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従業員エンゲージメントを向上させる要素とは?外国人従業員への対応方法も含めて解説

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佐藤菜摘

企業にとって、従業員エンゲージメントの向上は重要なポイントになっています。従業員エンゲージメントに対する施策を何もしていなければ、生産性などを低下させる恐れもあるでしょう。本記事では、従業員エンゲージメントを向上させる要素や必要性、メリット、具体的な方法や、外国人従業員に対しての従業員エンゲージメント向上施策について解説します。

目次

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、本記事では従業員の「会社に自発的に貢献したいと思う意欲」と定義します。この定義に基づくと、「企業の方向性や理念の理解度」を高め、会社と従業員の「信頼度」を深めることが、従業員エンゲージメントの向上につながるといえます。従業員エンゲージメントは概念であるため、会社の業績などのように客観的な数値比較が難しいといった特徴があります。

従業員エンゲージメントは組織によって概念や考え方が異なることもあり、組織の状態や風土に合わせて定義を変える必要があります。従業員エンゲージメントに注目する際には、自社における定義を明確にすることがポイントです。従業員エンゲージメントを高めることのメリット、施策について「従業員エンゲージメントとは?概要や社内ポータルなどを使ったエンゲージメントの高め方を解説」の記事で詳細に説明しておりますので、ぜひご覧ください。

従業員エンゲージメントを向上させる必要性

従業員エンゲージメントの向上は、企業にとって必要な概念として認識されつつあります。

たとえば、働き方改革や少子高齢化などによって、従業員の確保や長期で働いてもらうことが難しい時代になっています。そこで従業員エンゲージメントを向上させて、自社の業務に対するモチベーションを高めて離職率を低下させることが重要となっているのです。

また、「株式会社リンクアンドモチベーション」の調査(※1)によると、従業員エンゲージメントと労働生産性には相関関係があることが確認されています。つまり従業員エンゲージメントを高めれば、結果的に業務の生産性も向上することになるのです。

企業の運営や事業の成果に大きな影響を与えることから、従業員エンゲージメントの必要性は高まっています。

※1 参考: https://www.lmi.ne.jp/news/release/detail.php?id=727

多くの日本企業が従業員エンゲージメントを意識している

PwC Japan が行った「2021年度世界CEO意識調査(※2)」によると、日本の CEO の45%が「従業員のエンゲージメントやコミュニケーションを変化させていく」と回答しています。同調査の世界全体の数値は30%にとどまっているため、日本はとくに従業員エンゲージメントを意識した傾向にあることがわかります。

他企業が従業員のエンゲージメントの向上に力を入れる場合、自社も様々な施策を取り入れて従業員のモチベーションを確保しなければ、転職のきっかけを与えてしまう懸念もあるでしょう。

※2 参考:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/ceo-survey/2021.html

従業員エンゲージメントを向上させるメリット

従業員エンゲージメントを向上させることには、多くのなメリットがあります。

たとえば会社への貢献のために、円滑な従業員間コミュニケーションを行う雰囲気が自然と作られることがあります。従業員同士の協力体制が構築されれば、有益なアイデアを交換し合ったり、作業を積極的に手伝ったりして、業績アップにつながることもあるでしょう。

また、従業員エンゲージメントの向上は、従業員に仕事の理由を提供し、モチベーションアップを実現するメリットもあります。従業員に働きがいの提供や、仕事に対して「自分がどうありたいか」といったことを考えるためのきっかけを提供でき、目の前の仕事に対する意識を変えることが可能です。これらのメリットによって、自社への定着率を高め、離職を減らせることもポイントです。

従業員エンゲージメントを向上させる要素

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従業員エンゲージメントを向上させる要素には、いくつかの種類があります。以下では、従業員エンゲージメントを向上させる主な要素について解説します。

会社に対する理解度・共感度

従業員エンゲージメントを向上させるには、従業員の会社に対する理解度や共感度を把握することがポイントです。そのため、将来のビジョンや経営方針などを明確にして従業員に伝える機会を設けることが必要です。たとえば、定期的に経営層からの社内研修などを実施することで、従業員は会社を理解して共感するきっかけを得られます。

社内研修は、従業員だけでなく経営層や役員が改めて会社のことを考えることにもつながるため、組織全体のエンゲージメントを高めることも可能です。その他、従業員同士で親睦を深めたり、会社の将来について議論したりといった機会にもなり得ます。従業員自らが会社の在り方や未来像を考えるきっかけになれば、そこから従業員エンゲージメントが向上することもあるでしょう。

積極的に従業員が会社を理解し共感できる機会を作ることが、従業員エンゲージメント向上につながるポイントです。

会社への愛着や帰属意識

従業員エンゲージメントの向上には、会社への愛着や帰属意識も大切な要素です。従業員が自発的に「会社に貢献したい」と思ってもらうためには、愛着や帰属意識といった気持ちが重要です。

従業員が会社を魅力的に思えるような社風を作ったり、仕事における不満や問題点をすぐに解決する体制を構築したりすることで、愛着や帰属意識を高めることができます。従業員エンゲージメントの向上を目指す場合、従業員が会社に対して良いイメージを常に持てるように、職場環境の整備や支援体制の構築が求められるでしょう。

職場や仕事仲間への帰属意識が高いと、コミュニケーションが活性化して従業員エンゲージメントがさらに高まりやすい状態になります。会社に対する愛着や帰属意識が高い従業員がいると、それに影響されて他の従業員も会社に良いイメージを持つ可能性があります。従業員同士が積極的に交流できる機会を作って、従業員エンゲージメントが自然と高まっていく環境を構築することもポイントです。

行動意欲を刺激する労働環境

従業員エンゲージメントの向上には、行動意欲を刺激するような労働環境の整備も必要です。従業員に会社への貢献を進んで行ってもらうためには、従業員の行動意欲を刺激する必要があります。

基本的には働きやすく、かつ、きちんと行動が評価される労働環境を作ることが従業員エンゲージメントの向上を促します。反対に、従業員の意見や行動を蔑ろにする風潮があったり、成果や努力が人事評価にきちんと影響しなかったりする場合、従業員は今の会社で働く気持ちを低下させることになるでしょう。

従業員エンゲージメントの向上のために行動意欲を刺激するには、可能な限り従業員が働きやすい労働環境を作り、それを維持することが重要です。

従業員エンゲージメントを向上させる方法

従業員エンゲージメントを向上させるには、様々な方法が考えられます。以下では、従業員エンゲージメントの向上につながる具体的な方法を解説します。

社内情報の提供を行う仕組みを整える

従業員エンゲージメントを向上させるには、従業員が会社への理解や共感を得る必要があります。そこで経営ビジョンや現在の業務状況、評価に値する従業員の活躍などをまとめた社内情報を定期的に提供する仕組みを作るのがポイントです。

簡単に配信が行えて、さらに従業員もスムーズに確認できる社内ポータルや Web 社内報の導入がおすすめです。Web 社内報の作成ポイントについて「Web 社内報ならではの魅力とは?紙のスタイルと比較したメリットや作成方法を解説」の記事で詳細に説明していますので、ぜひご覧ください。

社内のコミュニケーション活性化を支援する

会社への愛着や帰属意識を高め、従業員エンゲージメントを向上させるには、社内のコミュニケーションが円滑に行われる仕組みづくりが必要です。

定期的に従業員同士で意見交換を行う時間を作ったり、イベントを開催したりして、絆を強める施策を行うことも考えられるでしょう。とくにリモートワークなど多様な働き方を採用している場合、コミュニケーションが希薄にならないように注意が必要です。

従業員エンゲージメントの測定方法を把握しておく

従業員エンゲージメントは、「eNPS」や「UWES(ワークエンゲージメント)尺度」などといった方法で測定が可能です。eNPS とは、「仲の良い友人などにあなたの会社をどれくらいおすすめできるか」といった質問を行い、0〜10の数値で答えてもらう方法です。自分の会社を親しい人に進められるかどうかを基準にして、従業員エンゲージメントを確認できます。

WES 尺度とは、仕事における「活力」「熱意」「没頭」といった要素を含んだ17の質問を構築し、0〜6点の評価で答えてもらう方法です。従業員が現在の仕事にやりがいを感じているのかといった点を、客観的に測れるのが特徴になります。これらの方法を活用して、実際に従業員エンゲージメントがどの程度あるのか、施策によって向上しているのかを定期的に確認することがポイントです。

従業員エンゲージメントを向上させた企業の事例

従業員エンゲージメントを向上させた企業は多く、以下のような事例があります。

従業員エンゲージメントの事例① サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、「100人100通りの働き方」を目標にし、従業員が「選択型人事制度」という9通りの内容から自由に働き方を選べる仕組みを作りました。結果的に従業員のワークライフバランスが改善し、離職率を28%から4%まで下げることに成功しています。
URL:https://cybozu.co.jp/

従業員エンゲージメントの事例② 株式会社あつまる

株式会社あつまるは、経営者が従業員へのメッセージを発信して、従業員個人のビジョンを明確にするように促す従業員エンゲージメント施策を実行しました。従業員にそれぞれの「働きがい」を提供することに成功し、若手リーダーがどんどん生まれる環境を構築しています。
URL:https://atsu-maru.co.jp/

外国人従業員への従業員エンゲージメントの向上も重要

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従業員エンゲージメントの向上を考える際には、外国人従業員のことも念頭に置いておく必要があります。以下では、外国人従業員のエンゲージメントを向上させる重要性について解説します。

グローバル化が進むにつれて外国人従業員の採用率も高まっている

企業のグローバル化が進む昨今、外国人従業員の採用率は高まっています。みんなの採用部が行なった「外国人雇用状況に関するアンケート(※3)」によると、約8割の企業が外国人従業員を雇用した経験があると回答しています。株式会社ディスコの「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査(※4)」でも、2020年度に外国人留学生を採用した企業は、全体で35.4%と高い水準にあります。そのため従業員エンゲージメントを向上させるのなら、外国人従業員向けの施策を行う必要もあるでしょう。

※3 参考:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-middlecareer-kaigaimerito-181129/
※4 参考:https://www.disc.co.jp/research_archive/research_archive_category/company/kigyou-oversea-report/

海外拠点で働く外国人従業員にも影響する

従業員エンゲージメントを向上させる施策は、海外拠点で働く外国人従業員と意識の共有を行うきっかけにもなります。

海外拠点で働く外国人従業員と国内にいる従業員とでは、どうしても働き方や仕事への意識に差が生まれやすいです。今後海外の拠点で現地の従業員を雇用するのなら、積極的に外国人従業員のエンゲージメントを高める必要があるでしょう。外国人社員のエンゲージメントを高めるための要素の一つが、社内ポータルサイトが多言語化されているかどうかです。ですが、社内ポータルの多言語化は、情報発信の遅延、潤沢なリソースがない、社外秘情報の漏洩リスクなど、様々な課題があります。そうした課題やどうやったら解決できるのかについて「社内ポータル Web 社内報の英語化」で解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ

従業員エンゲージメントを向上させるには、その基本と構成する要素を理解する必要があります。この機会に従業員エンゲージメントに関する知識を身につけて、自社で様々な施策に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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