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インクルーシブに未来を創る「One Yanmar」を実現するコミュニケーション戦略|ヤンマー 三田村 氏|GLOBALIZED 外国人材とダイバーシティ経営

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佐藤菜摘

 本記事のポイント 

  • 社内外も、国内外も、全ての人を一つの大切なステークホルダーと捉え、巻き込みながらブランド価値を向上

  • 親しみと感情的な繋がりを持つ「共感」を重視。デジタルとリアルのシナジーでグローバル社員へ浸透する仕組みづくりを

  • WOVN.io で22言語対応したコーポレートサイトは、お客様や社員へより早く共通のコンテンツを発信できるツール

Wovn Technologies株式会社は、2024年11月13日に「GLOBALIZED 外国人材とダイバーシティ経営」を開催し、「誰もが活躍できる多言語対応・デジタル環境整備とは」をテーマにセッションをお届けしました。

ゲスト講演では、ヤンマーホールディングス株式会社 ブランド部 コミュニケーション部 部長である三田村 有香氏を迎え、「インクルーシブに未来を創る“One Yanmar”を実現するコミュニケーション戦略」と題して、グローバル2万人を超える従業員に向けたヤンマーのブランドコミュニケーション戦略についてお話を伺いました。本レポートではその内容をご紹介します。

【登壇者】
三田村 有香 氏
ヤンマーホールディングス株式会社
ブランド部 コミュニケーション部
部長


P&Gマーケティング本部にてSK-IIグローバルブランドマネージャーや生理用品ウィスパー(日韓)ブランドマネージャー等を担当。
その後不登校生支援に注力する通信制高校 クラーク記念国際高等学校の広報・マーケティングの立ち上げ、江崎グリコ(株)広告部・コーポレートコミュニケーション部を経て現職。
国家資格キャリアコンサルタント。

 

 

社内外も国内外もすべて巻き込むインクルーシブブランド戦略

グローバル化が進み、多様なバックグラウンドを持つ従業員の活躍が非常に重要になっているヤンマーでは、人の可能性を信じ、挑戦を後押しするという創業時からの価値観「HANASAKA(ハナサカ)」を土台としたコミュニケーション活動を重視しています。本日はヤンマーのグローバル2万人超の従業員に向けたブランドコミュニケーション戦略についてお話します。

ヤンマーは今年で112年目を迎え、売上高1兆円強のうち、海外売上比率は6割を超えています。事業フィールドは農業だけではなく地球そのもの、ライフラインを網羅して事業貢献することを目指しています。
ブランドステートメントとして「A SUSTAINABLE FUTURE - テクノロジーで新しい豊かさへ。-」を掲げ、人そして社会全体の豊かさの実現を大切にしています。
ブランド戦略としては「INCLUSIVE BRANDING」を掲げています。

INCLUSIVE BRANDING = 
社外も社内も、国内も国外も、顧客も企業も一般生活者も
“one stakeholder”としてとらえ、巻き込みながらブランド価値を向上する

すべての人を一つの大切なステークホルダーと捉え、巻き込みながらブランド価値を向上することで、認知・エクイティの獲得による共感、信頼の醸成を目指しています。
特に「共感」をとても大事にしており、社内コミュニケーションにおいても、より親しみやすく感情的なつながりを築いていくことを重要視しています。

こちらがヤンマーの理念体系ですが、一番下にある 「HANASAKA」は我々が非常に大切にしている価値観です。HANASAKA には、「自分だけで花は咲くことはできない、共に支えあいながら花を咲かせ合う」という意味が込められています。自己の利益だけでなく、他者への感謝を忘れず、人の可能性を常に信じてきた創業の精神が HANASAKA としてヤンマーに脈々と受け継がれています。



従業員エンゲージメントには、理解・共感・行動意欲というフローがあり、「エンゲージメントが高まっている」という状態は、目標達成に向かって自ら行動している状態を指します。そのためには、学ぶ、信じる、行動するというサイクルを継続的に回す必要があるため、我々は HANASAKA という価値観を社員一人ひとりが自分事化できるよう推進しています。



 

グローバルでの「One Yanmar」実現に向けた4つのコミュニケーション活動

1. HANASAKA 浸透活動:ワークショップ

日本、アメリカ、シンガポール、オランダ、中国でワークショップを開催し、合計100名以上が参加し現在も進行中です。HANASAKA とは何かをまず個人で考え、出てきた言葉を集約し、構造化するプロセスをとっています。
このワークショップでは、各自の中にある HANASAKA をどう昇華するかがポイントです。各国の参加者は HANASAKA アンバサダーとして各拠点での浸透活動をリードし、実際に海外での自発的な活動も始まっています。

2. HANASAKA 浸透活動:コミュニケーションツール

我々はグローバルでのコミュニケーションのプラットフォームをいくつか持っております。

  • HANASAKA アプリ

    従業員専用のスマホアプリで、毎日触れる情報源として、ゆるく皆が繋がることをテーマにしています。挑戦できる土壌、信頼感、心理的安全性を提供することを目指し、役員や取締役も様々なメッセージを発信するフレンドリーな雰囲気のアプリです。現在は日本とアメリカで使用されていますが、今後は更なるグローバル展開を目指しています。

  • HANASAKA BOOK

    HANASAKA BOOK は紙でも発行しています。デジタルも重要ですが、リアルな肌触り感も大切にしています。リアルとデジタルの両方をグローバルのコミュニケーションツールとして活用しています。

  • グローバルコーポレートサイト

    実はコーポレートサイトは社外の方だけでなく、グローバル社員もよく見ています。こちらを WOVN.io で22言語対応しています。WOVN.io を使うことで、タイムラグなくコンテンツ配信ができ、工数削減にも繋がりました。お客様や社員にとって、より早いタイミングで共通のコンテンツを発信できるため、非常に助かっています。



    3. Global 一体感を醸成する活動:ヤンマーフェスティバル

    ヤンマーフェスティバルは、コロナ禍で始まったオンライン社内イベントですが、2023年からはオフラインとのハイブリッド形式になりました。2024年は「CONNECT」をテーマに、グローバル従業員が楽しく繋がるためにメタバースを強化し、リアルイベントでもグローバル拠点とのシナジーを目指しています。
    また、来年春に地上波で放送予定のアニメ「未ル わたしのみらい」に関するコンテンツや、お子様も参加できるゲーム、グローバル従業員や役員が交流できる双方向コミュニケーションの場をメタバースで提供します。

    4. Global 一体感を醸成する活動:国際女性デー

    国際女性デーは人事部主催で2023年から始まりました。ジェンダー平等の認知向上と女性のエンパワーメントを目的としています。特設サイトには対談記事、動画、国内外の女性マネージャーからのメッセージを掲載しています。各拠点でも自主的な企画を行い、タイでは女性座談会、インドネシアではお花のギフト贈呈など多様な取り組みが行われました。
    イベント後のアンケートでは多くのポジティブなフィードバックが得られましたが、「なぜ女性だけなのか」という質問もあり、ダイバーシティの捉え方について考えるきっかけとなりました。

 

デジタルとリアルのシナジーを目指す、ヤンマーのコミュニケーションフレームワーク

社内コミュニケーションの目的は大きく5つに分けられます。

  1. 企業理念、ビジョン、経営戦略の共有 →理解・自身の行動喚起へ
  2. モチベーション、ロイヤリティ向上
  3. 社内縦串・横串・斜め串の連携強化
  4. 社会との連携
  5. 企業文化の醸成・伝承
では具体的に中身をもう少し構造化すると、以下の4Pに集約できると考えています。
  • Philosophy(理念・哲学)
  • People(人財)
  • Profession(事業・専門性)
  • Privilege(働きやすさ)
この4P は、どの企業でも活用できると思います。
以下が、社内コミュニケーション5つの目的と4つのポイントを踏まえた、グローバルヤンマーを実現するコミュニケーションフレームワークです。



HANASAKA とブランドステートメントを中心に、これらをデジタルとリアルのシナジーによってグローバルに向けて発信していくことをヤンマーのコミュニケーションフレームワークと捉えております。
その際に大事なのがやはり「共感」です。一方的に押しつけるのではなく、共に創り上げること、共に感じること、そして親しみやすく感情的な繋がりを築くことが社内コミュニケーションにおける大事なポイントと捉え、実行しております。

ご清聴ありがとうございました。

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