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インバウンド対応とは?訪日外国人観光客対応のポイントを紹介

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北野 光平

更新日: 2023年12月19日
※2022年8月23日に公開した記事ですが、必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2023年12月19日に再度公開しました。

コロナ禍によって、インバウンド需要は激減しました。しかし、2022年6月から一部制限付きで外国人の受け入れを再開し、インバウンドは順調に回復しています。

そのため、インバウンド対応を行うことが必須となっていきますが、具体的に何を行えばよいのかわからないという人が多いのではないでしょうか。そこで本記事では、インバウンド対応における重要ポイントについて解説をしていきます。

 

インバウンド対応とは

インバウンド(inbound)という英語は、日本語に訳すと「入ってくる」を意味する言葉です。観光業界ではインバウンドを訪日外国人の意味で用いています。一般的に、インバウンド対応とは日本へ来た外国人を対象にしたさまざまな施策のことです。

たとえば、飲食店で多言語対応のメニューを用意したり、訪日外国人向けの案内場を設けたりすることがインバウンド対応の一例です。
ただし、外国人観光客が日本での滞在中に困らないようにする施策だけがインバウンド対応ではなく、「体験型観光コンテンツ」という方法もあります。たとえば、訪日した外国人たちに日本独特の文化や料理などを直接体験して触れてもらうことも、インバウンド対応の一つです。

 

インバウンド対応が必要になった背景

日本政府観光局の統計(※1)によると、日本を訪れた外国人旅行者はコロナ前の2019年が年間3,188万人で、10年前(2009年)の679万人と比較すると大幅に増加しました。しかし、2019年12月から数か月間で新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、各国が感染拡大防止のために入国制限を行い、旅行需要は急激になくなりました。

その後、日本は2020年から閉鎖していた国境を制限付きで解除し、2022年6月から外国人観光客の受け入れを開始しています。添乗員付きのツアー客に限るなどいくつかの制限はありますが、日本の入国制限緩和において大きな転換となりました。2023年には水際対策が終了し、8月に中国政府が日本を含む国・地域への団体旅行を解禁した結果、2023年7-9月期の訪日外国人旅行消費額は2019年同期比17.7%増の1兆3,904億円(※2)となっています。コロナ禍前を上回る訪日外国人旅行消費額になり、再びインバウンド対応に注目が集まっています。

※1:日本政府観光局 訪日外客統計
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/index.html

※2:【訪日外国人消費動向調査】2023年7-9月期の全国調査結果(1次速報)の概要
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001634972.pdf

 

インバウンド対応で欠かせないポイント

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ここでは、インバウンド対応で欠かせないポイントをいくつか解説します。

 

目的・ターゲットの明確化

1つめのポイントは、インバウンドを行う目的とターゲットを明確にすることです。対応を行う目的を見定めることができれば、自社が目指すべきゴールとそのゴールにたどり着くためにやるべきことが明確になります。また、ターゲットを定めることで、サービスや伝えたい情報の質が向上し、より外国人観光客に好まれるでしょう。

一方、ターゲットが不明確で適切に情報を伝えることができないのは、インバウンド対応を行う上でのよくある失敗の一つです。ターゲット層は広いほうがよいだろうと考え、主だった言語を手当たり次第に翻訳することが多いと思います。しかし、国や地域ごとによって文化的背景やタブーとされることがあるため、外国人とひとくくりにしてしまうのは危険です。

インバウンド市場はコロナ禍前にただ戻っているわけではありません。訪日観光客がより多国籍になるなど、変化を見せています。どの国や地域から多く訪れているのか、改めて調査してターゲットを明確にすることが欠かせないでしょう。

 

魅力的なコンテンツを用意する

2つめのポイントは、訪日外国人を誘致するために外国人にとって魅力的なコンテンツを用意することです。インバウンドに関する政府の目標が、以前は旅行客数に置かれていましたが、現在では質の向上を目的とする内容に変わっています。日本固有の自然や独自の強みを活かした体験ができることが重要になるでしょう。

また、日本人にとって魅力的に感じたとしても、外国人にとって魅力を感じるとは限りません。一方、日本人が何気なく触れていることに、外国人は魅力を感じることがあります。こうした外国人が好むポイントを把握するために、外国人視点で考える必要があります。実際に、訪日している外国人の話を聞いてみるなど、工夫が必要です。

 

多様な手段でコンテンツの発信をする

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3つめのポイントは多様な手段でコンテンツを発信することです。コンテンツを作成するだけではなく、訪日外国人観光客に魅力的なコンテンツや情報を確実に届けるためには、効果的な方法で情報発信しなければいけません。外国人向けの Web サイトの構築、Twitter や Facebook、Instagram、YouTube などの SNS を活用するなど、インターネットを活用した効果的な発信も重要です。

他にも訪日外国人向けメディアや口コミサイトなど、情報は様々な媒体から収集されるため、魅力的なコンテンツが確実に届く発信方法を多様な手段から検討するのが望ましいといえます。

→お役立ち資料「インバウンド復活に向けて、今準備すること

資料を見る

 

滞在・体験時の利便性向上

4つめのポイントは利便性の向上です。訪日外国人が快適に過ごすためには、利便性を高める必要があります。観光庁のアンケート(※3)では、外国人観光客が日本に訪れた際に不満に感じることとして、店員とコミュニケーションを取ることができない、無線 LAN 環境がない、キャッシュレス決済が利用できない、多言語の案内がない、公共交通機関の使い方がわからないなどが挙げられています。こうした不満は体験価値の低下に直結するため、改善をしていく必要があります。

※3:外国人旅行者に対するアンケート調査結果についてhttps://www.mlit.go.jp/common/000190659.pdf

 

代表的なインバウンド対応

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ここでは、いくつかの代表的なインバウンド対応を紹介します。

 

Web サイトの多言語化

Web サイトはインバウンド対応の中心的存在です。そのため、訪日外国人の集客を図るには Web サイトの多言語化は必須になります。皆さんも海外を訪問する前、または訪問中でも、Web サイトで情報収集をすることが増えているように、いまや情報収集の多くが PC やスマホなどのインターネット経由です。多言語化した Web サイトが SNS でシェアされてさらに情報が広まり、訪問する観光客が増えることもあります。

その点を踏まえると、Web サイトは日本国内のみならず世界各国のユーザーに情報発信できる実に有益な手段です。適切に情報を届けるためには、Web サイトのコンテンツは日本語だけではなく、英語をはじめ、中国語や韓国語など多言語化が必要でしょう。インバウンド需要をターゲットとした Web サイトの多言語化について、より詳しい内容は「インバウンド復活に向けて、今準備すること」をご覧ください。

→お役立ち資料「インバウンド復活に向けて、今準備すること

資料を見る

 

キャッシュレス決済サービスの導入

訪日外国人が感じている不便や不満で多いことの一つに、キャッシュレス決済があります。海外の多くの地域では、クレジットカードや第三者支払いサービスが多く使われていますが、日本ではキャッシュレス決済があまり進んでいないのが実情です。効果的なインバウンド対応を行うには、多様性のある決済サービスの導入は避けて通れません。

 

Wi-Fi 環境の整備

前述したように、情報収集の多くがインターネット経由であることを考えると、Wi-Fi の整備も重要になります。最近では、街中やショッピングセンター内などにフリー Wi-Fi が設置されているなど、無料で提供されることが多くなってきていますが、まだまだ足りない状況です。訪日外国人は通信手段にフリー Wi-Fi を頻繁に使うため、より快適なインターネット環境を提供するためには、今後も改善を行っていく必要があるでしょう。

 

多言語メニューや案内の作成

飲食店のメニューや、施設や店舗の案内を多言語化することも必要なインバウンド対応です。文字だけでなく、写真などを取り入れるとよりわかりやすく、満足度が上がると考えられます。また、Web サイト上に多言語案内を掲載していれば、訪日前の情報収集だけでなく、実際に訪れてからも迷わず充実した観光やショッピング体験を届けられるでしょう。

インバウンド対応に必要な公的補助金も利用できる

インバウンド対応をとりたいけれど、コストを考えるとなかなか踏み切れない場合もあるのではないでしょうか。場合によっては、各種の補助金を活用できます。国交省や観光庁、全国の都道府県、市区町村など、多くの公的機関が、インバウンド対応のための補助金や助成金制度を設けています。宿泊施設での Wi-Fi 環境の整備や、特定の地域内での街歩きを快適にするための施策への助成など、内容や条件も様々です。定期的に観光庁や自治体のオフィシャルサイトをチェックし、積極的に活用することをお勧めします。インバウンド補助金の仕組みについて、「インバウンド補助金とは?」の記事で紹介しているので気になる方は、ぜひご覧ください。

 

インバウンド対応の成功例

ここでは、インバウンド対応で成功している事例をいくつか紹介します。

 

SHIBUYA109

若者ファッションで人気の SHIBUYA109 はインバウンド対応に成功した企業の一つです。渋谷は日本人だけでなく、外国人観光客も多く訪れます。多くの外国人が来店するため、最低限必要な免税・クレジットカード・Wi-Fi などの環境インフラの整備だけでなく、Web サイトの多言語化も行っています。Web サイトを多言語化する前は、サイト直帰率が40〜50%ほどあったものの、多言語化後は10〜20%ほど減少したそうです。また、店舗スタッフが外国語で商品説明を行う際に、Web サイトを使っています。

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事例の詳しい内容は「商品点数・PVを考えるとWOVN.ioじゃなければ成し得なかった、外国人へのおもてなし」をご覧ください。

 

ハウステンボス

ヨーロッパ風の街並みが特徴で日本一の広さを誇るハウステンボス。海外向けのプロモーションを行っているため、外国人観光客も多く来園しています。一方、日本一の広さであるがゆえに、「園内が広すぎてどのように楽しめば良いか分からない」という声が多かったそうです。そのため、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応した音声ガイドを展開し、外国人観光客でも楽しめるサービスを行っています。また、外国人観光客の中で割合の多い国の言語に対応して Web サイトを多言語化しています。

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事例の詳しい内容は「多言語での情報発信量は 2 倍以上に、翻訳コストは 1/2 に」をご覧ください。

 

相鉄ホテルマネジメント

国内外で SOTETSU HOTELS の直営店を運営する相鉄ホテルマネジメント。SOTETSU HOTELS は韓国、台北などに展開するだけでなく、インバウンド対応も積極的に行っています。空港内に広告を掲載し、多くの外国人観光客に届くようにプロモーション施策を行っています。また、2021年9月にリニューアルを行った会員向けアプリ「SOTETSU HOTELS CLUB」を5言語に対応し、インバウンド宿泊者のユーザビリティを向上させています。

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事例の詳しい内容は「SOTETSU HOTELS CLUB アプリの多言語対応コスト圧縮・運用工数は 1/5 に」をご覧ください。

 

チームラボプラネッツ

2023年4月に月間の訪日外国人来館者数が約17万人を突破し、訪日外国人観光客の約10人に1人が来館する(※4)記録となったチームラボプラネッツ。「アジアを代表する観光名所2023」にも認定(※5)されました。チームラボプラネッツでは Web サイトや SNS などでの案内が外国語対応されているだけではありません。ヴィーガンラーメン専門店があり、海外で多く取り入れられている食習慣に合った環境も整備されていると言えます。また、春に「桜」、夏に「ひまわり」など、日本の四季ならではの展示も訪日外国人にとって魅力的なコンテンツかもしれません。

※4:チームラボプラネッツ(東京・豊洲)、夏限定で【ひまわり】が咲き渡る世界に。2018年7月の開館以来、月間の訪日外国人来館者数が過去最高に。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000037065.html

※5:チームラボプラネッツ(東京・豊洲)、旅行業界のアカデミー賞「ワールド・トラベル・アワード2023」で、今最もアジアをリードする名所に認定。「アジアを代表する観光名所」部門の受賞は、国内初。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000965.000007339.html

 

MKタクシー

世界的な旅行ガイドプラットフォーム「トリップアドバイザー」にて、一貫して高評価の口コミを獲得しているとして「トラベラーズチョイス2023」に選出(※6)されたMKタクシー。MKタクシーではインバウンド対応のため英語・中国語での対応ができるドライバーの育成に注力し、電話留学やプライベートレッスンを実施(※7)しています。コロナ禍で中断していた海外研修制度も再開(※8)しました。旅行部門の MKトラベルではタクシー手配も可能な外国語ガイドサービスを実施(※9)するなど、様々な訪日外国人向け施策が行われています。

※6:京都MK・東京MKがTripadvisorで「トラベラーズチョイス2023」受賞
https://www.mk-group.co.jp/about/news/230726tripadvisor

※7:MKタクシーの外国語教育への取り組み|ESD(English Speaking Driver)・CSD(Chinese Speaking Driver)の育成
https://media.mk-group.co.jp/entry/driver-esd-training/

※8:イギリス語学研修に3ヶ月間社員派遣。MKグループで4年ぶりに「海外研修制度」再開。2025年に向け外国語ドライバー増加めざす。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000051512.html

※9:外国語ガイドがあなたの旅をサポートします-MKトラベル
https://travel.mk-group.co.jp/tourjapan/interpreter/

 

まとめ

訪日外国人市場が拡大していることを考えるとインバウンド対応は必要不可欠なものです。その具体的な方法はいろいろありますが、一企業においては自社サイトの多言語化が重要になってきます。特に、英語や訪日観光客の多い中国・香港・韓国で使われている言語への対応は急務だと言えるため、ぜひ Web サイトの多言語化を検討してみてください。

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