自社サイトを翻訳する方法とは?各翻訳方法の特徴と選び方

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WOVN.io Marketing Team

世界中の人が Web で情報収集する今、外国人が日本企業について調べることは珍しくありません。しかしWeb サイトが日本語でしか表示されていない場合、外国語ユーザーはどうするでしょうか?諦めて離脱するか、個人的にブラウザ等の翻訳ツールを利用して翻訳するかもしれません。

本記事では、個々のユーザーに翻訳を任せるのではなく、企業自身が自社の Web サイトを翻訳するための複数の方法をご紹介します。また、その中から自社に合ったものを選ぶ方法、および、Web サイトに特化した多言語化ソリューションを使うメリットを解説します。

目次

自社サイトを外国語に翻訳するメリットとは?

自社の Web サイトを外国語に翻訳して複数言語で表示することには、様々なメリットがあります。以下を参考に、具体的なメリットを把握することから始めましょう。

海外のステークホルダーに対して発信できる

今や日本人のステークホルダーに閉じていては企業の成長が成り立たない時代と言えます。海外の取引先や消費者、グローバル拠点の従業員、海外投資家など、企業が情報発信したい相手は世界に広がっています。リモートでのコミュニケーションのために Web サイトは不可欠です。自社サイトを翻訳することで、海外ステークホルダーとのコミュニケーションが促進され、ひいては、企業成長の加速に繋がるといえます。

国内の在留外国人に対して発信できる

企業が外国語で情報発信すべきは海外向けに限られません。在留外国人の数は2021年末に277万人以上でした(※1)。近年の世界的な感染症拡大の影響を受けているものの、今後また在留外国人が増加する可能性も考えられます。日本企業のサービスや製品は、在留外国人も日本人と同じ様に利用します。サービスサイト等を翻訳して複数言語で表示することが、言語の壁を越えてユーザー体験を向上させるうえで欠かせません。

※1 出入国在留管理庁 令和3年末における在留外国人数について
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00001.html

また、国内の従業員が多国籍な企業も多いでしょう。企業では、理念や事業計画、社内報等の多くの情報がコーポレートサイトや社内向けサイトで従業員に共有されます。情報が全従業員に伝わるようにサイトを翻訳することは、従業員エンゲージメントの向上において重要なポイントです。

母国語でサイトを利用したい人にも届けられる

欧州委員会が公表した調査(※2)では、EU のインターネット利用者の内「母国語で Web サイトを閲覧したい」と回答した人は90%を占めました。言語が多様な EU で行われた調査であることから、多くの人が母国語で Web サイトを閲覧したがっていること、そして Web サイトを翻訳することの重要性が分かります。複数言語で自社サイトを表示することで、多様な国のユーザーをサイトに誘導できる可能性が高まります。

※2 欧州委員会 Digital Agenda: more than half EU Internet surfers use foreign language when online(2011)
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_11_556

 

自社の Web サイトを翻訳する4つの方法

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自社の Web サイトを翻訳する主な方法を4つ紹介します。あわせて、それぞれの方法の強みと弱みも簡単に紹介します。

無料の機械翻訳ツールを活用する

インターネットでアクセス可能な無料の機械翻訳ツールを、 Web サイトの翻訳に利用できます。

無料の機械翻訳ツールの強み

1点目はコストです。無料の翻訳ツールを利用すれば、翻訳の費用がかかりません。2点目はスピードです。機械翻訳は大量のページがある EC サイトでも短時間で翻訳できます。加えて、翻訳ツール利用のための準備プロセスがほぼ無いため、すぐに翻訳を実施することが可能です。

無料の機械翻訳ツールの弱み

1点目は翻訳対象が文章に限られることです。Web サイト上の画像の中にテキストが含まれる場合、機械翻訳にかけても元言語のまま残ります。2点目は、専門用語の翻訳に強くないことです。固有の企業名や商品ブランド名、また業界の専門用語等は、機械翻訳で正しく翻訳できないケースが多いでしょう。3点目は、海外 SEO 対策ができないことです。SEO 関連タグの title タグ、meta タグも言語ごとに翻訳する必要がありますが、無料の機械翻訳ツールでは対応できません。

翻訳会社に人力翻訳を依頼する

クラウド翻訳等のサービスを使って、プロ翻訳者に人力翻訳を外注する方法もあります。

プロによる人力翻訳の強み

1点目は正確性です。翻訳者自身がセルフチェックを行い、体制によっては2人目の翻訳者がダブルチェックするため、基本的に誤訳が防がれます。2点目は、掲載媒体や文脈に応じた翻訳です。翻訳者は、どのような媒体に掲載されるコンテンツを翻訳しているのかを把握しています。Web サイトのボタンに "home" と書かれているなら、「家」ではなく「トップページへ」と翻訳できます。

プロによる人力翻訳の弱み

1点目はスピードです。翻訳者が1日で対応できる翻訳量が限られるため時間がかかります。また、背景理解のための調査や翻訳チェック等の時間も追加されます。2点目はコストです。日本語から英語への翻訳は、一般的に1文字あたりの単価が10〜30円程度と言われます。より希少性の高い言語を使う場合や、医療や法律等の専門性の高い領域の場合は、頼める翻訳者が限られるために文字単価がより高くなります。

自社内で人力翻訳を行う

自社で専属の翻訳者を雇っている場合、または翻訳スキルを持つ従業員がいる場合、社内で翻訳業務を行うのもひとつの方法です。

自社での人力翻訳の強み

1点目はコミュニケーション・コストの低さです。Web サイトを翻訳する際、コンテンツ担当者と翻訳者は多くのやり取りをします。背景情報の共有、文章のトンマナの認識合わせ等です。社内の翻訳者は事業内容等に対する理解度が高いことから、外注する場合よりもやり取りにかかる手間を抑えられます。2点目はノウハウの蓄積です。過去に翻訳した内容を理解したうえで翻訳資産やノウハウを蓄積しておくことで、次の翻訳業務をより効率的に実施できることが期待できます。

自社での人力翻訳の弱み

1点目はスピードです。プロ翻訳者に外注する場合と同様に、社内で人力翻訳する場合も翻訳に時間がかかります。2点目は他業務への影響です。プロの翻訳者ではない従業員に翻訳を任せる場合は、より一層時間がかかることが想定されるため、主業務の進捗に影響を与えてしまうことも考慮しておく必要があるでしょう。

Web サイト専用の多言語化ソリューションを活用する

自社サイトの翻訳には、「WOVN.io」の様な Web サイトの多言語化に特化した多言語化ソリューションを利用することがおすすめです。

多言語化ソリューションの強み

1点目は、ページの特性によって機械翻訳と人力翻訳の使い分けが可能なことです。公開スピード重視のページでは機械翻訳を活用、正確性重視のページではプロ翻訳者に人力翻訳を依頼、といった選択が可能です。具体的には、「翻訳方法の選び方」を参照してください。

2点目は、Web サイトの多言語化に必要な翻訳以外の機能が充実していることです。例えば Web サイトの表示言語によって画像を切り替えられる他、翻訳により文章の長さが変わる場合にフォントサイズを調整することも可能です。

多言語化ソリューションの他の強みについては、「Web サイトの翻訳には多言語化ソリューションがおすすめ」を参照してください。

多言語化ソリューションの弱み

多言語化ソリューションは、上記に挙げられた強みを実現するために有料で提供されていることから、コストがかかります。翻訳対象である Web サイトの特徴、翻訳言語数、ページ数等によってコストが変動するため、多言語化ソリューションの導入を考える際には予算とコストの確認が必要です。

コストはかかるものの、企業サイトの翻訳ならではのメリットを多く得られるため、自社サイトの翻訳を考える際には WOVN.io の導入を検討してみてください。

翻訳方法の選び方

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自社サイトを翻訳する方法は、上記のように複数あります。そのため翻訳方法の選び方を理解することも、自社サイトを外国語ユーザー向けに発信するための備えになります。

翻訳にかけられる時間やコストで選ぶ

別言語に翻訳した Web サイトの公開までに翻訳にかけられる時間やコストを逆算して、それに合った翻訳方法を選択する考え方もあります。時間的余裕があり、かつ予算が充実している場合は人力翻訳を多く活用し、スピーディーに進めたい、またはコストを抑えたい場合には、機械翻訳を活用する前提で翻訳方法を考えた方が良いでしょう。

自社サイトの種類や目的で選ぶ

翻訳対象サイトの種類やサイト運用の目的を確認しましょう。下記に考え方の例を示します。

社内向け情報サイトの場合

社内向けサイトでは機械翻訳が便利です。全従業員に同じタイミングで発信することを重視し、一字一句正確に翻訳することよりも公開スピードを優先したいケースが多いのではないでしょうか。機械翻訳なら素早く複数言語に翻訳でき、Web サイトの情報は印刷物と違って修正をすぐ反映できるため、修正が必要な箇所は、後から人が修正(ポストエディット)することも可能です。

コーポレートサイトの場合

コーポレートサイトでは、人力翻訳と機械翻訳を使い分けることがおすすめです。例えば代表挨拶や企業理念のページは、ブランディングの目的から人力翻訳が最適でしょう。人力翻訳は、表現の細部にまで気を遣った翻訳が得意なためです。これらのページは更新頻度が低く、一度翻訳すればそれ以上の翻訳コストがかかりにくいのが特徴です。

機械翻訳が適しているのは、ニュースリリースのページです。更新頻度が高いニュースリリースに人力翻訳を採用すると、コストが膨らみます。また広報の目的からすると、日本語でも外国語でも同時にいち早くニュースを届けたいでしょう。機械翻訳ならスピーディーに多言語で発信できます。誤訳が気になる場合は、機械翻訳の後に人力修正(ポストエディット)をかけてから公開することも可能です。

プロモーションサイトの場合

プロモーションサイトの場合、更新頻度が高くなく文字量も限定的なサイトが多いでしょう。一方でブランディングの目的から、表現に注意して翻訳したいと想定されます。このため、専門用語を正しく、またメッセージをクリエイティブに翻訳できる、プロ翻訳者による人力翻訳が適切といえます。

複数の翻訳方法を使い分ける

自社サイトの翻訳方法は一つに限る必要はありません。「自社サイトの種類や目的で選ぶ」で説明したように、掲載内容の特性や、スピーディーに公開したいかどうかで、機械翻訳と人力翻訳を使い分けることがポイントです。

多言語化ソリューションを利用すれば、Web サイトの翻訳に特化した機能が充実しているため、機械翻訳と人力翻訳を使い分ける場合でも、全ての翻訳業務をひとつのプラットフォームで管理・推進することが可能になります。

多言語化ソリューションを活用しない場合のデメリット

自社サイトを翻訳する場合、多言語化ソリューションを利用せずに対応することにはデメリットがあります。

言語ごとのシステム開発が必要になる

多言語化ソリューションを利用せずに自社サイトを翻訳する場合、表示言語ごとにサーバー構築やサイト構築が必要になります。最初は英語対応だけだとしても、事業の海外展開に応じて表示言語を増やす場合に言語ごとにコストが増大することになってしまいます。

言語ごとの翻訳・反映作業が必要になる

無料で提供されている機械翻訳のような、Web サイトに特化していない翻訳ツールを利用する場合、大きな手間がかかります。翻訳したり、翻訳結果を Web サイトに反映するために HTML に埋め込んだり、といった作業が言語ごとに必要になります。

各言語のサイトの運用負担が大きくなる

多言語化ソリューションを利用せずに表示言語ごとにサイト構築している場合、サイト運用工数が増大します。元言語のサイトで内容が更新がされると、同じ更新を全言語のサイトに反映する必要があるからです。特に、元言語のコンテンツ作成担当とサイトの翻訳担当が異なる場合には、元言語サイトが更新される度に担当間で連携が必要になる等、やり取りの手間もかかります。

Web サイトの翻訳には多言語化ソリューションがおすすめ

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Web サイトの翻訳を行う際には、多言語化ソリューションを導入することがおすすめです。特に WOVN.io を選ぶと多くのメリットがあります。具体的な理由を、下記に解説します。

言語ごとのシステム開発が不要になる

多言語化ソリューションを導入することで、言語ごとにサーバー構築やサイト構築する必要がなくなります。サイト構築・運用に関する専門知識がなくても、問題なく自社サイトを多言語化して運用できるのが WOVN.io の特徴です。

WOVN.io なら、元言語サイトに表示されているコンテンツのデータを取り込み、翻訳言語でページを生成します。翻訳言語数にかかわらずこのプロセスを自動で実施できるため、言語ごとのシステム開発が不要になります。段階的に海外展開を進める場合、後から言語を追加する設定も簡単です。

最適な翻訳品質を実現できる

多言語化ソリューションであれば、自社サイトの特性に応じて機械翻訳または人力翻訳を選択できます。また、同じサイトの中でも部分ごとに機械翻訳と人力翻訳を使い分けることも可能です。

さらに、WOVN.io の場合、様々な企業が提供する機械翻訳エンジンの中から最適なものを選択できます。例えば翻訳元言語と翻訳先言語の組合せによっては、機械翻訳エンジンごとに翻訳品質が異なる場合があるからです。複数の翻訳方法から組み合わせることで、自社のブランドイメージを守りつつサイト運用するうえで最適な翻訳品質を実現できます。

多言語に翻訳した Web サイトの運用を自動化できる

多言語化ソリューションを活用すれば、自社サイトを一度翻訳するだけでなく、継続的にサイトを多言語で運用できるようになります。自社サイトに WOVN.io を導入した後は、元言語のページでコンテンツが更新された際に WOVN.io が自動で検知し、翻訳言語のページも更新できるためです。

ページが表示される度に内容が変わる動的コンテンツ(例:会員情報、在庫数情報、等)も、WOVN.io なら自動で検知して翻訳できるため、安心して多言語に翻訳した自社サイトを自動運用することができます。

海外展開、海外でのマーケティング活動ができる

多言語化ソリューションを利用すると、多言語に翻訳した自社サイトで海外での販売展開やマーケティング活動を行いやすくなります。WOVN.io は、翻訳言語のページに対して独自の URL を発行する他、そのページの言語情報(lang・hreflang 属性)を自動設定することで海外 SEO 対策をサポートします。 加えて、WOVN.io であれば、翻訳言語ページの URL について、表示パターンを自社ブランディング観点から選択できます。

セキュリティ対策機能がある

自社サイトに個人情報がある場合、外部のソフトウェアによる翻訳は不安かもしれません。ただし多言語化ソリューションは Web サイトの翻訳に特化しているため、情報保護対策が可能です。WOVN.io なら、翻訳の過程で個人情報が漏れないように対策できます。加えて、社内向けサイトの様な機密情報を扱うサイトを翻訳する場合も、翻訳データへのアクセスを IP アドレスで制限することで情報漏洩を対策できます。

多言語化のプロにサポートしてもらえる

WOVN.io のような多言語化ソリューションには、プロによるサポートサービスがあります。Web サイト多言語化のプロがサイト構築から翻訳、運用に至るまで全てのフェーズでサポートを行うため、安心して導入をご検討いただけます。

まとめ

以上の通り、企業が Web サイトを多言語に翻訳する方法は複数あります。Web サイトの特性や運用目的にあった翻訳方法を選ぶことが重要です。

これから自社サイトの翻訳を行うのなら、ぜひ、機械翻訳や人力翻訳を組み合わせて使える多言語化ソリューション WOVN.io の導入をご検討ください。

 

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