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5兆円市場!事例から読み解く、インバウンドに依存しない売上増加キー“在留外国人市場”

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半田 有美

日本で暮らす外国籍の方々(※以降、「在留外国人」)による消費は、日本の経済や GDP に大きく関わっていると言われています。実際にコロナ禍前には、訪日外国人よりも在留外国人の消費額の方が大きく、その規模は約5兆円にものぼることがわかっていました。

2022年末に在留外国人の数は300万人を超え、増加の一途を辿っています。この市場を見逃さずにビジネスチャンスと捉え、多言語対応をはじめとした様々な取り組みを行うことで、実際に成果を出している企業も出てきています。

この記事では、日本の現状と、在留外国人対応に関する重要なポイント、また多言語発信により在留外国人市場を捉える企業の事例をご紹介します。


▼この記事のポイント
・少子高齢化による日本人の労働人口の減少
・日本に住む外国人は増加しており、今後の日本経済を担う
・日本に住んでいるからといって、“日本語が得意”とは限らない
・在留外国人の母国語で、効率よく発信することの重要性

 

少子高齢化、そして、増えゆく在留外国人

まず、日本の人口動態について解説します。

出生率の低下により、日本人の人口は14年連続で減少しており、2023年1月1日時点では前年比80万人減となりました。また日本の高齢化率は世界最高で、65歳以上の人口は総人口の約30%にも及びます。

少子高齢化グラフ総務省「国勢調査」&国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」 (1)

高齢化グラフ:総務省「国勢調査」&国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)より WOVN 作成

その一方で、日本に住む外国人の数は増加の一途をたどっており、2022年末には、在留外国人の数は300万人を突破(※1)しました。特に、「労働者」という目線で在留外国人のインパクトは大きく、2019年に在留資格の「特定技能」が創設されてから、この資格で働く外国人の数は増加し続けています(※2)。

“300万人”という数字についてですが、たとえば、茨城県の人口は約280万人、静岡県の人口は約360万人です(2023年6月時点)。こうした数値と比較すると、1都道府県の総人口にも及ぶ“300万人”という規模が、いかに無視できないものかが想像しやすいのではないでしょうか。

少子高齢化による労働者不足が叫ばれている中、在留外国人と共生することで、日本経済のさらなる活性化を見込むことができるでしょう。

※1出典:2023/10/13法務省出入国在留管理庁
※2  (参考:2023/6/30 法務省統計 特定技能在留外国人数)

 

在留外国人増加グラフ法務省「在留外国人統計」 (1)

在留外国人増加グラフ:法務省「在留外国人統計」より WOVN 作成

 

訪日外国人より在留外国人のほうが消費額が多い

ここで、在留外国人に関する興味深いデータをご紹介します。

昨今、インバウンド消費が注目されていますが、実はコロナ禍以前の2018年には訪日外国人より在留外国人のほうが消費額が多いと試算されていました。当時の具体的な試算金額は次のとおりです。

・訪日外国人:約3,000万人に対して、消費市場規模は約4.5兆円
・在留外国人:約280万人に対して、消費市場規模は約4.9兆円

4.9兆円という数字は、飲食、ゲーム、人材派遣などといった業界の市場規模と同水準です。このように考えると、在留外国人の市場規模がいかに大きなものか想像しやすいのではないでしょうか。

 

コロナ前外国人推移参考:2019/10Multilingual Experience 外国人戦略のためのWEB多言語化

 

今後の売上増加のキーを握るのは在留外国人

コロナ禍で大きな変化があったように、インバウンドビジネスは自然災害や政治的背景、またパンデミックのような公衆衛生の危機に左右されやすいという特徴があります。

一方、在留外国人は日本で生活する人々であるため、「外国人」という意味では一緒であっても、インバウンドとは違ったセグメントであることがわかるでしょう。こうした背景から、在留外国人をターゲットにして取り組みを行っている企業が存在しています。

 

在留外国人に向けては、母国語での言語対応が必要不可欠

実際の企業の例をご紹介する前に、在留外国人をターゲットにして取り組みを行う際には「母国語での言語対応が必要不可欠である」ということについてお伝えします。

母国語での言語対応が必要不可欠な理由① 

日本語は難しい

言語習得の難易度を測る方法は様々ありますが、一例として、アメリカの外交官が特定の言語を習得するまでにどれほどの時間がかかったかを調査した例によると、日本語は「最も難しい」とされるレベル4の言語に分類されています。つまり、世界で最も難しい言語の一つと捉えることもできます。(出典:アメリカ合衆国・国務省

その難しさを表す指標として、扱う文字の数が挙げられます。英語では扱う文字がアルファベット26文字であるのに対して、日本語ではひらがな46文字、カタカナ46文字、常用漢字2,000文字以上と、その文字数が桁違いであることがわかります。

さらに、日本語では話の雰囲気から主語を察することが求められがちで、曖昧な表現も多く、オノマトペ(例:ニコニコ、すべすべ等)の種類も非常に多いという特徴があります。これらの独特な文化・表現を覚えてニュアンスや文法を使いまわすということは、外国人にとっては容易なことではないでしょう。

母国語での言語対応が必要不可欠な理由② 

日本語で「会話」ができても、「読み書き」は苦手な外国人は多い

日常的に日本語で会話をしている外国人であっても、実は読み書きがそこまで得意ではなく、苦労しているという外国人もいると言われています。日本人でも、なんとなく英語で会話することはできても、文章を読んだり書いたりするのは大変だ、という方も多いのではないでしょうか。

また、家庭の都合で日本を訪れるような外国人もおり、日本にきて初めて日本語に触れるというケースもあります。こうした場合、生活の中で日本語を学ぶことはあっても、読み書きを習ったり、練習したりしないまま日本で暮らす人も多いと想定される為、やはり読み書きに苦手意識をもつ外国人は一定数いると考えられます。

実際に、当社が2022年に在留外国人を対象に独自に行ったアンケート調査在留外国人が生活サービスに加入する際の情報源と言語についてによると、全300人のうち半数以上の人が「Web サイトが多言語化されていることが、サービス契約の決め手となる」と回答しています。この結果からも、たとえ日本に住んでいる外国人であっても、日本語ではなく母国語で情報発信をしてほしい、と思っていることがわかるかと思います。

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在留外国人に向け多言語化を実施した企業の事例

ここまで、在留外国人市場や多言語化が必要な背景についてお伝えしてきました。最後に、実際に弊社の言語対応効率化ができるソリューション、WOVN.ioを活用し、在留外国人をターゲットにして取り組みを行っている企業を例にして施策事例をご紹介します。

エノテカ

「アジアでナンバーワンかつオンリーワンのワイン商」を目指すエノテカ。国内・海外でワインショップを運営し、同時に国内向け EC サイト「ENOTECA online」も運営しています。

エノテカは、WOVN.io でコーポレートサイト・EC サイトの英語対応を効率化しました。ワインの生産者と消費者の双方にエノテカのこだわりを伝えることで、より多くの方々にワインを楽しんでいただけるような環境を整え、結果として EC サイトの英語経由での売上は570%増加しました。

WOVN.io の導入前から、一部の情報を英語にしており、英語経由で購入されるお客様が数%存在していたそうですが、Web コンテンツの拡充と英語化を行ったことでその数を圧倒的に増やすことができた、という事例です。

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森ビル

六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、様々な商業施設を運営し、“街づくり”を手掛けている森ビル。施設の Web サイトやアプリでは、ショップやオフィス、ホテルや居住施設など、様々な施設のサービス情報を発信しています。

森ビルは、こうした各種 Web・アプリに WOVN.io を導入し、多言語化をしています。“外国人のお客様のため”ではなく、“森ビルの施設を利用するすべてのお客様”の利便性を向上させることを目指しており、その意味で多言語対応は必須であり、これを効率的に行う手段として WOVN.io を活用しています。

結果的に、すべてのお客様に向けてのサービスレベルを高めることに繋がり、森ビルのブランディング向上にもなった事例です。

 

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多言語化ソリューション『WOVN.io』のご紹介

最後に、多言語化ソリューション『WOVN.io』についてご紹介します。WOVN.io は、Web サイトやアプリなど、インターネットコンテンツを最大45言語(79の地域言語)に多言語化することができるソリューションです。

言語ごとの Web サイト開発が不要で、運用フェーズにおいても、新たに更新されたコンテンツを自動検知・自動翻訳ができるため、多言語サイトの運用を自動化できます。30の国・地域で特許を取得した高い技術力と、手厚いサポート体制で多くの大手企業様にお選びいただいております。

詳細はこちら

「すでに、社内リソースや翻訳会社によって Web サイトの翻訳を行っている」というケースであっても、WOVN.io をプラットフォームとして利用することで、“Web サイト多言語運用” に関わるステークホルダー同士のコミュニケーションコストを削減することができます。さらに WOVN.io では、翻訳結果を資産として蓄積することができるため、翻訳の資産化を促進するとともに、属人化を防ぐことが可能です。

「外国人市場について知りたい」「多言語化やグローバル化に興味がある」などの場合には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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