【Picard|イオンサヴール】日本に住む外国人をターゲットにした成長戦略とは?

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WOVN.io Marketing Team

2022年8月、WOVN はフランス発の冷凍食品専門店『Picard(ピカール)』の EC サイトを運営するイオンサヴール 井出氏をゲストにお招きし、オンラインセミナーを実施しました。

コロナ禍で急激な成長を遂げた EC 市場。利用者の拡大に伴い、外国人に商品を届けることができる機会も圧倒的に増加しました。
本記事では、セミナー内で紹介された、イオンサヴールが国内の外国人市場に目を向けた背景と EC サイトの取り組み内容について詳述します。


【登壇者】
井出 航介
株式会社イオンサヴール EC事業部 部長
2008年に EC 業界に転職し、以来14年ほどオフィシャルサイトはもちろん、楽天・Amazon など外部サイトの運営に従事。EC サイト運営だけでなく、データ分析・広告運用・予算策定・予実管理・商品戦略・顧客戦略・販促戦略・物流構築など多岐にわたる領域を担当し、会社の成長・売上拡大に貢献。中でも、データ分析からの戦略策定に長けている。
現在は、イオンサヴールの EC 事業責任者として EC 事業の中長期戦略を策定し、EC 運営、デジタルマーケティング、DX、オムニチャネル事業等を推進。

青木 達也
Wovn Technoologies株式会社 Sales Department Manager
開発者として複数の SIer を経て、2006年株式会社アピリッツに入社。部長を歴任し、2013年同社執行役員に就任。EC 関連の SI 部門の売上拡大に邁進。
2019年2月 Wovn Technologies に入社。「世界中のユーザが全てのデータに母国語でアクセスできるようにする」をミッションにインターネット空間のローカライズを目指す。

 

青木(WOVN):
それでは早速ですが、自己紹介をお願いします。


井出(イオンサヴール):
弊社は Picard という冷凍食品の会社でして、社名はイオンサヴールといいます。日本で設立して6年ですね。社名を見ていただくとお分かりかと思うのですが、イオンの100%子会社となります。

Picard はフランスでは国民食と言われているほど、圧倒的な人気があり、「365日、いつでも誰でもおいしさ溢れる食卓を」というコンセプトのもと、家庭料理を気軽にお楽しみいただける幅広い品揃えとなっています。8年連続フランス人の好きな食品ブランド No.1 を受賞していて、実はコスパが高い商品なんですよ。あとは冷凍食品だからこそ、フードロスや廃棄量の削減など「エコ」にはこだわりを持っています。
実は認知度がまだまだ低いのですが、オンラインショップでも商品が購入できるんです。
本日はよろしくお願いします!


 

青木(WOVN):
私の自己紹介は簡単に。WOVN で Sales のマネージャーをしております青木です。本日はよろしくお願いいたします。

井出さんにも以前お話をさせていただきましたが、日本国内では人口減少が顕著で、それとシュリンクしていく市場に対して打ち手を作らなければいけない。そこで必要になってくる外国人対応として、グローバル戦略・訪日・在留外国人、こういったところのアプローチができるんじゃないかと思っています。

その中で今回テーマに挙げさせていただいた「在留外国人への対応」ですが、ここでも立ちはだかるのが言語の壁で、この辺りのお話も是非お聞かせいただければと思います。



 

 

イオンサヴールの EC 戦略

青木(WOVN):
ではここからトピックに沿ってお話を伺っていきたいと思います。
まずはイオンサヴールの EC 戦略についてお願いします。


井出(イオンサヴール):
本日は WOVN さんを活用して「なぜ多言語化したか?」を中心にお話させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

まず事業戦略として、四ヵ年の売上目標が昨対比で見てもかなり高い数字になっています。Picard Japon においては、「EC が中核となり、高い収益性と成長性を兼ね備えた事業として成長する基盤の構築」というのが私に課せられたミッションです。

青木(WOVN):
結構高い目標数値だと思うのですが、ストレッチ目標になるんですか?


井出(イオンサヴール):
そうですね、高いと思います(笑)

この目標を達成するために、どんなユーザーをターゲットとするのか?新規顧客か、既存顧客かでも戦略は変わっていきます。
そこで、ファーストステップとしてまずは「現況把握」が一番大切なところです。
受注ベースから、自社の強みは?弱みは?伸ばせるべきポイントは?どう改善すべきか?この辺りを可視化するのです。

私たちの今年の重点課題として挙がったのは、既存顧客のリピート率強化と、新規顧客の CVR 強化、この2つです。

既存顧客の課題としては、2回目購入率が低い、お客様対応が不十分という点で、対策としては個別対応顧客コミュニケーションが挙げられます。一方、新規顧客の課題は、商品の魅力が伝わっていない、購入しにくいということ。これに対して、商品の魅力が伝わる、購入がしやすいサイト構築という対策を打ち出しました。

外国人のお客様目線で考えると、今うちのサイトは全て日本語で書かれている。日本語を母国語としないお客様からしたら、何が書いてあるのかわからない状況です。この部分はこの後お話させていただく外国人対応のところで詳しくお伝えしますね。


次に四ヵ年の数値目標を達成していくために、各指標で戦略を立てていきます。まず「売上予算」を達成するための組織構築ですね。誰が何をするべきなのか、そのスタッフのスキルをどこまであげるか?ということです。

EC だと売上を構成するのが、UU(ユニークユーザー)× CVR(コンバージョンレート)× 客単価、なのでこの3つについてそれぞれ戦略を策定しています。

UU のところでは、年間何人サイトに集めなければいけないのか。その為のマーケティングの仕組み。さらに、キャンペーンなどで多くお客様が集まった時にサイトがダウンしないような環境を整備する IT 戦略。

CVR では、新商品が知りたい、セール商品だけ知りたい、などのメルマガカスタマイズの強化と、そこからの CVR 向上。あとは、カゴ落ち・購入フローの改善などです。

客単価でいうと、プラス一点買ってもらうにはどうすればいいか?のセット率のアップですね。あとは客単価を上げるための商品ラインナップを拡充。

EC の重要なところで、買ったのに出荷が間に合わないと期待値が下がってしまいますよね。リピーターに繋げれられなくなってしまいます。

出荷してお客さんの手元にスムーズに届くまで、の物流対応(ロジスティック)とそれだけのデータに耐えられるシステム構築も非常に重要だと思っています。

 

青木(WOVN):
実店舗で購入して食べる。 EC での購入体験でも同じようにその一連の流れを考慮しなければいけないということですね。


井出(イオンサヴール):
そうですね。じゃないとお客様は着いてきてくれないですからね。これら、組織・マーケ・物流・IT・商品、5つの戦略に対して重点対応施策を組むのですが、その中の1つに「外国人対応強化」というのが入ってきています。

 

なぜ、在留外国人対応の強化に踏み切ったか?

井出(イオンサヴール):
まずは、なぜ外国人対応をやるのか?というところですが、Picard では外国人のお客様シェアが16%と高いです。にもかかわらず、外国語の対応ができていませんでした。

それに対して短期的な施策として Web の英語対応で WOVN さんを導入させていただきました。中長期的にはフランス語を含む多言語対応と、対外国人向けのカスタマーサービス構築、広告配信強化などに取り組む予定です。SEO 対策も含めて、今はまだ日本語しかできていないので。最終的には、外国人のお客様が安心してお買い物できるサイト構築をしていこう、が大きなゴールになります。4人に1人は外国人のお客様にしていきたいなというのが狙いです。


青木(WOVN):
SEO 対策も踏まえてなのですが、在留外国人の言語の壁の1つに、日本語で検索することの難しさというのがありますよね。ひらがなで打って変換して、というのが非常にハードルが高い。多言語ページも Google にインデックスされるようにして、例えば英語でも検索できるようにしていくことが重要ですよね。

そして、Web サイトに外国人の方が集まるようになれば、目標とする売上構成比率を達成する1つの要因になるということですね。

井出(イオンサヴール):
おっしゃる通りですね。誰でもできることならば母国語で検索したいと思うんです。なのでそれにヒットする日本語ベースの多言語サイトを構築できたらベストだと思います。

では、ここから外国人のお客様を増やすことの優位性についてお話できればと思います。まず、2021年の日本人と外国人のお客様データの比較なのですが、外国人のお客様はまとめ買いが多く、リピート率も高いことがわかります。実はこれは店舗でも同じことが言えるんですね。年間の売上で見ると外国人のお客様の方が143%も高いのです。

もう1つの優位性として顧客の囲い込みができるかな、と思っています。
物販の EC サイトにおいて多言語化しているサイトがまだそんなに多くない印象です。そこに対し早急にサイトとカスタマーサポートを多言語対応できたら、「Picard なら安心して買い物できるよね!」と思っていただけるわけです。そこは非常に強みになると思っています。

見込んでいる効果

井出(イオンサヴール):
そうはいっても、多言語システムを入れて売上にどれだけ効果があるの?という観点で、投資対効果の算出が必要ですよね。

データを見てみると、フランスのお客様は直帰率が低く、購入率が高いことがわかります。言語がわからなくても、自国の商品なので写真で見れば購入できていると想像できます。

それに対し、英語、中国語、韓国語のお客様の数字は直帰率が高い。回遊率も低く、離脱していることがわかります。言葉がわからないので、次のページに行けない、カートに入れてもこのボタンを押してもいいか二の足を踏んでしまう状況だと推測します。

青木(WOVN):
フランスの方は自国でブランディングがしっかりされているので馴染みがあり、購入しやすいのですね。

 

井出(イオンサヴール):
新商品は別ですが「フランスでこの商品を買ったことがある!」ということがある方も多いと思います。

次に、多言語システムの導入後にどうなるかを試算しています。
年間購入回数が増え、回遊率も上がる、直帰率は減る、そして一番重要ですが、CVR が高くなる。言語がわかるようにしてあげたから「買わない」理由を潰せるんですね。回遊率が上がっていくと購入点数と客単価はリンクしているので、客単価も上がっていく。シミュレーションすることで、年間を通してこれぐらい売上がアップする、と試算できるわけです。

WOVN が仮に2,000万かかるとしたら、増収、減益となってしまうので導入すべきではないという判断になりますが、実際の金額と照らし合わせると、増収・増益が見込めました。なので導入に至ったというわけです。導入することでどのぐらい売上が伸びていくか?を仮説立て、どこが課題かをシミュレーションする必要がありますね。

PDCA でいうと、Plan で外国人お客様の売上を伸ばす、Do は多言語システムを導入、Check で主要 KPI(Key Performance Indicator)が達成できているか確認し、Action で KPI 未達の要因特定と改善の実施、となります。

青木(WOVN):
PDCA はどれくらいのスパンで結果を振り返っていますか?


井出(イオンサヴール):
年間購入回数は1年、半年タームで見ていきますが、導入後のビフォーアフターは1ヶ月単位で見ていきます。長くても2ヶ月ですかね。

そして EC サイトのお客様のフローはこのパターンしかないと思っています。(下図参照)勝ちパターンとしては訪問と購入を繰り返すパターンです。

一番最初にやらなければいけないのは、「なぜこのお客さんは再訪しないのか」来ない理由を潰すことなんです。その後に「購入しない」理由を潰す。

外国人のお客様でいうと、日本語だけだから買いに来ない、この理由をなくすために多言語化しましょう、と言うのが狙いです。そこで、EC サイトに WOVN を入れて多言語化した、というのが今回のお話になります。

青木(WOVN):
我々とお話する以前から、在留外国人の方の傾向をすでに取られていらっしゃいましたよね。それは元々外国人の方の購入が多かったからですか?

井出(イオンサヴール):
店舗でも外国人のお客様は多いですが、EC ではどのような人が買ってるのか?を調べた時に、 国籍はとれないのですが、名前が英語やアルファベットで入力しているかでまずは判断していました。次に GA(Google Analytics)でユーザーの言語設定は取れるので、そこで予測した形ですね。


青木(WOVN):
GA の「地域」のセカンダリメンションに「言語」を追加すると在留外国人からのアクセス状況を見える化できますね。




WOVN を選んだ理由

青木(WOVN):
では、ここから WOVN を選んだ理由を教えていただけますか?

井出(イオンサヴール):
WOVN の他には、スクラッチでのサイト構築、他社の翻訳システム、Google 自動翻訳を検討しました。スクラッチは莫大なコストと運営の煩雑さで全く合わなかったです。

そこでシステムを導入しようとなったのですが、WOVN は複数の機械翻訳エンジンを使えたので、翻訳精度のところで他社よりも優位でした。1番の決め手はセキュリティ要件がクリアできたことで、EC サイトなので顧客情報を安全に管理できるところがよかったです。

あとは管理画面が直感的に使えることも評価が高かったです。導入したものの、特定の知識がある人しか使えないとなってしまうと困りますので、使いやすさも重要でした。

青木(WOVN):
少し補足ですが、WOVN ではマルチエンジンとして、 Google、マイクロソフト、みらい翻訳、最近追加された DeepL の4種を設けていて、言語ごとの特性に合わせて最適なものに切り替え、サポートしています。

またセキュリティ面ですが、例えば Google 翻訳などを使うと、お客様が入力する個人情報が全て翻訳システム側に渡ってしまうんですね。WOVN は項目ごとで除外設定ができるので、我々に飛ばす情報に制限をかけることができます。


井出(イオンサヴール):
他ではそれができなかったですね。

青木(WOVN):
今実際に導入作業していただいてると思うのですが、サポート体制はどうですか?


井出(イオンサヴール):
非常にわかりやすくサポートいただいてます。うちでいうと買って終わりではなくリピーターになってもらうことが目的ですが、御社の場合もシステムを入れて終わりではなくて、継続して使っていただくことが目的だと思いますので、期待しています!


青木(WOVN):
最後になりますが、イオンサヴールさんは今後、オムニチャネルのように店舗と EC の融合でお客様の満足度を上げていくのでしょうか?


井出(イオンサヴール):
結局、LTV(Life Time Value) が一番高くなるのが、店舗と EC をうまく併用しているパターンだと思います。両方を使っていただき、どちらでのお買い物であっても満足度を上げていくことがこれからの取り組みになりますね。


青木(WOVN):
なるほど、イオンサヴール様の今後のお取り組みに目が離せませんね。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

 

EC サイトの多言語化にご興味のある方へ

WOVN による EC サイトの多言語化について詳しく知りたい方はぜひ以下のページをご覧くださいませ。
EC サイトの多言語化について:https://mx.wovn.io/solution/ecommerce


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