさん口を揃えて、電車や街が綺麗だと言っています。

そういった日本の良いところをどうやって海外へ伝えていくか。結局、日本の魅力や文化は、日本人が直接伝えた方が良いと私は思います。

こういった“サービス”もそうですし、“もの”もそうです。
よく日本のコンビニ商品のレベルが高いという声も耳にしますし、最近では“Wagyu(和牛)”や“Dashi(出汁)”という言葉も世界中で浸透してきました。だからこそ、日本は今すごくチャンスだと思います。日本人は海外に出て日本の魅力を伝えるべきです。その方が商品も絶対に売れます。日本の人口にも限りがあるので、もう日本国内だけでなく世界で勝負してほしいです。

4.「日本の伝統文化」が人を育てる

相撲界を引退して24年経ちますが、まさか今のような相撲ブームがくるとは思ってはいませんでした。ヨーロッパのポーランドやハンガリー、アメリカでもテキサスからオレゴン、ワシントンD.C. 、ニューヨークにもアマチュア相撲があります。ただ問題なのは“本物”をちゃんと見ていないこと。ここがまさに私の出番だと思って、“本物”を伝えるためにいま頑張っています。

“本物”を教えるというのは、ただ相撲を教えるだけではありません。礼儀や建前、人の面倒を見ること、付き人としての生活など、多岐に渡ります。

相撲界では、700人ほどいる力士の中で関取になれるのは60人程度。その60人の中でも、引退後に余裕のある生活を送れる人は1、2割しかいない非常に厳しい世界です。

しかし、その中で一生懸命に厳しい稽古を乗り越えた経験が、社会人になった時に活きてくると思います。社会人になってからの方が厳しいことはもっとたくさんあります。私は「中途半端な気持ちでやると、社会人になっても中途半端な人になる」と彼らに伝えています。

相撲を一生懸命やった人は、引退後の人生でも成功している人が多いです。実は、ホテルニューオータニの創設者も元力士の方です。体力的な部分も含め、相撲という「日本の伝統文化」が一人一人を育て、社会人になって成功できる立派な人にする。相撲部屋はそのための勉強期間。私は自分のこの経験を外国人にわかりやすく伝えるために、相撲ツアーを続けています。

5. 新しいものと融合し、古き良き文化を伝えていく

相撲の世界について、みなさんがまだ知らないことがたくさんあります。
例えば、他の格闘技スポーツでは体重によって階級がありますが、相撲にはありません。これは体格が大きくてパワーがあれば勝てるわけではないからです。相撲には80を超える多くの技がありますが、その多くは体格が小さい人しか使えません。なので、色々な技を使えて、技を出すスピードが早ければ、たとえ体格が小さくても体格の大きい力士に勝つことができる。このことは私が大関になるまでに沢山経験してきました。これも相撲ならではの魅力ですよね。          

相撲を例にとって話しましたが、日本の伝統文化や魅力を体験するために、これから大勢の外国人が日本へ遊びに来ると思います。日本のアニメにまつわる体験や、忍者や侍の格好で写真を撮ったり。良いホテルに泊まることよりも、他の国には真似できない体験を日本でしたいのです。

コロナも落ち着いてきましたし、まさに今が「日本の伝統文化」を伝えるチャンスだと思います。そして、日本人のみなさんにも、もっと日本の伝統文化や魅力に誇りを持ってほしいです。よく考えてみてください。G7に日本が参加していますよね。こんな小さな国でもアメリカやイギリスに負けないエネルギーを持っている国ということの証明です。

日本の魅力は日本人のみなさんが一番わかっているはずです。そして、この魅力をもっと知ってもらうためにどうしたらいいか。もちろん新しいものを作っていくことも大事ですが、例えば AI などと融合しながら「日本の伝統文化」を新しい形で魅せていくことが必要です。5月と9月には相撲の東京場所があるので、ぜひ一度足を運んでみてください。その魅力がわかると思います。今日は本当にありがとうございました。

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