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社内報をアプリ化する方法とは?メリット・デメリットや注意点を解説

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佐藤菜摘

社内報は従業員などに向けて、社内動向や社外には出していない情報などを発信する手段として活用されてきました。これまでは紙媒体が主流でしたが、近年ではパソコンやスマートフォン、タブレットから手軽に閲覧できる社内報アプリが注目を集め、多くの企業で導入が進んでいます。

本記事では、アプリ化が求められる背景やメリット・デメリットの他、注意点を解説します。

目次

社内報のアプリ化が進む背景と期待される効果

社内報をアプリ化すると、どこからでも手軽に情報共有が可能になります。ここでは、社内報のアプリ化が進む背景と期待される効果について解説します。

リモートワークやペーパーレス化の普及で社内報のアプリ化が加速

社内報のアプリ化は、リモートワークやペーパーレス化の普及を背景に、情報伝達の効率化やコスト削減を実現する取り組みとして注目されています。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが一般化し、会議や会話がオンラインツールやチャットへ移行したことで、デジタル化が加速しました。また、多くの企業でペーパーレス化が進み、業務効率化やコスト削減に結びついています。

具体的には、社内報が紙から Web サイトや専用アプリにシフトすることで、印刷や配布の手間を省きつつ、従業員がスマートフォンやタブレットでいつでも簡単に情報を閲覧できる環境が整いました。この変化により、情報伝達のスピードも大きく向上しています。

社内報のアプリ化によって期待される効果

社内報のアプリ化は、従業員のエンゲージメント向上に大きく貢献すると期待されています。日常的に組織の情報や業務に関する連絡事項、社内のお知らせに触れることで、会社や事業への関心が高まり、従業員同士の関係構築や相互理解の促進にもつながるのです。

さらに、アプリ化によって情報へのアクセスがより一層容易になるというメリットがあります。従来の社内報では、メールの URL にアクセスしたり PDF ファイルを開いたりする手間が必要でしたが、アプリではスマートフォンのプッシュ通知で更新を知らせることができ、効率的な情報伝達が可能です。移動中や仕事の合間などの隙間時間を活用して簡単に閲覧でき、タイムリーに情報を得られます。

社内報をアプリ化するメリット

社内報をアプリ化することで、さまざまなメリットが得られます。社内報のアプリ化のメリットは下記の6つです。

プッシュ通知でタイムリーな情報発信ができる

社内報をアプリ化するメリットは、重要な情報を全従業員に迅速に伝えられる点です。特に、スマートフォンの画面に新着情報を知らせる「プッシュ通知」機能を利用できることが大きな利点になります。この機能により、アプリを起動していない場合でも通知が届き、タイムリーな情報共有が可能です。結果として、必要な情報を確実に届ける効果があります。

マルチデバイスに対応していれば場所を選ばず閲覧できる

社内報をアプリ化することで得られるメリットとして、情報へのアクセス性の向上があります。特に、営業職や店舗スタッフ、工場勤務の従業員にとって、スマートフォンで社内報を閲覧できるのは非常に便利です。アプリがマルチデバイスに対応していれば、モニターの前にいなくても情報にアクセスできるため、閲覧機会が増え、多くの情報をより効率的に届けることができます。

未読管理機能で重要情報の確認漏れを防止できる

社内報をアプリ化することで、重要情報の確認漏れを防ぐための未読管理機能が使えます。この機能があれば、未読と既読の状態が分かるため、従業員がどの情報を確認していないかを把握できます。特に、防災関連情報や社内ルールなど、全員に必ず読んでもらいたい重要な情報について、確認漏れを防ぐことができるでしょう。

双方向のコミュニケーションが可能になる

社内報をアプリ化することで、双方向のコミュニケーションを促進できる点も大きなメリットです。コメント欄や「いいね!」ボタンを設けると、従業員が社内報への反応を共有しやすくなり、社内情報がより身近なものになります。この仕組みは、従業員に当事者意識を持たせ、連帯感を育む基盤となるでしょう。

また、従業員間のコミュニケーションが活発になることで、モチベーションの向上や社内ネットワークの強化が期待されます。さらに、部門や役職を超えたつながりが強まると、新たなアイディアや社内活性化のヒントが生まれる可能性もあります。加えて、経営層が従業員の反応を把握すると、社内の状況や施策の効果をより深く理解することができる点も、社内報アプリの魅力のひとつです。

直感的に誰でも使えるので運用が簡単になる

社内報をアプリ化すると、運用の手間が大幅に軽減されます。従来、社内報は紙媒体で運用されており、印刷や配布に多くのコストやリソースがかかっていました。また、Web サイトで運用する場合も HTML CSS の知識、さらには開発リソースが必要でした。

一方で、社内報専用アプリを導入することで、これらの課題を解消できます。記事制作や装飾、予約投稿などの機能が標準で備わっているケースが多く、直感的な操作で簡単に記事を投稿可能です。誰でも使いやすいインターフェースが採用されているアプリにすると、運用のハードルが下がります。さらに、コメントやリアクションを分析する機能もあり、人気コンテンツや従業員の関心を簡単に把握できる点も魅力です。

多言語化対応で各国の従業員の利便性が向上する

社内報をアプリ化し、多言語化対応を行うことで、各国の従業員にとって利用しやすくなる点が大きなメリットです。近年、「ダイバーシティ経営」の推進や海外展開を進める企業が増えています。その結果、さまざまな国や地域の従業員が情報にアクセスしやすい環境の整備は、企業にとって国際競争力を高めるうえで欠かせない課題となっています。

多言語化対応を実現するためには、既存の社内報専用アプリに多言語化機能を追加する方法や、簡単に導入できる多言語化ツールを活用する方法があります。これにより、従業員が母国語で社内報を閲覧できるようになり、情報の理解度や利用頻度が向上するでしょう。

こうした多言語化対応を導入することで、異なる国や文化の従業員間でも情報共有がスムーズになり、企業全体のコミュニケーション基盤の強化が期待できます。

社内報をアプリ化するデメリット

社内報をアプリ化することによって、デメリットも考えられます。アプリ化によって生じる課題は下記の3つです。

情報漏洩リスクが高まる

社内報をアプリ化すると、スマートフォンやタブレットからのアクセスが可能になり利便性が向上する一方で、情報漏洩のリスクが高まります。特に、個人端末を業務に利用する BYOD Bring Your Own Device)の場合は注意が必要です。

情報漏洩への対策には、紛失時の遠隔データ消去機能の他、クリップボードへの情報コピーやメール送信を制限する機能、さらに承認ステップを設定するなどのセキュリティ対策が欠かせません。

さらに、機密性の高い情報は社内ネットワーク限定で公開し、退職者のアカウントを速やかに無効化するなど、厳密なアカウント管理も重要です。また、移動中やカフェなどの社外環境で周囲から画面を覗き見されるリスクもあります。このため、ポップアップウィンドウで定期的にセキュリティに関する注意喚起を行うといった地道な啓蒙活動にも有効です。

これらの対策を講じることで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。

情報過多による負担感が増加する

プッシュ通知はアプリが起動していなくても更新を知らせる便利な機能ですが、使い方次第では従業員に負担をかける可能性があります。通知によって更新を見逃しにくくなるというメリットがある一方で、頻度が高すぎると通知が業務の妨げになり、受信を放置する従業員が増えます。結果として、情報の伝達が行き届かなくなるリスクが生じるのです。

さらに、度重なる通知にストレスを感じ、アプリや社内報そのものにネガティブな印象を持つ従業員が増える可能性もあります。このため、プッシュ通知の発信回数をできるだけ絞り、重要で適切な情報発信を心掛けることが大切です。適度な頻度で配信すると、従業員にとって負担の少ない情報提供が実現できます。

導入および運用コストが増える

社内報をアプリ化する際には、導入や運用にかかる費用が増加する点もデメリットです。アプリの開発には基本的な費用が発生するだけでなく、対応する OS を増やしたり、機能を追加したりすることでさらにコストが膨らむ可能性があります。また、「開発して終わり」ではなく、導入後にも運用や保守にかかるコストが発生します。

具体的には、アプリの安定稼働を支えるサーバー管理やセキュリティ対策の強化、ユーザーサポートや分析のためのリソースが必要です。さらに、アプリケーションのバグ修正や OS のバージョン管理、データのバックアップなど、保守に伴う手間や費用も無視できません。これらの運用コストを事前に把握し、長期的な視点で予算を確保することが重要です。

社内報をアプリ化する方法

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社内報をアプリ化する際は、設計・開発・導入のステップを進める必要があります。アプリ化には大きく分けて2つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社のニーズに合った方法を選ぶことが重要です。

フルスクラッチ開発・パッケージ開発する

フルスクラッチ開発とは、アプリやシステムをゼロから設計・構築する方法で、必要な機能や希望するデザインを自由に取り入れることができ、自社に最適なオーダーメイドのシステムを構築できます。カスタマイズの自由度が高い点が大きなメリットですが、高額な初期費用がかかり、開発期間も長くなる傾向があるため、予算やスケジュールに余裕がある場合に適した方法です。

一方、既存システムを流用して必要な部分をカスタマイズするパッケージ開発であれば、費用を抑えつつ短期間で導入できます。ただし、カスタマイズの自由度は限定的です。

どちらの方法を選ぶ場合でも、費用や開発期間、自社のニーズを慎重に検討し、最適なアプローチを選ぶことが重要です。

既製の社内報専用アプリを契約する

社内報専用のアプリサービスを利用する方法もあります。この方法は、フルスクラッチ開発やパッケージ開発に比べて低コストで導入でき、既存のサービスを活用するため短期間で導入できる点がメリットです。また、サービス提供会社は運用ノウハウを持っており、サポートが充実しているため、運用時の不安を軽減できます。

専用アプリには、マルチデバイス対応や分析機能など、社内報に必要な基本的な機能が揃っています。ただし、フルスクラッチ開発と比べるとカスタマイズの自由度が低い点には注意しましょう。自社の要件に合致しているかを事前に確認し、適切なサービスを選ぶことが重要になります。

社内報をアプリ化する際の注意点

社内報をアプリ化する際には、運用体制を整え、問題発生時にも迅速に対応できる準備が重要です。以下の注意点を参考にしてください。

セキュリティ対策を徹底する

社内報アプリを導入する際、最優先で考慮すべきなのがセキュリティです。社内報には機密情報が含まれる可能性もあるため、不正アクセスを防ぐためのアクセス制御や、データを保護する暗号化は必須です。また、なりすましやサイバー攻撃を防ぐためには、強力なユーザー認証を導入する必要があります。

社内報専用のアプリサービスを利用する場合は、多くのセキュリティ機能が標準装備されています。ただし、導入前に自社のセキュリティポリシーに適合しているかを確認することが重要です。例えば、二要素認証や多要素認証が備わっているかなど、具体的な機能を事前にチェックしましょう。

管理・運用体制を整備する

アプリ導入後の運用体制を事前に計画しておくことも重要です。高機能なアプリは、多くの作業を効率化できる反面、運用や保守にかかるコストが増大し、操作が複雑化する場合があります。記事の投稿、未読状況の分析、従業員からの反響管理など、どれだけのリソースを割けるかを考慮し、自社の規模や体制に適した方法を選びましょう。

専用アプリを契約する場合は、提供ベンダーのサポート体制も確認が必要です。導入前のコンサルティングや使い方のサポート、問い合わせ対応が充実しているベンダーを選ぶことで、スムーズな運用が期待できます。また、コンテンツ制作を支援してくれるベンダーもあり、自社に必要なサポートが提供されるかを事前に確認してください。

自社開発を検討する場合も、運用や保守にかかるリソースを十分に見積もることが重要です。特に、高度な機能を実装する場合には、専用の技術スタッフや外部パートナーのサポートが必要になるケースがあります。導入後の運用負担を最小限に抑えられるよう、初期段階から体制を整えておくことが成功のカギです。

多言語対応を検討する

多国籍の従業員がいる場合、母国語で情報にアクセスできる環境を整えることが求められます。多言語対応機能を導入すると、情報の理解度が向上し、従業員の帰属意識やエンゲージメントを高められます。既存アプリに多言語化ツールを後付けする方法もあるため、国際的な人材を抱える企業では、多言語化を積極的に検討しましょう。

社内報アプリの多言語化には「WOVN.app」がおすすめ

社内報をアプリ化することで多くのメリットが得られる一方で、デメリットや注意点も存在します。特にグローバル企業では、多言語化への対応が課題です。その解決策として、多国籍チームを抱える企業には「WOVN.app」の活用をおすすめします。

WOVN.app」は、既存のアプリに SDK をインストールするだけで、アプリ画面や WebView を一元管理し、簡単に多言語対応を実現できます。さらに、アプリやサーバーから配信されるプッシュ通知も自動翻訳されるため、日本語で通知を送るだけで、多言語プッシュ通知の配信が可能です。SDK やリソースファイル翻訳 API を利用することで、開発エンジニアによる手動作業が不要になり、翻訳や反映にかかる手間と工数を大幅に削減できます。その結果、翻訳されたコンテンツを迅速に社内に共有できるのです。

さらに、「WOVN.app」は堅牢なセキュリティを保持し、多言語化のプロフェッショナルによる手厚いサポートも提供しています。社内報アプリを多言語化したい場合は、「WOVN.app」の導入をぜひご検討ください。

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