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グローバルマーケティングとは?成功させる方法を解説
佐藤菜摘
国境を越え、世界でビジネスを展開していくには、グローバル市場に対応したマーケティング戦略が欠かせません。
ターゲットとなる国や消費者層を見極め、異なる文化や価値観を理解した上で効果的なアプローチを行うことが、企業の海外進出を成功させるカギといえます。
この記事では、近年重要視されているグローバルマーケティングを実施する上でのポイントや成功させる方法について解説します。
目次 |
グローバルマーケティングとは、世界の市場を対象としたマーケティング活動
グローバルマーケティングとは、世界の市場を対象とするマーケティング活動のことです。企業の事業内容や戦略に沿って、製品やサービスを複数の国や地域で展開し、異なる文化や市場の特性に適応させることが求められます。
海外の顧客にアプローチすることで、収益性の向上や企業ブランディングの強化につながり、ビジネスの成長が期待できます。
グローバルマーケティングを実施する上でのポイント
世界の市場におけるマーケティング活動を円滑に進めるためには、いくつか押さえておきたい重要な要素があります。ここからは、グローバルマーケティングを実施する上でのポイントを見ていきましょう。
セグメンテーション
グローバルマーケティングを展開するにあたって重要なポイントのひとつが、セグメンテーションです。セグメンテーションとは、グローバル市場において、特定のニーズや属性を持つ顧客ごとにグループ分けを行うことをいいます。
マーケティングで重要となるのは、自社の製品やサービスのターゲットとして適切な層を見極めることです。国や地域ごとの顧客行動やニーズの違いを調査してセグメント化することは、ターゲット層を見極める上で必須となります。
ポジショニング
グローバルマーケティングを実施する上では、ポジショニングも重要です。ポジショニングとは、企業やブランドの市場における立ち位置を決めることです。市場の規模や成長率、競合他社の状況などを調査した上で、どのような立ち位置で競争するかを決定します。
ポジショニングは、市場のニーズや各地の文化にも左右されます。ポジショニングを地域ごとに変えるのか、世界的に統一するのか、慎重に判断することが必要です。
ローカライゼーション
ローカライゼーションも、グローバルマーケティングを行う上で重要なポイントといえます。ローカライゼーションとは、商品やサービス、広告戦略などを、各国の文化や言語に合わせて最適化することです。
具体的には、パッケージのデザインやキャンペーン内容、商品の提供方法などを、各地域に合ったものに調整します。Web サイトの多言語化も、ローカライゼーションの一環といえます。
ローカライゼーションを行うには、4つのPといわれる要素を考えることが重要です。Product (製品)、Place (流通)、Price (価格)、Promotion (販売促進)という4つの切り口から、それぞれのローカライズを検討してみましょう。
トランスクリエーション
グローバルマーケティングを実施する上で必要なポイントとして、トランスクリエーションも挙げられます。トランスクリエーションは、translation (翻訳)と creation (創造)を組み合わせた造語で、テキストを中心としたコンテンツのローカライゼーションを指します。単なる翻訳ではなく、国・地域の文化や習慣、人々の感情に適応したコンテンツを作成することが重要です。
カルチュラル・インテリジェンス
カルチュラル・インテリジェンスも、グローバルマーケティングにおいて重要です。カルチュラル・インテリジェンスとは、異なる文化への理解力と適応力や、文化の違いを越えて円滑にコミュニケーションを図る能力を指します。グローバルマーケティングを行う上では、現地の人々との協力体制が欠かせません。異なる文化を理解して尊重することが、現地のチームや協業企業との信頼関係を構築していくことにつながります。
グローバルブランディング
グローバルマーケティングを実施する上では、グローバルブランディングも大切なポイントです。グローバルブランディングとは、ひとつの国や地域のみならず、世界的に統一されたブランドイメージやメッセージを構築することを指します。
企業がグローバルブランディングを実現するには、各国の消費者の多様性を意識しつつ、どの国や地域においてもブランドイメージやメッセージを一貫して届けていくことが必要です。ブランドの確立には時間がかかりますが、成功すれば市場における差別化ができ、市場で一歩抜きんでることにつながります。
マーケティングチャネル
グローバルマーケティングでは、マーケティングチャネルを検討することも必要です。マーケティングチャネルは、製品やサービスを消費者に届ける経路を指し、国や地域の事情によって最適なものが変わってきます。そのため国や地域ごとに、デジタル施策とオフライン施策のどちらを強化するかなどを検討し、チームにおけるタスク分担を考える必要があります。
体制構築
グローバルマーケティングを行う上では、組織の体制構築も欠かせないポイントです。グローバルに展開するビジネスにおいては、各国の現地チームの思いを汲み取ろうとすると、全体としての意思統一が困難になり、プロジェクトが前に進まないことも少なくありません。プロジェクト設計をしっかり行った上で、責任と推進力を持った役員層を配置することが重要です。
グローバルマーケティングを成功させる方法
グローバルマーケティングを成功させるには、先に紹介したポイントを踏まえた上で、いくつか行っておくべきことがあります。ここからは、グローバルマーケティングを成功させるための方法を解説します。
自社に適したマーケティング手法を設定する
グローバルマーケティングを成功させるためには、自社に適したマーケティング手法を設定することが重要です。
例えば、テクノロジーやエンターテイメントなど、各国の消費者の好みが比較的共通している分野と、食品やファッションなど、各国の文化によって消費者の好みが異なる分野では、マーケティング戦略も変わってきます。自社の商品やサービス、ターゲットとなる層に応じて、国ごとに個別最適化するのか、本社が統制してブランドの一貫性を図るのか、などを決めていくことが大切です。
さらに、リード獲得の方法はオフラインとオンラインのどちらを主軸にするのかなど、自社の商品やビジネスモデルに沿ったマーケティングの方法を検討する必要があります。
また、マーケティング施策を決める際には、海外展開における自社のフェーズを意識することも重要です。例えば、初めての海外進出であれば、駐在員を配置して実際に現地で情報収集や調査をすることから始めることになるでしょう。一方、すでに現地法人を設立していれば、本国からの情報発信支援をどのように行うかなど、海外展開のフェーズに応じたアプローチが必要です。
目的・目標を明確にする
グローバルマーケティングを成功させるためには、目的や目標を明確にすることが必須です。グローバル展開においては、推進途中でさまざまなステークホルダーからの要望を汲んで採用していった結果、最終的に海外法人などの立ち上げそのものがゴールとなってしまうケースも少なくありません。
マーケティング活動の主軸がリサーチなのか、または顧客開拓やブランディング・プロモーションなのかによって、採用すべき施策は大きく異なります。さらに、現地のマーケティングチームの動きは、本社の管理者から見えにくくなるため、目的や目標を明確にして、何を管理すべきなのかを定めることが重要です。
高速 PDCA による試行錯誤と仮説検証を意識する
グローバルマーケティングを行う上では、PDCA を高速で回しながら、試行錯誤と仮説検証を行うことも大切です。グローバルマーケティングは、一度で思ったような結果を得られるわけではないことを、プロジェクト関係者および管理者はしっかり意識する必要があります。
途中であきらめず、「失敗は学習」となるようスピーディーに PDCA を回していくことで、マーケティングを成功させる方法を見抜けるようになっていくでしょう。
Web サイトの多言語化による支援
グローバルマーケティングを成功させるためには、Web サイトの多言語化による支援も必須です。現地の駐在員などの業務を後押しするには、固定的な PDF 資料に加え、企業の Web サイトや製品ブランドサイトが多言語化されていることも重要です。現地の人に読みやすい言語で表記されていると、現地チームが日々の業務を進める上で大きな支援となります。
また、海外 SEO による問い合わせの増加を狙うような場合も、Web サイトの多言語化が必要となります。企業の情報や製品への思いなどをターゲット層の母国語で伝えるとともに、問い合わせへの導線整備や問い合わせ入力フォームの多言語化も確実に行いましょう。
よくあるトラブルとして、多言語化をすると元の Web サイトでは設置されていた導線が消えてしまったり、入力フォームにカナ入力が必須となり先に進めなかったりするケースがあります。多言語化ツールを検討する際は、そうしたトラブルがなく、スムーズに多言語化ができる製品を選ぶことが大切です。
グローバルマーケティングを成功に導くためには「WOVN.io」の活用がおすすめ
グローバルマーケティングを成功させるには、セグメンテーションやポジショニングなど基本的なポイントを押さえた上で、自社に合ったマーケティングの仕方を採用し、高速で PDCA を回していくことが重要となります。また、グローバルマーケティングをより効率的に行うには、各国のターゲット層に必要な情報を届ける Web サイトの多言語化が必須です。
Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io」は、Web サイトに1行のスクリプトを挿入するだけで、多言語化が可能です。新たに Web サイトを構築する必要がないため、企業がグローバルに展開する際の手間を大幅に削減できます。自動でコンテンツの更新をスピーディーに反映させることができるため、人的リソースとコストを削減しつつ、継続的な運用が可能となります。
海外展開のノウハウが豊富な Web サイト多言語化のプロフェッショナルによる手厚いサポートもあるため、初めてグローバルマーケティングに取り組む企業のご担当者も、安心して活用いただけます。グローバルマーケティングの展開にあたっては、ぜひ Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io」を検討ください。
佐藤菜摘
前職は、広告代理店にて大手CVSの担当営業として、販促物製作やブランディングプロジェクトに従事。2016年WOVN Technologies株式会社に入社し、広報業務を担当。2022年よりMarketingチーム。