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RED や WeChat の特徴を解説!プロモーションのポイントも紹介

佐藤菜摘

中国では、RED や WeChat、Weibo、Douyin といった SNS が人気です。日本ではあまり見聞きすることのないこれらの SNS にはどのような特徴があり、企業がプロモーションに利用するには、どのように活用していくのがよいのでしょうか。
本記事では、RED と WeChat を中心に、中国の SNS の特徴について解説します。中国のユーザーに対しプロモーションを行う際のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次 |
RED とは女性に人気の中国版 Instagram のこと
RED(レッド)は、写真・動画コンテンツの共有、EC、カスタマーレビューなどの機能を備えた SNS サービスです。中国では、「小紅書(Xiaohongshu)」という名称で親しまれています。使用感や操作性が Instagram に近いことから、EC・レビュー機能付きの中国版 Instagram ともいわれます。
RED は、美容やファッション、コスメ、グルメ、旅行などに関する写真・動画コンテンツの投稿が多く、特に若い女性に人気の SNS サービスです。中国の若い世代は、気になる商品があった場合、まず口コミを確認してから、EC サイトなどで購入するのが一般的です。RED は、EC 機能・レビュー機能があるため、レビューの確認から購入までがとてもスムーズに行えます。こうした特長から、都市部の若い女性が多く使用しています。
WeChat とは中国最大のコミュニケーションアプリのこと
WeChat(ウィチャット)は、チャットやオンライン通話、決済といった機能を備え、日本でいうならLINE のような SNS サービスです。WeChat は、世界で利用される国際版と中国国内版と分かれており、国際版が WeChat、中国版は「微信(Weixin)」と呼ばれています。ユーザー数は10億人以上で、中国で最大のコミュニケーションツールとして利用されています。
WeChat は、テキスト・動画の投稿や視聴の他、EC サイトなどの各種アプリをそのまま使える機能も備えており、中国の生活では欠かせない SNS といっても過言ではありません。新型コロナウイルス感染症が拡大したときには、地域の感染状況のリアルタイム配信や、健康状態の可視化サービスも提供されました。
なお WeChat は、スマートフォン版なら日本語で使うことも可能です。チャットの翻訳機能も備えているなど、日本人にも使いやすいアプリになっています。
その他の中国 SNS
中国には、RED や WeChat の他にも複数の SNS があります。主な SNS は以下のとおりです。
Weibo(ウェイボー・微博)は、フォローした有名人や企業が発信する最新情報をリアルタイムで知ることができ、かつ自身も手軽に情報を発信できる、X のような SNS です。主に、情報収集ツールとして活用されています。
Douyin
Douyin(ドウイン・抖音)は、中国で8億人を超えるユーザーがいる、最も利用されているショート動画のプラットフォームです。世界で人気の動画アプリ TikTok と同じ企業が開発・運営しており、TikTok が海外版、Douyin が中国国内版となっています。
なお、TikTok と Douyin は異なるプラットフォームであり、TikTok は中国本土からはアクセスできません。海外企業が Douyin を中国向けのマーケティングに利用したい場合、すでに TikTok のアカウントを持っていても、Douyin のアカウントを別途作成する必要があります。
中国市場をじっくり開拓したいなら RED がおすすめ
中国人のユーザー向けにプロモーションを行う場合にどの SNS が適しているかは、中国における自社のブランド・商品の知名度、商品のビジュアル、中国にすでに一定の顧客がいるのかどうかによって異なります。美容やファッション、コスメ、グルメ、旅行などの分野で、じっくり中国市場を開拓していきたいと考えている場合は、RED を使っていくのがおすすめです。
RED は、ユーザーの大多数が都市部に住む若い女性で、主に美容やファッション、グルメ、旅行などのトレンド情報や新商品レビューの収集・共有、商品の購入に使われています。RED を活用すれば、若い女性のファンの獲得、コミュニティの形成などが可能です。インフルエンサーを起用したコンテンツなどを発信することにより、口コミに勝る効果を見込めるでしょう。
企業が RED を始める場合は、公式の企業アカウントを作成するのがおすすめです。企業アカウントを作成する際は、以下の情報・書類を提出する必要があります。
<RED の企業アカウント作成に必要な情報・書類>
・アカウント名などの情報
・ブランド・ロゴデータ
・企業の履歴事項全部証明書
・アカウント申請書(テンプレートあり)
・運営者情報(企業担当者の氏名、電話番号、メールアドレスなど)
・企業アカウント用の電話番号
指定フォームに必要事項を記載して書類と共に提出し、審査を通過すると、公式認証を得た企業アカウントとして運用を始められます。
すでに中国の顧客がいる場合は WeChat がおすすめ
中国市場を開拓するにあたり、すでに中国に一定の顧客がいる場合は、WeChat を活用していくのがおすすめです。WeChat を活用すると、フォロワー向けにセールやキャンペーンの情報を発信したり、クーポンを発行したりすることができます。また、メッセージ機能を使えばフォロワーと直接チャットをすることも可能です。
また WeChat は、TikTok のようなショート動画の投稿やライブ配信にも対応しています。WeChat のフォロワーは、動画告知に対して高評価をくれたり、そのまま購入してくれたりするケースが多く、積極的に活用するほど高い効果を見込めるでしょう。
WeChat の企業向けアカウントには、サービスアカウント、購読アカウント、企業アカウントの3種類があります。一般企業が WeChat をマーケティングに利用する場合は、サービスカウントの使用が適しています。なお、購読アカウントは個人利用向けで、企業アカウントは企業内のクローズ環境で使うアカウントです。
アカウントは、Web サイトから申請できます。ただし、中国国内版の Weixin と国際版 WeChat では申請するページが異なるため、注意が必要です。Weixin のアカウント開設には、現地法人や現地の電話番号が必要なので、代理店に開設・運用を委託するのがおすすめです。
WeChat のアカウントの開設ができたら、続けて公式認証の手続きをします。公式認証の手続きには、主に以下の情報・書類の提出が必要です。
<WeChat の公式認証に必要な情報・書類>
・企業名、所在地、事業内容、代表者名など
・銀行口座情報
・登記簿謄本の画像
中国 SNS でプロモーションを行う際のポイント
企業が中国の SNS でプロモーションを行う際には、いくつかの注意すべき点があります。主な注意点は以下の2つです。
SNS 間の連携は慎重に行う
中国には複数の SNS があり、それぞれ特徴がはっきりしているため、SNS 同士を連携させるには、各 SNS の特徴を踏まえた上で、うまく連携させる必要があります。やり方によっては、SNS の規約違反となる場合もあるため注意が必要です。
例えば、自社の WeChat 公式アカウントの URL を、そのまま Douyin のショート動画やコメント欄に貼り付けると、Douyin の規約に違反します。規約違反の注意を受けても改善が見られない場合は、アカウント停止になる可能性もあります。
中国の SNS は、外部リンクに対して厳しいケースが少なくありません。社会状況の変化に応じて規約が変更される場合もあるので、こまめに確認しておきましょう。
Web サイトを多言語化して離脱を防ぐ
日本国内で中国 SNS を活用してプロモーションを行うなら、Web サイトを多言語化するのがおすすめです。Web サイトを多言語化しておくと、SNS を通じて中華系の訪日観光客の集客ができたときに、遷移先の受け皿として機能します。集客した訪日観光客へ、母国語を用いた適切な情報提供によって離脱を防げるだけでなく、さまざまなフィードバックが得られ、商品・サービスの改良に役立ちます。
RED や WeChat を上手に活用して中国のファンを獲得しよう
中国では、RED、WeChat、Weibo、Douyin といった SNS が利用されており、中国でのプロモーションにはこれらの活用が不可欠です。中国本土でのビジネス展開を考えている場合や、中華系の訪日観光客向けにビジネスを行いたい場合は、SNS ごとの特徴を知り、効果的に活用することが大切です。中国 SNS を上手に活用すれば、中華圏の多くのファンを獲得できるでしょう。
また、中華系の訪日観光客の他、広く海外市場のユーザーに向けて SNS によるプロモーションを行う際は、獲得したファンが日本語しかない Web サイトで離脱してしまうことを防ぐためにも、Web サイトの多言語化をしておくことが大切です。
Web サイトを多言語化するなら、「WOVN.io」がおすすめです。18,000サイト以上の企業導入実績がある「WOVN.io」なら、Web サイトに1行のスクリプトを埋め込むだけで多言語化でき、日本語のコンテンツが公開されるタイミングと同時に世界中の顧客に母国語で情報を共有できます。また、日本語のコンテンツが更新されるたびに、変更が多言語版にも自動的に反映されるため、多言語版の管理が容易です。
Web サイトの多言語化ならぜひ「WOVN.io」の導入をご検討ください。

佐藤菜摘
前職は、広告代理店にて大手CVSの担当営業として、販促物製作やブランディングプロジェクトに従事。2016年WOVN Technologies株式会社に入社し、広報業務を担当。2022年よりMarketingチーム。
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